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詩「目的」

物干し竿にぶら下げられた烏よけのCDと、地面に倒れた猫避けのペットボトルが輝きを失い、役割を放棄している庭のある家の、引き出しにしまわれた写ルンですの中で現像を待つぼくの笑顔は引きつっていなかっただろうか。

もう飽きた。いつまでも死んでいたいわけじゃない。

すべてが満たされたお花畑から川にかかる橋をわたって、光ある生。やさしさを押し付けられて、押し花のようにならぬよう夏を真似て笑い合い、大切な人からいちどだけ美しい花束をもらって大号泣するんだ。



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