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「僕たちは世界を変えることができない。」

ふんわり情報

2011年公開、深作健太監督、主演向井理

『僕たちは世界を変えることができない。』は、葉田甲太によるノンフィクション書籍。2008年に自費出版にて発売され、2010年に加筆されたものが小学館で出版された。初版は自費出版ながら5000部を売り上げた。後の小学館版は、自費出版にあった下品な表現が軽減されている。2011年には『僕たちは世界を変えることができない。 but we wanna build a school in cambodia.』のタイトルで映画化されている。

感想

私はカンボジアという国を全く知らなかった。「なんか戦争してた気がする」「なんか貧しそう」その程度のイメージしか持ち合わせていなかった。
コータたちが初めてカンボジアを訪れて実際に起きた痛ましい過去の遺物を見ている最中、私もコータたちと全く同じ表情、同じ気持ちだった。
こんなことが許されていいはずがない、なぜ同じ人間相手にこんなにも非道なことができたのだろうと悲しくなった。
何もできない赤ちゃんまで木に打ちつけて殺すなんて到底理解できない。
あの初めてのカンボジア部分は特にドキュメンタリーのようだった。コータたち4人が絶句している様子が忘れられない。

なんでカンボジアなんですか、なんで小学校を建てるんですか、日本でも困ってる人がいるのでは?とコータは質問をぶつけられ返答に窮していたけど、それって明確な答えが必要なことだろうか?

タイトルの通り、僕たちは世界を救うことができない。
これはコータだからとか大学生だからとかではなく、大多数の人間がみんなそうだ。
誰も、世界全体を救うことができない。
それなら、自分のできること、なんとなくでも自分がやりたいと思ったことをするだけでも十分じゃないの?
立派な理由を永遠に考え続けて何もしないよりその方がずっといい。

「やらない善よりやる偽善」

まさにその通りだろう。何かを行動に移すってとても大事なことだけど、できない人も多い。

自分の無力さを思い知りもがくコータと、悲惨な歴史を持つカンボジアで病や貧困に苛まれても強く生きようとする人たちの姿に胸を打たれた。
私は一体、何をのうのうと生きているんだ…。

まとめ

自分の無知さを恥じた。もう少し外国のことも知らないとだめだ。勉強します。

原作者の葉田甲太さんは大学を卒業後医師となっても小学校の維持活動に力を入れていたそうだ。今も継続しているのだろうか。

葉田さんたちが作った小学校で、一体何人のカンボジアの子どもが学び、将来の夢を抱いたのだろうか。

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