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総フォロワー数60万人超のママ!遊びクリエイターあんさんが目指す世界

ここ数年、Instagramでの一大勢力となった「ママ・パパアカウント」。
あんさんは、簡単な手作りおもちゃや、親子でワクワクできるおうち遊びが大人気の遊びクリエイターです。YouTube登録者数 17.4 万人(2023年1月現在)・TikTokフォロワー数21.4万人(2023年1月現在)を誇り、Instagramだけではなく複数のSNSで大きな影響力を持っています。そんなあんさんに、日々の発信に込めた思いを教えてもらいました。聞き手は、同じくインフルエンサーのげん。動画メディア・mamatasのディレクターもつとめています。
インフルエンサー同士だからこそ聞ける本音に注目です。

「好き」を極めた、オリジナルコンテンツ

子どもと一緒に笑顔になれるきっかけを
そんな思いを込めて作るあんさんの可愛いコンテンツの数々


げん:まずは書籍『0〜6 歳まで遊んで学べる! 新しい手作りおもちゃ』(KADOKAWA) の出版、おめでとうございます! 反響はいかがですか?

あん:ありがとうございます! おかげさまで重版も決まりました。本を読んでくださった皆さんから毎日のように作った作品の写真や感想が届いて、お役に立てているのかなと嬉しく思っているところです。

げん:我が家でも、さっそく段ボールとビー玉を使ったおもちゃを作って遊びました。

あん:そうやって実際に作った声をいただくのは、とっても嬉しいです。

げん:本の内容もそうですが、普段アカウントを拝見していて、あんさんの投稿からは工作が本当に好きなんだなというのがものすごく伝わってくるんですよね。そこが、数ある知育系のアカウントの中でも名実共にトップに立っている理由かなと僕は思っています。

あん:ありがとうございます。私はオリジナルコンテンツに力を入れていて、「私にしかできない発信をしよう」というのは最初から決めていました。世の中に情報が溢れている今は、 検索すればだれでも情報がとれる時代です。でも、アイデアという面ではまだ転がっていない部分も多い。そこを私が発信しようと、アイデアベースのコンテンツを増やしていきました。

子どもと向き合うすべて人に向けた
あんさんの初書籍

げん:フォロワーさんは最初から順調に増えていきましたか?

あん:そうですね、嬉しいことにどんどん増えたので需要があるんだなと思いました。もちろん、見てもらいやすい動画を撮るために自然光の中で撮影したり、動画と音声の内容を一致させたり、見やすい速度と秒数がどういったものであるか私なりに仮説検証を繰り返したりと日々研究もしています。

げん:あんさんは「元教員」「おもちゃコンサルタント」「絵本講師」と学びに関する肩書きをお持ちで、アイデアの引き出しの多さにも驚いているのですが、お子さんから生まれる前からモノづくりや幼児教育に興味があったのですか?

あん:いえ、子どもが産まれてからです。ただ昔から自分の関心に合わせて知識を深めるというのは好きで、妊娠中からいわゆる幼児教育関連の書籍や育児書はたくさん読んでいました。なので知識のベースはできていたかもしれません。実際の子育ては育児書のようにうまくはいかないですけどね(笑)。おもちゃや絵本の資格を取ったのは SNS 投稿をはじめてから。皆さんに遊びや絵本を紹介するうえで説得力が欲しいなと思って学びました。

げん:子育てをしながらそのバイタリティ.....。う〜ん、さすがです。SNS に投稿しようと思ったきっかけは何だったのでしょう?

