霧生秀紀(ハンターハンター 二次創作)10話
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山崎は、地下闘技場の過去の出場選手を調べていた。運営は個人情報のリストを見せることはできないが、過去の広告で良ければ見せることができるとのことだった。
過去10年まで遡ってみたが霧生らしき人間はいなかった。
写真入りの広告は、その時の人気選手しか載っていない。もし当時、霧生が無名選手だったならここには載っていない。
ただ、山崎はそもそも霧生がこの手の大会に出るとは思えないと考えていた。
山崎 (出るわけないか、、、)
霧生秀紀は無差別の通り魔殺人を犯し、その後も数々の被害者を出し、テロリストとなっていった。
本名やルーツは未だにわかっていないが、当時おそらく30代で劇団員をやっていた。「霧生秀紀」は芝居に出演していた際の芸名である。
小さな劇団であり無名だったが、そのフライヤーに載っている霧生の写真が、当時指名手配の写真として使われ、全国で放送された。
同じ劇団の仲間は誰も彼の本名は知らず、過去も住所も分からなかった。
世間からは知られていなかったが、無名の小劇団の間では役者として有名であり、演技力とバレエダンスをベースにした独特のダンスは観るものを魅了するものだった。
特に、狂気に満ちた悪役を演じる姿は奇才と評価された。
劇団のフライヤーには、頬が痩けた面長な顔にオールバックで切長の目をした霧生が写っていた。フレームのないメガネをかけ、表情はなかった。
最初の事件を起こすと同時に、霧生は劇団に来なくなり、そのまま行方不明となった。
15年前の話である。
10年前、テロリストとなった霧生は山崎と対峙した。その後、霧生は息を潜めている。ヘブンに来ていたとすればこの空白の10年の間。いや、ドラゴンノートを手に入れたのが5年前と言っていた。おそらく5年以内。
山崎は思い出す、捜査のときに見た、霧生が出演している演劇の映像。
そこには、細身で手脚の長い霧生が美しく踊る姿、知的で狂気に満ちた笑顔があった。
そして同時に思い出すのは、10年前、実際に見た、炎の中からステップを踏み、小さく踊りながら歩いて来る姿。タイトなスーツ、細い目と口元の笑顔。
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山崎は、写真が撮られた海の見える丘に来ていた。すぐ近くのレストランで遅めの昼食を取った。ペンネアラビアータと一杯だけビールを飲んだ。
レストランからは地中海を思わせる青い海が見えた。
周りには目立つ建物が特になくバス停と海という印象。レストランと一軒の建物を除いて。
白く、立派な建物が見える。山崎は、おおよその予想が着いていた。
なぜなら、山崎が降りたバス停の名前が「海の見える美術館前」だったからだ。
山崎 「美術館か、、霧生が来そうなのは、こうゆうとこだよなぁ」
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