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気持ちを共有する=心の現状把握

 夫婦の会話で違和感がどうしても消えないのが、私が話したあとの夫のリアクションの無さで、「聞いてもらえた」という手応えを私が得られないところだ。夫の頭の宇宙にシュ!っと吸い込まれて、一体何を理解し、聞いてくれたのか、まったく分からない。
それって一体何なのか?と言うと「二人で共通認識した」という、心の目と目が合うような感覚を非ASDの私の頭は、どうしても求めてしまうという事だと思う。

その感覚は情動的共感やら認知的共感やらと難しい表現をするほどの事ではなく、単純に事実面の解決ではない「心の現状把握を一緒にして欲しい」の一言に尽きるなぁと、最近思う。

夫は自分の気持ちは自分で解決してしまう人なので、大体は私が何か困ったり悩んでる時や二人の間の問題に私が気付いた時に、やり取りがギクシャクする。
共感力が実はすごく強い(と最近分かった)夫は、他人の負の感情を自分の感情として感じてしまうため、私が弱音や不安な胸中を吐露するとすぐに、その負の感情をなくすには自分はどうすれば良いか?のリアクションになってしまう。
まずは私の気持ちへのリアクションがないと、私の訴えは夫にどう伝わったのかが分からないし、理解してくれたのか、何を理解してくれたのか、夫の解釈が分からないまま、気持ちを支えてもらえるどころか、自分の気持ちの立て直し方について自分で夫に教えなければならない羽目になる。それなら、話さない方がマシだった!となってしまいがちだ。
夫は勿論、私の話は理解した上でのそのリアクションなのは分かるのだけど、自分はどうしたらいいのか?を私に聞いてしまうから、話を聞いてもらえた満足感を私はどうしたって得づらい。
だから、
自分はどうしたらいいか?を聞くのではなく
妻ちゃんの悩みはつまりこういう事だね?と私の話の内容を一旦キャッチして欲しいのだ。
それは解決に向かう途中経過ではなく、私が夫に話す時、してもらいたい目的そのものだ。

目に見えない感情面の話では、その会話の基本ルールを夫が守るのは難しいのも分かるのだけど、できるできないは別として、ここに気付けるかどうかが、家族の心の繋がりにおいて、かなり重要なポイントだと私は思っている。

だから、私が困ったり悩んだりして夫に相談をした時は、自動的に解決しようとしてしまう夫の脳の特性を私も理解はしているけれど、私は事実面の解決ではない「心の現状把握」をどうしても求めてしまうよ、という話を最近した。それが私の言う「話を聞いてもらう」の感覚であり「気持ちの共有」だと思う。

私が話すと、大抵は何故そう感じたのかを夫はまず聞いてくる。私の悩みの内容は、夫が感じた事のない内容の時が多いから、まず理由を知りたくなるからだ。だけど、理由を話すと、今まで「分からない」と言われて話にならなかったが、自分に経験がなくて分からなくてもそのままを受け止めて欲しい、と何度も伝えてからは、分からないと言うのはやめてくれた。

何か手を加えて解決しようとせず「そういう事なのね」とそのままの現状をキャッチして聞いてもらうことこそ、私にとっての解決=ゴールなのだ。

「自分の気持ちを聞いてもらえた!」
この手応えが得られると私は元気が出る。
心が温かくなり軽くなる。
逆にしてもらえないと、二人でいても一人に感じるし、気持ちの行き場がなくて出口がふさがれる感覚だ。

これを私が自覚して夫に伝える事がとても重要だった。

本当の解決は自分で見つけるものだし、困ったら「どうしたらいいかな?」と投げかける。そうでない時の私は、大抵、話を聞いてもらいたいだけなのだ。それを毎回、解決しようとされるのはとてもヘビーだ。

とにかく感情面を共通認識したい。そのためには返答が欲しい。
心の目と目が合わない会話は、やはり話していて心地が良くない。

そもそも私は事実面を踏まえた感情面を夫に話したくて、夫は事実面一本だけで会話のやり取りをするから、そのズレはどうしても避けられないのだけど、いくら私がASDは他者視点が欠如していると理解したところで、私は私の頭で生きている以上「それでいいよ」とは、どうしてもならない。

この他人と確認する感覚が、夫には備わっていないので、頭で考えなければならず、すごく労力を使わせてしまうけど、私の感情エネルギーが枯渇すると、結局は夫が一番影響を受けて、悪循環にハマって二人の関係が上手くいかなくなる。
だから、そこは夫に頑張ってもらわないとどうにもならない。私は待つことくらいしかできない。
そのためには十分な睡眠や時間的、精神的余裕がお互いとても大事になってくる。
余裕がない時ほど揉めるというのも、事実だけれど、経験上、なるべくそういう時は距離をとった方が良い。ろくな事にならないから(笑)

今回は今まで「共感が欲しい」という感覚とはちょっと違うなと、ずっと感じていた事を文章化してみた。
会話をキャッチしてもらいたい。どうにかしようとせず、心の現状把握をしてもらいたい。二人の心の目と目を合わせて、気持ちを共有したい。
私の欲求をストレートに言うとそんな感じなのだ。

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