三千年を解くすべを持たないもの
和菓子屋で10年の修行を経てお店を開いて6年になりました
タイトルの
これはソフィーの世界という哲学の本の1番最初に書いてある言葉で、これって何にでも言えることなのではないかな?ということでまたこっから和菓子の話にもっていこうと思います。
ソフィーの世界
ソフィーの世界はノルウェーで哲学の教師をしていた、ヨースタイン・ゴルデルさんという方が、初心者向けにやさしく哲学を学べるようにと書かれた本で、結構分厚いです。
3000円くらいしたかな?今は上下巻になっているみたいですが、初期の本持ってる人はわかるかもしれませんが辞書並に分厚いです。
やさしく書いてこれなの!?と読む前から引きそうなのですが、私も読むのに3か月以上かかりました…
主人公のソフィーというどこにでもいる普通の女の子がある日哲学者から「あなたは誰?」という手紙が届くところから始まります。
それからまた「世界はどこから来た?」と
謎の哲学者から勝手に宿題みたいに次々にお題が書かれた手紙を見て、自分なりに考えて、後日過去の哲学者たちの思想を解いた、いわゆる解説みたいな分厚い手紙が送られてくるという展開になっています。
この解説が哲学者の話なので難しくて止まっちゃうんですよ!物語も絡んでくるので飛ばせない…ここがツラいですね〜挫折ポイント。
物語としては手紙にときどき出てくる「ヒルデ」という女の子は一体誰なのか?
ソフィーとの関係は?そして、最後に「ソフィーの世界」というタイトルの意味が分かり、改めて今度は読者に問われます「あなたは誰?」と。
そんな感じです。まあぜひ読んでみてとは気軽に言えない厚さの本ですけど…立ち読みしてみてください。
三千年を解くすべを持たないものとは
この本の最初に書いてあるゲーテの言葉がこの本の存在価値として集約されていると言った感じです。
この物語に出てくる哲学者達は、過去の哲学者達の思想からヒントを得て、いやこうだぞ?とかいや、これは違う!!とか考えてるんですよね。
絵画もそうではないですか?今まではこうだったからこういう表現にするとか?
これはなんにでも当てはまることなのかなと。
何かしら少なからず影響を受けて、参考にして、自分なりに解釈してるというのは、職人もそうだし、発明する人も、将棋の棋士も研究者も…。
ソフィーの世界でも哲学の始まりは「なんか変だぞ?」と疑問を持ったところからだと書いてあります。
自分が何かわからなくても、世界がどこからきたのか知らなくても生きていけます。
この三千年を解くすべを持たないものとは、「今だけを基準に考えてる人」だということなんだと私は考えます。
すべては繋がっている
和菓子も日本が中国からの影響を受けて作られたお菓子だと言われています。
それからずっとずっとその当時の職人たちが、こうしてみよう、ああしてみようと試行錯誤して今の和菓子がある。
これを使わせてもらってるだけ。
できるだけ新しいものを作ろうとするのは繋げるためであって、無くすためじゃない。
なので、職人がこんなの和菓子じゃないとか言っちゃだめなんです。
ずっと繋げるためには新しくしていくしかないのだと思うのです。だって今までもそうしてきたはずだから。
ゲーテが言いたかったのってそういうことでしょ?きっと。
世界が変わる
このソフィーの世界は20歳の時に読んだ本です。
今もちゃんと置いてあってなかなか分厚くて読み返す気にはならないけど、たまにパラパラと読みたいとこだけ読んだりしてます。
私が1番好きなのは、最後の章のタイトル「ビックバン〜わたしたちも星屑なんだ〜」という言葉です。
屍(しかばね)じゃなくて星屑とは!!
人間は猿から進化したとされてますが、その前は恐竜?その前は?じゃあ神様が作ったとして、神様は誰が作った?微生物は?宇宙は?ビックバンは?何にもないところから突然できた?その前は…?
無から突然何かが起こって宇宙ができて惑星ができて生物ができたのなら私たちの大元の元は星屑と同じじゃん!ということなんですよ。
わあ!星屑かあ!と思って感動したんですよねー。
最近朝、暗いときなんですけど車運転中(店に出勤中)に流れ星見たんですよ。
あっ!流れ星って思った瞬間に消えたので願い事とかそんなヒマなかった…
それでふと私たちは星屑なんだということを思い出してこれ書いてみようって思って書きました。
この本読んでから何事にも始まりがある、今の世界は当たり前じゃない、私たちは宇宙人よりも謎に包まれている…そして星屑であると思うと
ちょっと世界が変わって見えてきませんか?
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