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映画「355」の感想(ネタバレあり)

【あらすじ】
アメリカのCIA本部に緊急情報がもたらされた。あらゆるセキュリティをくぐり抜け、世界中のインフラや金融システムなどを攻撃可能なデジタル・デバイスが南米で開発され、その途方もなく危険なテクノロジーが闇マーケットに流出しようとしているのだ。この非常事態に対処するため、CIAは最強の格闘スキルを誇る女性エージェント、メイスをパリに送り込む。しかしそのデバイスは国際テロ組織の殺し屋の手に渡り、メイスはBND(ドイツ連邦情報局)のタフな秘密工作員マリー、MI6のサイバー・インテリジェンスの専門家ハディージャ、コロンビア諜報組織の心理学者グラシエラと手を組んで、世界を股にかけた追跡戦を繰り広げていく。やがて中国政府のエージェント、リンもチームに加わるが、彼女たちの行く手には想像を絶する苦難が待ち受けていた……。果たして第三次世界大戦を阻止することができるのか——

【期待度高すぎ新作】

劇場の予告編を観て暗がりでタイトルをメモに書き残し(覚えろや)、ムビチケを買って準備するくらい楽しみにしてた案件。基本007やジョンウィックなどの荒唐無稽なガンアクション映画が好きで、007NO TIME TO DIEではアナ・デ・アルマスが演じるパロマやラシャーナ・リンチ演じるノーミ(a.k.a新007)が活躍する昨今。女性エージェントがバアァン!と揃ったスパイ映画は爽快だろうなと期待は高まる高まる。


ただ、なかなか時間帯が合わず公開から10日以上も放置してしまいましたがようやく観てきました!感想は爽快!面白かった!泣けた!なんですけど幾つかのオヤ?な点があったりするのでネタバレ有りで記録しておこう。

【良かった点】

ストーリーは大筋で良かったと思う。一つのマクガフィン(デバイス)を巡っての攻防は一難去ってまた一難と緩急あり、どんでん返しあり、悲劇あり、大逆転ありとエンターテインメント作品として十分楽しめる作品。

メインキャストも多様性ある顔ぶれでアジア人がメンバーに入っていることは実に喜ばしい(中国資本が入っているとは言え)。

またこれでもかというガンアクションと格闘シーンも見もので、人が死ぬ死ぬ!音柱・宇随天元なら「派手派手だぁ!!」と認めてくれるくらい派手な作品でした。

総じて、ここ近年の映画界における風潮で多様性ある作品作り、特に女性や人種などマイノリティに配慮した作品だったのも良き良き。

最後の伏線回収、俺は気づいたぜ(ドヤァ


【オヤ?な点】

まあ何と言ってもこの手の映画でありがちな、詰めの甘さが随所にてんこ盛り。回収したデバイスをおじさん上司が一人で残業してバッグに入れてて奪われたり、秘密のアジトにあっさり侵入を許したり、自宅に残した身内の安全確保が出来てなかったり・・そういうのがないとストーリーが二転三転しないんだけど、ちょっとモヤっとする。

次に登場する組織が多くて整理できない・・スパイ映画にありがち。CIAとFBIの違いは判らんけどMI6はボンドの所属だよな、とかいつも分かんなくなる(俺がアホなの?)。最初にデバイスを産み出して取引しようとしてた麻薬組織と国際テロ組織、その場に突入した組織とその場からデバイスを奪った工作員、そのデバイスを回収しようとするメイスのCIAと親友ハディージャのMI6、マリーのBND、心理学者・グラシエラのコロンビア諜報組織とか後から調べないと分からないし、誰か相関図作って!(パンフにも書いてない)

あとマクガフィンの追跡機能とか監視カメラの解析機能とか、物語上都合のいいシステムがてんこ盛りで、最終決戦の高級ホテルにあっ!という間にメイスたちがどうやって侵入したかは省かれてたりね。

他にも混雑したモロッコの漁港で撃ち合いとか、地下鉄の線路内に入っていったり(お客様困ります!事案)とかもう危なくて仕方ない(そういう映画だ)。

一番の謎はビン・ドゥンドゥン・・じゃねぇやファン・ビンビン演じるリンが中盤でデバイスを入手した後に起きた数々のテロが誰の手に因るものか。リンは中国政府エージェントで数百人の被害を出す飛行機事故を引き起こすわけないけど、一体誰が?そもそもリンが敵か味方か?の立ち位置が分かりにくくて少し残念でした。

【最後に】

まあ色々ありますが、最終決戦ではメイスのチームを応援したくなるし、結末もアレ(伏線回収を予想できた)だったけど概ねまとまっていて秀作でした。続編の匂わせがあったりして、今後も楽しみです。

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