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「LOOPER/ルーパー」

ふんわり情報

2012年公開、ライアン・ジョンソン監督、主演ブルース・ウィリス、ジョセフ・ゴードン=レヴィット

タイムマシンの開発が実現するも、法律で使用が禁じられている近未来。法を恐れぬ犯罪組織が、消したい標的をタイムマシンで30年前に送り込み、そこにいる「ルーパー」と呼ばれる暗殺者に標的を殺させていた。凄腕ルーパーのジョー(ジョセフ・ゴードン=レビット)はある日、いつものようにターゲットの抹殺指令を受けるが、未来から送られてきた標的は30年後の自分自身(ブルース・ウィリス)だった。


感想

何年前かわからないくらい前に見た時の感想↓

「中弛み感はあったけど、後半30分のための映画
加筆
見てから1日経ってじわじわきた。」


超久しぶりに二度目の鑑賞。殺すべき30年後の自分を殺せなくて、ってことは覚えていたけど裏を返せばそれしか覚えていなかった。
シドとか完全に忘れてたから新鮮に驚いてしまった!笑

どうもあのTKが不要と感じる層が一定数いるからか評価が極端に分かれている印象の映画。

私はTKいると思うんだけどなぁ、ジョーを追ってきたジェシーの死亡シーンが衝撃的だったし、そこで解ける謎がたくさんあって。
サラが頑なにジョーをシドに会わせないようにしていたのも、シドが怒り狂った時に逃げ出して謎のパニックルームに駆け込んだのも、シドがジョーに語った育ての親が死んだ時のシーン「赤ちゃんだったから何もできなかった、ただ見ていた」という言葉の意味も。

オールドジョーがダイナーでジョーに語ったレインメイカーの特徴、「どうやったかはわからないがたった一人、半年で5つの犯罪組織を掌握した」というのも腑に落ちる、最高の伏線回収シーンだと思うんですよ。

ただし、なんせ「LOOPER」なんてタイトルを大々的につけているし、序盤はタイムマシーンとそれを利用した職業・LOOPERの説明をかなりしっかりやってくれているために、完全にタイムループもの?タイムトラベルもの?と思わされてしまうため、「TKはいらない」派も生まれてしまうんじゃないかと思う。
TKないと話終わらないと思いますけどね。そもそも始まりもしない気がするけど。

なのでこれはジョー&オールドジョーというバディが謎に迫っていくサスペンスもの(ちょっとSF風味)と思って見ればいいのではないでしょうか、たまたま相棒が自分の未来であり自分の過去でもあったと言うだけで。同一人物とは思えないほど似てないし、そもそも戦闘スキルにも差がありすぎて…
ブルース・ウィリス筋肉で全てねじ伏せ過ぎだよ!笑

序盤はオールドジョーが割ともっともらしいことを言い、ジョーが身勝手という描かれ方をしているけど、終盤はオールドジョーがエイブ軍団殲滅させるし、レインメイカー候補が3人いるからって幼子を順に殺していくし(一応心を痛めている描写はあったが)、いくら最愛の妻のためとは言えまあまあなクズの所業をやってのける。
それに対してジョーは義理を果たしていて、最初と真逆のイメージのため見ているこちらが「なんで?」とあまり納得できずソワソワしてしまうのかもしれない。

でもまあ、ジョーとオールドジョーは同一人物なんでね。
そもそもがクズ要素のある人間だけど、たまにいい人っぽい面が出ることもあるよ!という気分屋な人間だと思えば一貫しているとも言える。

序盤も序盤のセスへの対応を思い出すとまさにそう。
一度は匿い隠し通そうとするけど、自分の命どころか貯め込んだ銀とセスを天秤にかけられて銀を取るような人間ですからね。
さすがジョーを子どもの頃から知っているエイブはジョーの操縦方法を心得ているなぁと感心するシーン。
そう考えるとキャラクターの描写も徹底しているのかな?いや、ただの深読みなのだろうか…

ラストは、レインメイカーに社会全体や大勢の人たちが脅かされる将来を防ぐためではなく、シド一人を救うためにあの行動を取ったというところが好き。


しかしいくら演技とは言え、弱冠7歳の子供にあんなシーンや台詞やらをやらせて人格形成や情緒は大丈夫なのだろうかとそっちの方が気になってハラハラしてしまった。

まとめ

あまりタイムマシーンのことを気にしすぎずに誰が黒幕なんだろう?とサスペンス要素だけ追えば結構面白いと思う。

そもそもこの映画に限らずタイムトラベルするストーリーは絶対どこかで矛盾や疑問が生じるのであまり気にしすぎない方がいいかと思う。

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