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発見‼みゆき通り「左官アート」

左官アート、いわゆる鏝絵(こてえ)は、左官職人が漆喰壁にコテを巧みに操り絵や動物などを立体的に施す装飾のことです。この絵や動物には、その家柄を表現したものや願いが込められているものもあります。伝統的建築物保存区域であるこの豆田町にも左官職人の技が残っています。

ここで紹介する鏝絵がある場所は、ひみつ。豆田みゆき通り商店街をゆっくり廻って探してみてね!!

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鷹と波うさぎ そして鳩

日本では古くから縁起の良い動物として用いられる「鷹」ですが、主に子供の成長や幸運を掴むなどの願掛けがあります。日田には「鷹神話」もあります。しかしここで鏝絵としては珍しい「波うさぎ」 なぜここに?と思う方も多いのではないでしょうか。実は、木造の建物が多いこの豆田町にとっては、火災が天敵。波や水を表現することで火防・火除けの守りとしています。うさぎ(兎)は、子孫繁栄や豊穣をもたらすめでたい瑞獣(ずいじゅう)とされているそうです。そして鳩もいます。鳩は平和の象徴でもありますが、家内安全、子孫繁栄の想いが込められています。どちらも130年以上前に制作されたものだそうです。

場所ヒント:和雑貨を販売しているお店。向かいのお店では、左官鏝も販売しています。


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あやめと鵜

比較的近代に制作されたであろう鏝絵。日田市の花である「あやめ」と三隈川で行われる「鵜飼い」が描かれています。日田らしさを表現した鏝絵が壁面全体に施されています。一番上のコウモリと雲は火避けの意味が込められているそうです。

場所ヒント:こだわりの大分県の食品などを販売するお店


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長寿や縁起の良い鳥の代表「鶴」2羽の鶴が楽しく遊んでいるようです。

場所ヒント:雑貨屋「スラン」の近く ※一般住宅なので迷惑が掛からないようにご注意下さい。


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お店の壁に描かれた「米」の文字。米粒で表現されている漢字が遊び心を感じます。なぜ「米」なのかを考えると・・場所ヒント無し!!

場所ヒント:無し


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桜と家紋

さりげなく描かれた花びらをつけた桜の枝は、「桜木」という名前を表現したもの。丸い顔したキャラクターのようなマークは、家紋の「丸に分銅」古くから豆田町に住む一般家庭の家屋です。

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瓢箪と駒

「瓢箪から駒」冗談が本当のことになるという諺(ことわざ) 物事を良い方に考え発言していると全て良くなるという願いが込められているようです。商売をしていない一般の住宅なので「駒」を「コマ」に変えているところがユニークです。

場所ヒント:木下酒屋のちかく ※一般住宅なので迷惑が掛からないようにご注意下さい。


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この鳩には、子宝に恵まれる、世界平和という願いが込められています。右と左では、作者が違っており裏に名前が書いてあるそうです。左官職人の腕の見せどころなんですね。

場所ヒント:豆田で唯一の模型屋さん(文具屋)


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波と千鳥の絵

屋号にも使用されている「水」を表現していますが、波と千鳥は、絵になるような調和の良いもの、組み合わせの良いものを意味します。さらに一緒に波を越えて飛び回る鳥の姿から家族円満、家内安全を表しています。

場所ヒント:名前に「水」が付く金物屋さん


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稲妻

豆田町は、伝統的建築物保存区域です。外壁工事の時も過去の写真やデータを元に同じ模様を施します。昔の職人が描いたこの絵を現代の職人が描く。そうやって技術と文化が継承されていくのですね。

場所ヒント:焼菓子のお店「まるせ」のちかく ※一般住宅なので迷惑がかからないようにご注意下さい。


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窓枠

窓以上に大きく施された窓枠。全体的な造形や墨が入った黒い漆喰が重厚感を与えています。悪い気を寄せ付けない強さも感じます。

場所ヒント:豚モツの美味しいお店。奥には蕎麦屋さんもあります。


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雫除け?

壁を伝って流れる雨が窓に入らないように、壁面を盛り上げることで雫を逃がしています。その盛り上げた切り口のラインが凛とした佇まいで、かっこよく美しい。機能に美を加える日本の美意識に感動します。

場所ヒント:相澤漆工房のお店から出ると正面に見えます。

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