あん:もともと手作りするのが好きで、「こういうものが欲しいな」と思ったものをなんでも作っては、ママ友によくプレゼントしていました。それがママたちに喜んでもらえて、作り方もよく聞かれるようになり、それなら誰もが見られるようにInstagram にあげちゃおう! と思ったのがきっかけです。

げん:あんさんは投稿へのコメントをまめに返されていたり、ストーリーで質問を設けていたりとフォロワーさんとのコミュニケーションもすごく大事にされている印象です。

あん:実は子育てを始めたばかりの頃、なんともいえぬ孤独を感じていました。ママ友はいるけど、同じような考え方を持つ仲間が少なくて。でも Instagramでは子育てに関して同じ方向を向いているフォロワーさんも多く、子育て仲間が増えたようでコメントのやりとりがとても楽しくて。アドバイスもいただくのでそれを次の投稿に反映させたり、フォロワーさんからヒントを得たり、コンテンツはみんなで作っている感覚です。

ママ友へのプレゼントからはじまった手作りおもちゃが
今では約60万人に届くコンテンツに

YouTube、TikTokと複数のSNSで数字が伸びる理由

げん:リクエストやヒントはフォロワーさんからもらうこともあると思うのですが、ベースのアイデアはゼロから生み出しているのですか?

あん:そうですね。ただ目標というか「こうしたい」というイメージは常にあって。例えば最近、フォロワーさんから「ピニャータを作りたいです。あんさんならどう作りますか?」 というリクエストが届きました。これに対して、じゃあまずは誰でも簡単に手に入る材料を探そう、子どもでも叩きやすくするためにマグネットを使おう…などなど、作りたいものに対して1つずつ考えていきます。

げん:先日、ママタスアイコンとしてお願いした日本コカ・コーラ株式会社の「Qoo(クー)」のプロモーション投稿もそうですが、一つ一つの作品にあんさん“らしさ”が組み込まれていますよね。「Qoo(クー)」を注ぐハロウィンのコップの工作アイデアがとても斬新で可愛かったです。

あん:私の工作は15分以内にできる簡単なもので、なおかつ可愛くて思わず作りたくなるものを目指しているので、その軸はぶれないようにしていますね。

げん:しかもInstagramで発信する動画がそのまま YouTube(登録者数 17.4 万人:2023年1月現在)やTikTok(フォロワー数21.4万人:2023年1月現在)でもバズるというのはすごい。複数のSNSでヒットコンテンツを作るうえで意識してい ることはありますか?

あん:コンテンツに力があれば、どのプラットフォームでも伸びると思っています。私の動画は嬉しいことに親御さんや保育士さんだけでなく、子どもがいなくても見てくださっている方がいるんです。書籍まで買ってくださったり。そういった方々にも楽しんでいただけるように、ターゲットを子どもだけに絞らず、コンテンツとして楽しめるものや、思わず見てしまうエンタメ性のある動画は意識して作っています。

げん:大人も見ていて楽しいと思える動画ですもんね。

あん:あとは動画に自分の声を入れているので、誰のコンテンツか認知してもらいやすくなっているのかもしれません。

エンタメ性のある動画にすることで
YouTubeやTikTokでもフォロワーを獲得


げん:作品を作って編集をしてナレーションを入れて......と、作業量も多いと思いますが、 一日どのくらいコンテンツ作りに時間をあてているのでしょう?

あん:時間は測ったことがないので正確な時間はわかりませんが、動画を撮る前の晩に試作を2時間ぐらいして、撮影と編集は朝から3時間ぐらいですかね。でも常に考えているので、 トータルしたらどのくらいなんだろう。家事は食洗機や乾燥付きの洗濯機など文明の利器 に大いに頼りながら(笑)、子育てと両立させています。

げん:子どもたちにとっても嬉しいことばかりですよね。ママは好きなことをしながら、自分達も楽しめるものをたくさん作ってくれるって。

あん:そうですね。一緒に作ることもあるし、子どものアイデアをコンテンツに採用するこ ともあります。シュレッダーを途中で止めた紙をタコに見立てたり、シュレッダーで縦横に刻んだものをコロッケのパン粉に見立てたり。大人では考えないことをやったりするので、 面白いです。

子どものアイデアから生まれた工作
タコの足が10本になってしまい、お子さんが2本抜いていたそう(笑)

発信を通して目指す、子どもと大人が対等な世界

げん:あんさんが今後やってみたいことはありますか?

