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お弁当作りのない朝は

小6の娘、チビろばちゃんが突如「児童館行かなくていい」と言い出した。
高学年にもなると夏休みに児童館へは行かずに家で過ごす子が多いらしく自分以外は1人か2人くらいしか来ていない、という。

「じゃあお店に一緒に来る?」と言って宿題やらチャレンジパットやらを持たせて夏休み中はお店の裏で過ごすことに。

そう決まったのが先週の金曜日。土日はミニバスの試合でどちらもお弁当(暑すぎて2日ともそうめん弁当)、月曜日と火曜日、兄ろばも吹奏楽部の練習が午後からだからお昼は家で食べてから出る、という。高校2年ともなればご飯さえ炊いておけば後は適当に自分で調理してお昼をすませてくれる。

朝、お弁当を作る必要がないのにいつも通り早く目覚めてしまい、やけに余裕があることに驚く。そんなに大したもの作っているわけでもないしほとんど作り置きのお惣菜を詰めるだけなので、実際には30分もかかっていないはず。それでも、とある時間までにお弁当を仕上げなきゃという制限があることは少なからずプレッシャーで、余裕がなかったんだなあと実感。

毎日朝起きて一番にすることはエスプレッソを淹れること。この習慣はイタリアで暮らしていた頃からずっと変わっていない。ただ、イタリアでも都市部に暮らしていた時には家で淹れずにバールで飲む日も多かった。ローマを離れてシチリアで田舎暮らしをするようになり、バールが車でしか行けない距離になってからはもっぱら家で淹れるようになった。帰国してからも使い続けているBialettiビアレッティ社の家庭用マッキネッタ「2人用」を火にかけてコポコポとエスプレッソを淹れている間にミルクを沸かす。せっかくパスチャライズド牛乳を使っているのだから、と沸騰はさせず温めるだけにとどめている。

イタリアに渡ってすぐ雑貨店のおじいさんに「絶対2人用以上のサイズを買ってはダメだ。大きいやつはカッフェがまずくなる」と言われ小さいのを購入。これはもう4代目くらい。つい早く沸かそうと強火にして取っ手を焦がし、ダメにしてしまう。弱火でも5分かからないのにね。

お豆はイタリアで出会って以来ずっとジャマイカ・カッフェ。ヴェローナにある焙煎所のオリジナルブレンド。ブラジル、ドミニカ共和国、コスタリカ、グァテマラのアラビカ種の有機豆をブレンドしてあるコーヒーです。エスプレッソ用の豆としては極めて浅煎りに感じられるお豆で、ぜんぜんギラギラしていないんですよね。イタリアで焙煎したてのお豆が真空で届くものをお店でマシン用に細かく挽いて、家では冷凍庫で保存して使っています。

マッキネッタで淹れるコーヒーはマシンにはかなわない、と思っていたのにこのお豆で淹れたカフェラテは、少なくとも日本で飲む大手コーヒーショップのカフェラテには負けていない気がしてしまいます。焦げた感じ、焼けて脂っぽい感じがないのとチョコレートのような、でも甘ったるさはない辛口の香りが牛乳に合うからかなあ。生活クラブのパスチャライズド牛乳は乳臭い感じがなくスッキリしているので牛乳嫌いでもこれなら飲める、という人がいるくらい。温めても甘味がしつこくなく、後味がさっぱりしたカフェラテができるのでお店でマシンで淹れるカフェラテもこの組み合わせです。もちろんそっちは家で淹れるものより数百倍美味しい。それは当たり前なんだけれども、家で淹れるマッキネッタの家庭的な味も、それはそれで安心感があり落ち着く味なのです。もしかすると、死ぬ間際に食べたいものは?と聞かれたら「家のマッキネッタで淹れたカフェラテ」と答えるかも。

朝、まだ誰も家のものが起きてこない静かな時間にキッチンで一人淹れ立てのカフェラテを飲んでいる時が、一日のうちで一番落ち着ける瞬間かもしれません。それで、どんなにお弁当作りに追われている時でもとりあえず座って「今日の味のカレンダーは何の食材かな?」とめくって読む、というのが毎朝のルーティンです。

で、お弁当作りのなかった今日は朝ご飯を片付けた後、出勤前にもう一度カフェラテを淹れられるくらい余裕があった、というお話でした。

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