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詩「虹の源」

土砂降りの雨は森のにおいをむせるほど濃くし、モノトーンの空間をつくりだす

ぼくは湖面のあたりで雨粒が激しく踊り狂っているすがたを静かに見ている

やがて空が泣き止み、気温が上昇する

湖面から沸き立つように虹が弧を描き、それをパレットにして誰かがまわりに色を塗るように色彩が戻ってくる

そんな虹の源は生前、虹だったころを忘れられない虹鱒であってほしいと願う

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