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彼女は狼の腹を撫でる(完結)

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狩狼官の少女と機械とモフモフの話です。全40話、無事に完結しました!
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2023年4月の記事一覧

小説「彼女は狼の腹を撫でる~第32話・少女と春休みと大痛飲行進曲~」

私と愛犬のシャロが暮らす自由都市ノルシュトロムは、冬の終わりに差し掛かるとあちこちの街路…

小説「彼女は狼の腹を撫でる~第33話・少女と少年と真空飛び膝蹴り~」

春は恋の季節だ、なんて世間ではよく語られる。 厳しく冷たい肌を刺すような冬を終えて、段々…

小説「彼女は狼の腹を撫でる~第34話・少女と猫の群れと墓参り~」

道を歩いていると猫がいた。 猫というのは所謂あれだ、猫だ。猫は猫以外のなにものでもない、…

小説「彼女は狼の腹を撫でる~第35話・少女と河童と尻子玉革命~」

「いいか、シャロ! これに着いた匂いを覚えて、追跡するんだ」 「ウァン!」 私と愛犬で狼…

小説「彼女は狼の腹を撫でる~第36話・少女とまじないと願いごと~」

自分の人生は嫌なことばっかりだってずっと思ってた。 鬼みたいに怖い暴力的なばあさん、幼い…

小説「彼女は狼の腹を撫でる~第37話・少女と獅子と獣の数字~」

人狼――その名の通り狼の悪魔の血を引く、人でありながら人と違える種族。自身でも制御しきれ…

小説「彼女は狼の腹を撫でる~第38話・かくして母は失踪を終える~」

目の前には珈琲がひとつ、深煎りで苦めの濃いめ、砂糖も牛乳もなし。それとコーヒーゼリーにホイップクリームを多め。席は店奥の窓の前、とびきり眺めのいいところ。 向かい側の席にも珈琲がひとつ。角砂糖ふたつ、牛乳はなし。それと苦めのチョコレートをひとつふたつ。席は店奥の窓際。 その隣にも珈琲、角砂糖はひとつ、牛乳は小さじ1杯。それと紙巻の煙草、でも今日は火を付けず。 その向かい、私の隣にはレモネードがひとつ。チョコレートの欠片が散りばめられたクッキーは、すでに齧られている。 とぷん

小説「彼女は狼の腹を撫でる~第39話・だけど彼女の旅は終わらない~」

私の家で生まれた者が代々受け継ぐ名前ウルフリードは【狼を繋ぐ紐】を意味する称号だ。 初代…

小説「彼女は狼の腹を撫でる~最終回・狼の末裔は今日もよく吠える~」

可愛い子には旅をさせろ、なんて昔の人は言うけれど、今はとてもじゃないけどそんなこと言えな…