あん:何をしたいと言うのは特に思い浮かばないのですが、「子どもから社会を良くするお手伝いをしたい」という思いは常にあります。SNS での発信は想像もできないくらいたくさんの方に届くので、私のコンテンツが一人でも多くの人の役に立てればいいなと。特に私は子どもに対して、一人の人間として尊重したいと常に思っているのですが、それが意外と難しいんですよね。どうしたって大人の方が物事を知っているから、上から目線にな ってしまったり、怒ってしまったり。でも本当は大人と子どもが対等な関係でいられる世界を作りたい。そんな関係性を築ける発信をしたいなとは考えて います。

げん:具体的にどんな発信でしょう?

あん:例えば子どもが自主的にお出かけの支度ができるアイテムがあれば、大人も毎回怒ら なくてすみますよね。子どもは環境さえ用意すれば、自分でできる力があるんです。じゃあ 一体どのように環境を整えるか、そのヒントを、工作を通じて発信していけたらなと。

げん:書籍のはじめに、「遊びの要素があれば、きっと子どもは自分から動きたくなる。自 分から動くから、ちゃんと学びになる」という一文があってハッとしました。自主的に動く子どもの様子を見ていると、大人も笑顔が増えるし、みんなが幸せになりますよね。

あん:大村はまさんという有名な国語講師の方がいらして、その方の著書『教えるということ』に書かれている<仏様の指>という逸話があります。

“仏様がある時、道ばたに立っていらっしゃると、一人の男が荷物をいっぱいに積んだ車を引いて通りかかった。そこはたいへんなぬかるみであった。 車は、そのぬかるみにはまってしまって、男は懸命に引くけれども、車は動こうともしな い。男は汗びっしょりになって苦しんでいる。 いつまでたっても、どうしても車は抜けない。 その時、仏様は、しばらく男のようすを見ていらっしゃいましたが、 ちょっと指でその車におふれになった、その瞬間、車はすっとぬかるみから抜けて、 からからと引いていってしまった。”
----『教えるということ』から引用

その男の人は仏様が手を貸していただいたことには気付かず、自分の力で抜け出せたと思って嬉しそうに去っていくんです。これを読んだ時に、子育てにおいてすごく大切な考えなんじゃないかと思いました。子どもが困っているときは気付かないぐらいにそっと手を差 し伸べて、子どもが「自分でできた!」と自信をつけてくれたら嬉しいですよね。

げん:たくさんの書籍を読んで、子どもの発達を理解しているあんさんならではの視点ですね。

絵本講師の資格も持つあんさん
あんさんの紹介する絵本は
ママやパパにも大切な気づきを与えてくれます


あん:⻑男は敏感なタイプで、赤ちゃんだった頃はすごく寝つきが悪く、体力的にも辛い時期が私にもありました。妊娠中に読んでいた育児書は理想論寄りのものが多くて、想像していた子育てと違ったんですよね。息子と向かい合うなかで、この子とはどう接すればいいのだろうと、モンテッソーリを中心とした違う視点の本を読むようになりました。すると、子どもには子どものペースがあること、多くを望みすぎていたことに気がついたんです。 子どもをしっかり見て、子どもに合わせた適切な環境を用意すると、子どもは集中するし、 満たされた顔をするんですよね。子どもが穏やかになれば大人も笑顔になる。そんな循環ができたのは、子どもの発達を理解したことが大きいかもしれません。

げん:いつかママタスのイベントで講師もしてもらいたいなぁ。あんさんが考えるインフルエンサーに必要な力は何だと思いますか?

あん:「自分力」でしょうか。私は好きなことや楽しいことを続けていたらいつの間にか、お仕事になっていたので、あまりインフルエンサーという感覚はないのですが......。私らしくいられること、つまり自信を持って自分の思いを通す「自分力」こそが大事なのではないか なと思っています。

ママ&パパインフルエンサーを組織化し、「ママタスアイコン」の活動をスタートしています! 『令和ママの新常識』の発信や子育て世代とクライアント企業の課題解決を行います

ママタスとは

ママタスは、子育て中のママパパを応援する動画メディア。家事や子育てについての情報を、SNSから毎日1本動画を配信しています。Instagramのフォロワー数は現在77万人。
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取材・文/黒澤祐美

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