冬の贅沢・カキフライ。
冬になると、どうしても食べたくなるもの。でも家ではあまり作らないもの。その代表が「カキフライ」である。家でも作れないわけではないのだが、家で作るとどうしてもカキが小さく縮こまってしまう。小さめのカキをくっつけて大きくしてみても何だかお店のものとは違うし、うまくできたとしても、それはもはやカキフライではなくカキの寄せ集めハンバーグみたいなシロモノになってしまう。
せっかくのカキフライなのに、何だか悲しい気持ちになってしまうのだ。
これは私の料理の腕の問題なのかもしれないが、カキフライ(とトンカツ)はお店で食べた方が断然おいしい! と思うのだ。
今日はダンナと街に出て、お昼ご飯にとんかつ屋へ行き、ロースカツ定食を注文。そして、単品でカキフライを2個ずつ追加。これが、私たち夫婦の「冬限定の贅沢」なのである。
ロースカツの横にふたつ、存在感たっぷりのカキが並ぶ。これだけでもう、大名になった気分だ。
ココは、トンカツにはいかずにまずは熱々のカキフライにレモンをキュッと搾り、タルタルソースをたっぷりつける。油をまとったサクサクのパン粉にくるまれたカキをかじると、中からじゅわっと出てくるエキス。その熱さに身悶えし、口の中を火傷しながら食べるのも、この季節ならではのご愛敬ってもんだ。
すかさずキャベツを口に放りこんでクールダウン。ふたくち目になると口も熱さに慣れてきているので、今度はアツアツのカキフライとともに白飯を。
旨いんだよなあ。
冬にまるまると身を太らせ、旨みが詰まった海のミルク。冬だからできる贅沢。子どもの頃は独特の苦みがイヤで、カキフライは決して好きなおかずではなかったのだが、大人になると味覚は変わる。なぜこの旨さが子どもの頃はわからなかったのだろう。
ロースカツは、ダンナも私も脂身のサクッとした部分が大好き。ソースは控えめに、辛子をたっぷりつけて肉の旨みを味わう。カツ、ご飯、野沢菜と白菜の漬物。この3点移動で永遠にループできるんじゃないかというくらいウマイ。
カキフライに山盛りキャベツに豚汁、脂身まで旨いロースカツにお米。大満足のお昼ご飯でゴキゲンな一日であった。
透析患者のくせに揚げ物なんか食べさせていいのか! と言われるかもしれないが、こうやって週に何回かは思いっきり(でもないが)食べて、夕食や次の日の食事で調整している。ま、ダイエットと同じですわな。病気があるからといって何でもかんでも禁止では人間何も続かないのだ。
日常の食事でメリハリをつける。時には食べたいものをきっちり食べていれば「好きなものが何も食べられない」「何も食べさせてもらえない」「何でもガマンしなきゃいけない」というストレスは軽くなる。食事に対するストレスが減るだけで、ダンナも私も気持ちが楽になる。
旨いカキフライととんかつで、しあわせなゴハンを食べたからこそ、明日も透析に臨めるってもんだ。
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