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囲碁ブームと落語ブーム

週刊少年ジャンプで「あかね噺」と言う落語漫画がスタートしました。

評判も良いそうで、噺家さんの間でも話題になっています。

こちらの連載が決まった時、ふっと思い出されたのが1999年に連載スタートした「ヒカルの碁」です。

あぁ、懐かしい。


「あかね噺」と「ヒカルの碁」の共通点

ぱっと思いついた共通点は以下です(あくまで私の考えです)

  • 今まで少年誌で扱われていなかった分野の漫画

  • なんとなくお年寄りのイメージがある分野

  • 歴史がある分野

もう少し詳しく見ていきます。

【ヒカルの碁】
・囲碁
・おじいちゃん達が碁会所や縁側でやっているイメージ
・将棋の漫画は沢山あるけれど、囲碁の漫画は極端に少ない
 →白黒の石(ちょっと地味?)
 →囲碁のルールを知らない人が多いのでついていけるか?
 →少年漫画でどうストーリー展開するか?
・囲碁の発祥ははっきりしてはいませんが平安時代にはすでに日本に入っていた

【あかね噺】
・落語
・おじいちゃんが着物を着て座布団に座ってお話ししているイメージ
・「落語入門」や落語の噺の漫画は見かけるが、少年漫画は知らない
・江戸時代発祥。伝統芸。


ね?似ている所、多いでしょう?(無理矢理?)
似ているので「あかね噺」(落語)は「ヒカルの碁」(囲碁)を参考にできるところがあるかもしれない!と思いました。


「ヒカルの碁」からの囲碁ブーム

連載が始まった1999年。
「DRAGON BALL」「スラムダンク」「幽☆遊☆白書」「ろくでなしBlues」といったピーク時の連載が終了し、週刊少年マガジンに発行部数が抜かれている頃でした。

3,700,000部(印刷証明付部数)(1995年6,530,000部(自己申告))
週刊少年マガジンは4,250,000部

ほったゆみさん原作 小畑健さん漫画
監修はプロ棋士の梅沢由香里さん(吉沢由香里さん)


2001年にアニメ化。
この辺りで「ヒカルの碁」ブームが起こったようです。
昨年アニメ化20周年記念サイトができていました。

コミックス累計発行部数は 2,500万部以上。
第 45 回小学館漫画賞 受賞 
第 7 回手塚治虫文化賞新生賞 受賞

コミックスは韓国、中国、タイ、シンガポール、フランス、アメリカ等翻訳版も出ていて海外でも囲碁ブームが起こりました。

「ヒカルの碁」きっかけで囲碁を始めた人は国内外多くいました。
プロ棋士になられた方もいます。

芝野虎丸 九段

お兄さんもプロ棋士です。プロ棋士であり会社員でエンジニアとのこと。
芝野龍之介二段

↓持ってます!


大西研也 四段

他、見つけられなかったのですが、影響を受けたプロ棋士の方は多いと思われます。


井山裕太 五冠

「ヒカルの碁」第二十六局のミニコーナー「GOGO囲碁」でプロになったばかりの井山プロのインタビューがありました。中学一年生。

https://www.amazon.co.jp/%E3%83%92%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%81%AE%E7%A2%81/dp/B082VCR39M


2020年に中国で実写ドラマ化もされたそうです。
タイトルは「棋魂」
日本語字幕はないのですが英語字幕ならあります。


ちょっと外れますが、この映画、観てみたい。
どんな内容!?


ブーム後の囲碁界

囲碁界に大きな影響を与えた「ヒカルの碁」
連載が終了してから19年(2003年に連載終了)
現在の囲碁界はどうなっているでしょうか。

その前にブームの時の囲碁界の声や興味を持った人の声

  • 関東近郊ではこども囲碁教室の申し込み者が増えた

  • 地方では、やりたくても囲碁教室、サロンなどがなく出来なかった

  • 周りに囲碁に興味を持つ人がいなかった

  • 碁会所から門前払いを受けた

  • 入門者向け、こども向けの教室はあったが、大人向けのその次のクラスがない

私の周りにも将棋を指す人はいますが、囲碁を打てる人はなかなか見つからないです。

せっかくのブームでも興味を持った人がやってみる環境がないとそれで終わってしまうのはもったいないな、と思います。


現在の囲碁競技人口

https://mj-news.net/news/20211020167412

公益財団法人日本生産性本部による『レジャー白書 2020 余暇の現状と産業・市場の動向』のデータを見ると、囲碁競技人口。減ってます。

2013年と少し古いですが、先のと合わせると推移がわかると思います。

ピーク     1982年 1,100万人
ヒカルの碁開始 1998年 390万人
アニメ終了時  2003年 420万人
アルファGO           2017年 190万人
現在      2020年 180万人

アンケートの仕方やカウント数の仕方で多少差異はあると思いますが、激減しています。
原因としては子どもの参加率の激減をあげています。

習い事としてと考えても、今は英語とかプログラミングとか色々選択肢が増えています。そう言うのもあるのでしょうか。普及活動が弱いのでしょうか。


日本では減少していますが、世界の囲碁競技人口(推定)は4,000万人(2014年)
中国が2,000万人、韓国900万人と言われます。こちらは国をあげて囲碁強化をしています。

100位以内に日本の棋士は4名しか入っていません。(2022.2現在)


国際囲碁連盟もあり会員は77ヵ国。
国際大会もいろいろと開催されています。
囲碁は世界から見るとメジャーなようです。

将棋はほぼ日本のみで楽しまれているようです。
2020年国内530万人
世界で見ると600万人〜1,000万人

かなり厳しいと思いました。

現在は当時と比べると、インターネットが普及しオンラインで学べる手段は増えてきました。

私もヒカルの碁で囲碁に興味をもちました。でも挫折。
数年後にまたやる!を繰り返し、3回目の時(2016年)にIGOホールディングさんの対面レッスンに申し込みました(当時は「囲碁よろしく」と言うレッスン名でした)

全4回受講して初めて囲碁の大会に出ることができました。女性だけの大会で和やかな雰囲気で、とっても楽しかったです。(一番下のクラスですが2勝2敗という成績)

最近の私の囲碁をやっている時間は…。すみません、井桁さん!


囲碁を学ぼうと思ったら、手段も増えていると思います。
あとは、いかに囲碁に興味を持たせて行動まで持っていけるか。(特に若年層)
学校の授業で取り扱ったり、もっと近くに教えてくれる人がいたりしないと厳しいのかな、とも思いました。

さて、落語はどうでしょうか?
長くなったので、別記事にまとめます。


参考

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