ココアみたいに甘くて温かい気持ちになれる物語
ココアって、温かいですよね。
コーヒーでもなく、紅茶でもなく、ココア。
なんとなく、言葉の響きだけで、甘くて優しく湯気が上っているマグカップの様子が浮かんできて、心もポカポカしてきます。
「木曜日にはココアを」は、そんなココアみたいな空気がずっと流れている小説でした。
小説の中には主人公が異なる短い物語がたくさん詰まっていて、少しずつ重なり合いながら最後には輪っかになって繋がっているような、そんなお話でした。
物語ひとつひとつで語られる人と人とのつながりも読んでいて心地よいし、俯瞰してみた時の大きな輪っかみたいな人のつながりも素敵だなぁと思いました。
もしかしたら、わたしの言葉やちょっとした行動が、回り回って遠い誰かの人生にきっかけを与えているかもしれない、と思わせてもらえる物語です。
………
実は、この本は本棚で半年くらい読まずにずっと積まれていたんです。
最近はメンタル強化本や雑誌ばかり読んでいて、なんとなく小説から遠ざかっていました。
感情が大きく揺さぶられるような小説も好きではあるんだけど、読むまでに心の準備が必要で手を出す気分ではなかったんです。
ずっと穏やかなまま読み終えられる本が読みたいなぁ〜と思った時に本棚から手に取ったのがこの小説でした。
本のタイトル通り、温かい飲み物を横においてぬくぬくしながらゆっくり読むのにピッタリな空気感でした。
読み終えた時には「家にココアを用意しておけばよかった!」と思っちゃいました。(私は紅茶を飲みながら読んでいました。)
これからこの本を手に取る方がいたら、是非ココアも一緒に準備して、暖かくして楽しんでほしいです。
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