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ホルモン療法の副作用とエストロゲン②ホットフラッシュ

前回の続きです。
今回はホットフラッシュについて。

手術後しばらくしてから、尋常じゃない寝汗をかきはじめた。
それはしばらくの間続いてた。
4月に入って「フルマラソンでもした?」とツッコミたくなるような寝汗で目が覚めた。
その時は「あ、春になって暖かくなってきたからそろそろパジャマを薄手のものにしたほうがいいのかな」と思ったくらいだった。
ところがパジャマを薄手のものに変えようが、毛布や掛布団を減らしても寝汗の量がまったく変わらない。しまいに敷布団にうっすら黒カビがはえたので買いかえた。その時になって初めて「ああ、これがホットフラッシュ…」と気がついた。
もともと汗っかきなほうではあったけど、そんな布団がカビるような量の寝汗なんてかいたことなかったからびっくりした。こうなるともはやフラッシュというよりスプラッシュといったほうがしっくりくる。人間スプリンクラー。後にも先にも布団がカビたなんてあの時だけだ。

エストロゲンのはたらきのひとつに「血管拡張作用」がある。
血の巡りをよくして、体温調節をスムーズにする。
ホルモン療法でエストロゲンのはたらきを抑えられてしまうと、この「血管拡張作用」も抑えられてしまう。

ホースを指で軽くつぶすと水の出が強くなる。あれをイメージするとわかりやすいかもしれない。
血流が強く激しくなり、体温調節が難しくなる。
これにプラスしてコレステロールも増加するので、血管狭窄はさらに進む。
血管狭窄を防ぐ作用がなくなり、それにプラスして体内で増えたコレステロールが血液中をめぐるので、血管の内壁はさらに狭くなる。

これまで、血中エストロゲンのはたらきは性周期の調節と考えられていたが、今では中性脂肪の調節という見方が出ている。

中性脂肪の調節機能が抑えられれば、当然体内の脂肪は増える。
これはコレステロールの増加のみならず血栓のできやすさにもつながる。
エストロゲンとコレステロールの関係については、次の機会に書きます。

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