2023年7月7日伊東洋平×坂本サトルツーマンライブ@仙台LIVE DOME STAR DUST
伊東洋平 presents『The Sounds of Home “Sendai”』
伊東洋平さんが企画し、先月6月28日には東京で「はらかなこ」さんをゲストに迎え、第1回目が開催されたライブシリーズ『The Sounds of Home 』。
コロナ禍中は単独で演奏する機会が多かったため、コロナ禍が明けたいま、洋平さんが各地に赴き、「ゲストを迎えて、じっくり深い音楽の時間を作っていきたい 」というコンセプトで立ち上げたツーマンライブ・シリーズなのだそう。
シリーズ2回目であり、仙台では記念すべき第1回目となるこちらのライブに招かれたのが、坂本サトルさんでした。
伊東洋平さんの楽曲プロデュースを数多く手がけるサトルさん。音楽的親交が深い二人のセッションに、期待が高まります。
会場となった「LIVE DOME STAR DUST」は、スタイリッシュな空間でお酒と食事、ライブが楽しめるダイニングバー。本格的なバースペースを併設し、ドリンクのラインナップも豊富。
テーブル席に着席し、落ち着いた雰囲気のなかでライブを堪能できました。
坂本サトル ライブ
洋平さんの挨拶から幕を開け、前半はサトルさんのライブからスタート。
ステージに登場したサトルさんは開口一番、
サ「洋平、相変わらずだね」。
洋「ありがとうございます!」
サ「いや褒めてない、笑」。
と、二人の軽妙なやりとりから始まりました
というのも本日のライブについて、サトルさんがゲスト出演なのかツーマンライブなのかうまく伝わっておらず、当日、サトルさんはライブのコンセプトを聞いて、セットリストを大きく変えたのだそう。
この日は、サトルさん、洋平さんともにギター1本の弾き語り。
「好きな曲をベストセレクション的に」という選曲で、サトルさんならではのライブシーンを作り上げていました。
1曲目は「君に会いたい」。シングル曲ではないこの曲をトップに持ってくるのは珍しいなと思いましたが、力強いギターと心を震わす歌声で観客をひきつけ、会場の空気をあっという間に自分のものにしていくのは、さすがの貫禄です。
個人的には、6月に青森で開催された『HOMETOWN MUSIC LIFE2023』の野外ステージでこの曲を歌われてから、この歌の放つ魅力がぐんと一段引き上げられた印象があります。歌っているサトルさんの中では何か変わったところがあるのかな…。いつか機会があったら聞いてみたいです。
2曲目「コーンスープ」。この日は全体的に、歌い方に強弱をつけ、より歌詞の情景が浮かぶような表現をしているように感じました。「コーンスープ」でも、Aメロは小さく抑えめに、Bメロは力強く歌われていて、時の流れや場面の変化が感じられ、感動的でした。
MCでは、サトルさん洋平さんも出演していた、7月1日開催のラヂオ気仙沼・ぎょっとFM開局6周年記念イベントのお話。この日の夜は、イベントの打ち上げも兼ねて男山酒造主催の「蒼天伝おいしんぼ会」へご招待されたそうで、そこでの抽選会で、なんと2人とも特賞の日本酒が当たったというお話しをされていました。(以下の熊谷育美さんのfacebookに「蒼天伝おいしんぼ会」の様子がアップされていました)
またこの日は、サトルさんが気仙沼に行った際に宿泊する佐佐木さんのお宅に洋平さんも宿泊する流れとなり、6畳一間に布団を2組敷いて、並んで寝たそうです。
3曲目「何も知らなかったよ」。すぐ隣にいても気づくことができなかった悲しみ。「♪声もあげず涙も流さず いつも君は泣いていたんだね」というフレーズが、きっと誰もが胸の奥底に抱える悲しみに共感し寄り添ってくれるようで、心に染み入りました。
じっくり聞かせる曲が続きましたが、続いての「4月3日に生まれて」では、疾走感のあるギターとパワフルな歌声、観客のハンドクラップが重なり、会場に熱を運びます。
続くMCは、翌週(7月15日)に控えた仙台でのジガーズサンライブについて。ギターの渡辺洋一さんが「脊柱管狭窄症」という病気のため出演キャンセルになったことを受け、7月3日に北海道の帯広まで渡辺さんに会いに行ったサトルさん。
今年のライブは渡辺さんはリモート出演となりますが、「いないけど存在を感じる」「結局主役は渡辺さん」と思わせる、創意工夫を凝らした仕掛けを頑張って準備している真っ最中だそうです。という流れでジガーズサンの曲「告白」。ドラマチックなストーリーが目に浮かぶような歌声でした。
盛り上がりそのままに「アイニーヂュー」へ。力強いギターのストロークと、「この世界にはあなたが必要」というメッセージが観客の感情を震わせ、大きな拍手が鳴り止まず。
最後の曲「天使達の歌」では、アウトロまで丁寧に、心を込めて演奏されており、会場が感動に包まれステージを終えました。
伊東洋平 ライブ
休憩を挟んで後半、伊東洋平さんのライブがスタート。
