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「お母さんってなんで看護師になろうと思ったの?」と娘から聞かれて答えられない私の話

よく中3の娘から言われます。
今のお母さん見てて、絶対看護師とか想像できないんだけど。
そもそも何で看護師になろうと思ったの?

なるほど。
日頃の家での母親としての私からは、献身的な看護師というイメージは想像出来ないということでしょうか。

ところで、私ってなんで看護師になりたいと思ったんだっけ?

私たちの時代は、将来の夢=存在する職業、だった。
今は違うよね。やりたいこと、好きなことが職業になる時代。
職業名では答えられない仕事もたくさんあるし、作り出せる時代。

20数年前は、手に職をつける、がなんか必要じゃない?みたいな流れで、だったら女性は看護師、どこでも働けるし一生食いっぱぐれない、みたいな。だから、まわりも結構看護師目指す人多かったイメージ。

そういう流れに乗っただけなんだろうね。
そして、その時代、看護師=白衣の天使、のイメージだったし。
観月ありさの「ナースのお仕事」だったり、看護師ドラマ多かったよね。

はい、時代の流れにのっとって看護師になった、っていうのが一番しっくりくる理由かもしれません。

私はもともと人と上手に話すのが苦手だし、人見知りだし、そんなに人好きではない。
でも、誰かの役に立つ、っていうこと自体は好きだったみたい。
看護師してから気づいた。

でもやっぱり、ずーっと人と接していると、HSPっていうのもあって、疲れるんだあ。休みの日はずーっと寝てた。
当時、入院患者さんの内服薬を確認しながら、1週間くらいの内服薬スケジュールを手書きで書いていたんだけど、
1人で黙々と内服薬をわけわけする作業が一番楽しかったし。
地味な作業がこんなに好きなのに、私はなんで看護師やってるんだろう。って何度思ったか。

今は看護師としてまた病棟や在宅とか臨床で働きたい、っていうモチベーションは全くない!(言い切る?笑)

そもそも、〇〇だから看護師として活躍したい!っていう根本がなかったのだから、一生続けられるわけない。

でも、そんな私でも、間違いなく看護の仕事はやりがいがあったし、楽しかった。
病で苦しんでいたり、好きなこと自由に出来ない制限のある子どもたちやその家族と接する中で、
めちゃめちゃ人間として、価値観だったりスピリチュアル的な人生観だったり考えさせられたし、この仕事してなかったら、「人ってなんのために生きてるんだろう。病気になるってどういうことだろう。なんで病気になるんだろう」とか考えを深められなかったと思う。

人間力、とでもいいましょうか。
ここはめちゃめちゃ鍛えられたと思います。
もともと物事を「なんでだろう」と深く突き詰めて考える癖もあり、このスピリチュアルな部分はたくさん本も読んだり、触れてきて、自分の中に納得する形で落とし込んできた。
亡くなる子どもたちとその家族を多く見てきたこともあり、(こどもだけでなく、成人や高齢者も含め)
この部分は看護師として自分なりの考えを持っていないと、と思いながら。

異常の早期発見、病状の的確なアセスメント
も大事ですが、
看護師って、人間力、試されますよね。
病や闘病で一番人生で弱っている時期の方に接する私たちが何が出来るか。


娘にも「看護師向いてるの?」って言われます。
向いてないかもしれない。
だって、そもそも看護師ってどういう職業なんだろう、とかまた深く考え始めちゃったりして(私の癖ですほんと)、看護師に向いてるってなによ。

向いてる向いてない、はないんだと思います。
でも「こういう看護師が求められる」っていうのはあります。
それはまた考察してまとめてみようと思います。

だから私は、
どうして看護師になりたかったのか、は答えられない。
でも、もし職業として看護師を選び、がんばってみたい、と思っている人がいたら、選ばれる看護師については話せると思います。
私は、看護師に向いてなかったかもしれないけど、
少なくとも、患者さんやその家族に求められる看護師ではあったと思うから。

とか娘に言っても信じてくれないんだろうな。

「でもさあ、お母さんって、子どもたちとそのお母さんにめちゃめちゃ頼られてるよね」って言ってくれた娘。
それではだめなんでしょうか。娘よ。私は看護師だったんだよー。




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