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カエルの長靴は「ぴょこぴょこ」鳴きます。

ゲコゲコじゃないの…?

いや、そもそもカエルじゃなくて、カエルの長靴だからいいのか。

いやいや、

長靴だしそもそも鳴く、じゃなくて鳴るじゃ無いのかな?

鳴る、にしてもぴょこぴょこはおかしいじゃないか。

そんな大人の思考そっちのけで、こまめちゃんは楽しそうに雨の日にカエルの長靴を履く。

「こまめちゃんのね、カエルさんはぴょこぴょこ鳴くんだよ!」
「あとー、ぴょこぴょこだからー、すっごく可愛いのっ。可愛いからー、鳴くんだよ。ぴょこぴょこ♪」

とても好きな事やアピールしたいことを、彼女の頭の中にある、意味があるのかないのか分からないけど2歳児なりの相手にプラスの意味で捉えられるであろう言葉を選んで、たくさん言葉にして伝えてくれる。

こまめちゃんの言葉は、"大人"が聞くと意味不明だけど、親が聞くと魔法みたいにとてもカラフルでほっこりしてしまう言葉ばかりで、ついニヤニヤしてしまう。

「カエルさん、可愛いねぇ。こまめちゃんも可愛いから一緒だね。ぴょこぴょこ♪ ほら、こまめちゃんも鳴くんだよ」

いやいやいや、君は鳴かないだろ。
君の自己肯定感が高いのがわかって安心するけど、なんで君が鳴かなくちゃいけないんだ。

「こまめちゃん、保育園行こうか」

気持ちを切り替えて手を伸ばすと、少しだけ冷たくて小さい手が私の手を掴んでくれる。
弾むような手。
嬉しいという気持ちが伝わる手。

雨の日も、カエルの長靴があればきっともう大丈夫

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