見出し画像

冷凍餃子手抜き説に思う「料理をしなければならない」呪縛。

さて「ポテサラ論争」に続いて今度は「冷凍餃子論争」が起こっているらしい。あまりにも暑い毎日が続くもんで、みんなイライラしてるのかしらん。それにしてもTwitterで話題になったツイートを、テレビが嬉々として追っかけている図ってのは滑稽ですわな。

冷凍餃子論争もツイッターが発信源。

夜ご飯しんどくて冷凍餃子にしたの。
長男が『ママ餃子美味しい!』って喜んでたの見て旦那がすかさず
『手抜きだよ。これは れ い と う っていうの』
この人ポテサラじいさん予備軍みたいなんで埋めるか打ち上げて良いですか

ま、最後の一文は半分冗談だったようで、料理以外の家事はやってくれる優しいダンナさんのようだが、これまた世間の怒りを買ってしまったようだ。

さらに先日の朝の情報番組では、この件について街頭インタビューをしており、世の中のダンナ衆は「手抜き」と考えている料理が結構多いことに驚いた。

2日続けて同じ料理が出たら手抜き
茹でるだけのうどんやそうめんは手抜き
唐揚げは揚げるだけのジャンクフードだから手抜き

特に最後の「唐揚げはジャンクフード」発言は、スタジオでも物議を醸したようだ。ちょっと・・・ヤラセっぽく見えたけどなあ(個人的に)。

手抜きと感じるかどうかは、料理をする側と食べるだけの側で違うかもしれないし、料理をする人であっても何をもって「手抜き」認定するかは人それぞれなので難しい。

で、ポテサラじいさんと同様に、本当に↑のようなものを「手抜き」と思っている人は「だったらイチから自分で作ってみろ!」「唐揚げにどれだけ手間がかかるかわかってんの?」と怒ったところで、やっぱり理解できないと思う・・・。

でも今の世の中、手抜きがあったっていいじゃないか。何が何でも手作りじゃなきゃ! とか、何が何でも自分でつくらなきゃ! と、思わなくてもいいんじゃないかと思う。

昭和の時代とは違って、今は「〇〇の素」「〇〇のタレ」もたくさんあるし、冷凍食品もレトルトもコンビニフーズも昭和の時代に比べると格段においしく、安心安全な食べ物になった。

使わないテはないと思うのだ。せっかくあるんだもの。

料理するのが好きな人はやればいい。手作り最高! な人は作ればいい。料理はするけど得意じゃないという人はお惣菜やインスタントに頼ったっていい。料理キライという人だって、今はどうにでもなる。

日々料理を作る立場から思うのだが、料理って作りたくなければお金を出して食べに行くか買ってくるかという選択肢しかない。でも外食や出来合いのものが続くと、ちょっと「料理を作っていない」罪悪感がつきまとう。実に面倒なのである。

食卓につけばさっと料理が出てくるお父さんや、親と同居の独身男女、会社に行けば社員食堂で定食が食えるサラリーマン、好きだろうが嫌いだろうがお昼になれば給食が出てくる小学生たちがたまにうらやましくなったりもするのだ。

面倒、献立が思いつかない、暑くて火を使うのがイヤ、体調が悪い、そんな時は、冷凍餃子でも冷凍炒飯でも使えばいい。だいたいが普通のダンナの舌なんて、そんなにたいしたもんじゃない。お皿にキレイに盛ったり、付け合わせをつけたり、手作りに見えるテクニックだってある。

自分は母親(妻)だから料理を作らなければならない。
毎日の料理はできるだけ手作りでなければならない。

そんな「料理を作る呪縛」「手作りの呪縛」から逃れたっていい。結局のところご飯なんてのは「何を食べるか」よりも「誰と、どう食べるか」の方が大切だったりするのだ。そっちを優先すればいいと思う。

料理をちょっとカンタンに考えることで時間ができて、ダンナや子どもに優しくなれて、みんながハッピーになれるなら、その方がずっといいはずだ。

ワタシの場合、基本的には毎日ご飯を作る。でも手作りばかりではない。インスタントもお惣菜も冷食も使う。そして「あー面倒くさい。作りたくない」てな時も当然ある。そんな時にウチのダンナは「肉焼いてくれればいいよ~」「目玉焼きでいいよ~」とか「冷やご飯とカップラーメンでいいよ~」(これは最悪の組み合わせだが)と言ってくれる。

そんな時「ああ、ぐーたら嫁で申し訳ない・・・」と一応は思いながらも、心底ほっとしたりすることもあるのだ。

ウチの場合、ふたりでおいしく楽しく食べられれば何でもいい。

冷凍餃子手抜き論者の人に目くじら立てたところでつまらない。毎日食べるものだもの、楽しければいい、おいしければいい。そんなふうに、毎日の料理をシンプルに考えてみてはどうだろう。手抜きを手抜きと思わせないほど上手になっていくと、それはそれで楽しいもんだ。

そして、一度「〇〇しなければならない」の呪縛から逃れると、ホントに救われることだってあるのだ。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?