毎週末ライブやイベントなどに引っ張りだこの洋平さんですが、そういったイベントではなかなかできない、「やんちゃな曲を歌いたい」「自由に表現したい」という気持ちがあったとのこと。
その思いが反映されてか、1曲目「逃ゲテモノ負ケテモ」というアップテンポのロックナンバーからスタート。観客のハンドクラップと、洋平さんの熱いギターのプレイ、歌声に、会場は大きな盛り上がりを見せました。
2曲目、メロウなミディアムナンバー「夜空に君を映して」でも、洋平さんはリズミカルにギターを奏で、リズムにのって楽しそうに歌い上げていました。
MCでは相変わらずの洋平スタイルで、「最近かぼちゃを煮て冷やしたやつがおいしい」「腸活をしている」、またサトルさんもお話しされていた気仙沼の抽選会で2人でワンツーフィニッシュを決めた話などをして、会場を和やかに。
そんな洋平さんですが、昨今の社会情勢や災害など、毎日の悲しいニュースに慣れてしまっているかのような自分がいて、恐くなったりすることもあるそう。そういった時代に「一つになれる尊さを」と歌われた3曲目「One」。やさしく爪弾くギターと歌声に、会場が慈しみの優しさに包まれた瞬間が確かに感じられ、歌い終わった後は大きな拍手に包まれました。後方のバースペースで聴いていたサトルさんからも「良かった!」とのかけ声が。
「『One』にも通じる気持ちを込めて」とインスト曲「暁」をギター1本で披露。洋平さんにとってもチャレンジであるというギター演奏は、ときに繊細さを、ときに感情の昂りを表現しているようで、胸に熱い余韻を残しました。
続いて歌われたのは、4月のツアーの際に制作したという新曲「あいのうた」(表記不明)。爽快なアップテンポのナンバーで、歌詞をきちんと読んでみたいなと思いました。
そして続く「Sunny」では風のようにさわやかな心地よさを、「Refrain!」では何度でも挑戦する前向きな気持ちを届けます。「Refrain!」アウトロの「♪oh…」のコーラス部分を観客と一緒に歌い、会場全体があたたかな気持ちに満たされました。
最後の曲の前に、サトルさんの「天使達の歌」に触れ、「やっぱりすごい歌。追いかけたい歌」と、サトルさんへの尊敬の思いを伝えた洋平さん。
これからどんな風に進んでいくとしても、自分の思いとみんなの思いを重ねて、最後まで歩いていきたいとお話しされ、「希望の扉」を歌い上げました。
坂本サトル×伊東洋平 セッション
セッションがあるのをすっかり忘れて、バーカウンターで楽しくワインを飲んでいたサトルさん。いい感じに酔っぱらった状態で、ワイン片手にステージに登場しました。
「最近ストレスでパンパンだったんだけど、今日わかった。お酒を飲みながらライブを聞くのって最高!」と、自身のストレスが洋平さんのライブを見て和らいだと、洋平さんに伝えていました。
サトルさんのストレスの一端…なのかわかりませんが、抱えていた仕事のひとつが、洋平さんが手がけた仙台七夕オフィシャルソング「七夕さんさん」(表記不明)のアレンジだったのだそうで、昨年完成していたものの、手直ししたい部分があり、自主的に取り組んでいたとのことです。
今年8月の仙台七夕まつりの際には、仙台の街中でこの曲が流れるそうで、洋平さんとともに「光栄なこと」と仰っていました。
セッション1曲目は、サトルさんの曲「愛の言葉」。
サトルさんのギター演奏と歌声に、洋平さんはハンドマイクで1番サビからハモリで参加。2番はAメロを洋平さんが歌い、サトルさんがハモリます。中盤および後半の♪ラララ…は観客とともに。その歌声に、洋平さんがファルセットで♪ラララ…と声を重ねていったところがとても良かったです。
セッション2曲目は洋平さんの「TSUBASA」。
サトルさんとWギターで演奏するため、サトルさんが洋平さんとギターチューニングを合わせるも、なかなか合わない。会場の誰もが「サトルさんが酔っぱらっているから…」と思っていたところ、なんと洋平さんのギターがレギュラーだと思っていたところフラットチューニングだったことが発覚。いろいろありつつなんとかなり、2人で力強い「TSUBASA」を演奏されました。
拍手が鳴りやまず、アンコールはJIGGER'S SONの楽曲「大丈夫」。
もちろんサビの「♪大丈夫~」は、「もっとボリュームあげて!」と観客と一緒に。洋平さんが「♪大丈夫~」でハモリを披露したところ、「さすが元イケメン’ズ!」(デュオ)とサトルさん絶賛していました。
「大丈夫」という楽曲のパワーと相まって、大団円を迎えたような、幸せな気持ちに満ちた終演となりました。
洋平さんとサトルさんの次回の共演は、
7月17日(月・祝)開催、洋平さん主催のイベント「SENDAIアンサンブル」(仙台勾当台公園市民広場)にて。
こちらのイベントにもぜひ足を運んでほしいとのことでした。
■写真OKタイム
■セットリスト
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