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卵巣がんお気楽備忘録(14)5回目の治療終了時の脱毛事情と医療用に見えない医療用帽子


2021年12月からスタートした抗がん剤治療(TC療法)。初回と2回目は入院で、3回目からは晴れて通院治療となり2022年1月末、やっと全6回のうち半分が終了。


抗がん剤投与から2週間後→白血球激減、そこから2週間で数値は面白いように戻る

さて、今さらながら治療のおさらい。
抗がん剤投与日はまず血液検査がある。そこで、治療できる数値かどうかを判断する。
抗がん剤投与から2週間後には必ず外来があるのだが、この時がイチバン数値が悪い。

2021年12月、抗がん剤投与から2週間後の検査データ。白血球数と顆粒球数が異常に低い


難しいことはわからんが、要するに白血球が減ることで免疫力がガクッと落ちるのだ。
しかし、そこから2週間かけてカラダは元通りに戻っていき、数値がちゃんと戻れば治療を受けることができる。

当時はコロナ禍真っ只中。あの頃、主治医には毎回のように
「感染だけは気をつけてね!」と言われていた。
私のパート先は自分が通院している大学病院である。リスクが高いといえば高い。
マスクは職場で支給されたN95+サージカルマスクの2枚重ね、そしてメガネ+オーバーグラスの装備で仕事をしていた。
免疫力が下がっているらしいので、できる限り注意はしていたが・・・何せ元来面倒くさがりやでズボラなので(笑)。
さらに我が家の場合、旦那も透析患者なので夫婦そろって感染リスクと重症化リスクは高い。しかし結局できたことといえば手洗いうがいを徹底するくらいで、あまり神経質にはならなかった。
結果的に、治療中は風邪ひとつひかなかったのでラッキーだったんだろう。

4回目の治療前、ドクターに
「治療も後半戦になるけど、これから数値が元に戻らなかったら治療できないってことですか? そしたらどうするの?」と訊いてみた。
いわく、治療OKの数値でなければ抗がん剤投与は基本的にできないのだそうだ。
中には抗がん剤投与当日の血液検査の結果がよろしくなく、その日の治療が中止になる人もいる。
とはいえ治療は続けなければいけない。
私が通院していた病院では、腫瘍センターの化学療法室は常に満員のためすぐには空きが出ない。
そのため、入院して治療になることもあるそうな。
私の場合は、これまでの回復を見ると、このまま6回行けるんじゃない? てな答えであった。
ありがたいことである。
さらに「これから副作用がきつくなる可能性ってあるんですか?」とも訊いてみた。
可能性はあるとのこと。後半から副作用が強く起こる人もいるので、その場合は薬で対応するそうな。

抗がん剤=脱毛はそのとおりであった

さて、抗がん剤といえば脱毛のイメージは、それこそ昭和の頃からある。実際今でも、抗がん剤の種類によっては毛が抜けるのだけは避けられないものが多いらしい。

私の場合、初回の治療が終わった後は特になんてことなかったのだが、投与後2週間が過ぎた頃からなんとなーく髪が抜け始めた。
さらに2022年の年明け、2回目の治療で入院した時から急にバサバサと派手に抜け始めた。
そこで、2回目治療の後からバート先ではウィッグを着用し、あとは医療用帽子を被ってカバーしていた。

脱毛は人によって受け容れ方もさまざま

さて、そんなこんなで多くの人が避けられない「頭髪の抜け」。
5回目の治療の前に、腫瘍センターの待合室で帽子かぶって座っていたら、隣に居たおばさまに
「髪って、やっぱりかなり抜けるの?」と訊かれた。
聞けば彼女は今回2回目の治療とのことで、少しずつ抜け始めているらしい。
「あー・・・個人差はあるみたいですけど、ワタシは3ヶ月くらい経ったらこんな感じで」
と、帽子の後ろをめくって見せたら
「あら~そんなに抜けちゃうの?」と。
おばさまは、抜け始めた時にショックだったそうで、家の中にバラバラと髪が落ちる状態もイライラするし落ちこむのだそうだ。
「でも、治療が終わったらまた生えてくるみたいだし、医療用のカツラも帽子もいろいろあるから大丈夫ですよ!」
などといろいろお話をした。
人によっては髪が抜けることで精神的にダメージを受けるケースもあるようだ。それは、わからんでもない。
しかし私の場合は、なぜか非常に淡々と、脱毛を受け容れてしまった感があって、年明けに急にごそっと抜けても、さほど精神的なダメージは無かった。抜けた髪の片付けが面倒だなーくらいで。
ウィッグを使ってみると、朝に寝ぐせのついた髪を整えることもなく、意外に楽ということがわかった。
さらに、自分のアタマの形が意外に良いこともわかった(笑)。

結構アタマの形、よくないですか?


しかし、この生まれたばかりの赤ちゃんくらいの毛の生え方(いや、残り方?)、なんとも中途半端。
何だか「ここまでハゲてるのに往生際が悪い」感じがしちゃって、いっそ剃っちゃおうかなあとも思ったのだが、頭皮も敏感になっている今、カミソリあてるのもなあと結局放置。
「ツルになったら一緒に写真撮ろう!」と旦那(坊主頭なので)と盛り上がっていたんだけどね。

そうか、人間の「毛」は頭髪だけではないのだった


2022年2月あたりからは眉毛も結構抜けてボワボワまばらに残っている程度になってしまった。
まあ、眉は描けばいいし、ウィッグも前髪を長めにしてもらったのでパッと見は眉が無いことはわからない。

しかしだ!
ある日、手鏡でひさしぶりに自分の目元をアップで見てみたら・・・
「あれっ? まつ毛・・・無くないか??」
そう! なんと脱毛はまつ毛にまで及んでいたのである。
一応目頭から目尻まで生えていたまつ毛が半分くらいなくなっていることに気づいた。
もともと目化粧をしないため、まつ毛をビューラーでカールさせるとかマスカラを塗るということには縁がなく、自分のまつ毛を意識したことなぞなかったのだが・・
眉毛、まつ毛が抜けている・・・ということは!? 
と、鏡で鼻の穴を見てみたら・・・、
鼻毛までキレイに脱毛していた
当たり前だがビックリした。

全身の毛が抜けるってのは聞いてはいたが、ホントに次々と私の毛たちは抜けていったのだなあ。
頭髪、眉、まつ毛あたりは生えてこないとさすがに困るけれど、どうせならこのまま生えてこない方が楽だよな~と思う毛も。
と思っても、そうはうまくいかないもんで、2024年現在、すべての毛は元気に生えておる。

そんなわけで全身脱毛状態になった2022年春。
旦那いわく「それでもさー、治療が終わればまた生えてくるんだからいいじゃん」と言ってた。
「世の中、もう生えないお父さんだって居るわけだし」
まあね。そういう旦那の頭髪も、まあね・・・。
脱毛事情も、人それぞれ。とりあえず、私の場合は禿げ散らかしていながらも元気に過ごしていた。

ちなみに、医療用帽子もいろいろ揃えていろいろかぶっていた。ニット帽が多いのだが、中にはこんなのもあって。

KISS MY LIFE というショップで購入

後ろにゴムが入っていて、さっと被って横か後ろでリボンを結わけば完成。スカーフを頭に巻いたような感じで、いかにも治療してますって感じじゃないのがいい。
今でもたまに寝ぐせ隠しに使っている。
そんなこんなで「ほぼツル」アタマになったが、仕事ではウィッグ被って、それ以外の時は帽子をとっかえひっかえ被って、楽しく過ごしておりました♪
というわけで2022年3月、抗がん剤治療5回目が終了! いよいよラストスパート!

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