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5年後に悔やむ、育児中の先輩に言えなかった一言

編集部のみやざわです。復職がテーマの今月、私が復職後に後悔した話をします。

かつては復職した先輩を「フォローする側」だった私

私が以前働いていた会社での所属は、職場復帰する女性社員が多い部署でした。私が19歳のとき、本社から異動してきたK先輩は当時30歳くらい。2歳の男の子のママです。

K先輩は明るく優しくて、大好きな先輩。育児のための休みが多くても「子育てが大変だからフォローすべき」と考えていましたが、やっぱり私にとってフォローの負担感がある日があったのも事実です。

「高校時代の友人との約束に間に合わない」
「美容院の予約時間にあがれない」

簡単に調整がつく話だし、そのくらい頑張れ!と今は思っちゃうけど、当時は「あ~あ」と思ったのも事実です。

あの日「大変でしたね」が言えなかった

ある朝、朝7時半すぎ。バタバタ仕事をしていると、外線が鳴りました。出ると、なにやらモゴモゴ聴こえます。よく聞くとK先輩でした。

K先輩「ごめんね、息子がソファーでジャンプしたら私のアゴに当たっちゃって、口から血が出て止まらないの。息子も頭を打ったから、今日はお休みさせてもらいたいんだ…」(ギリギリ聞き取れる)

その瞬間、ほかの外線が鳴りました。おそらく現場作業員から。職場には私しかいません。

私「あ!はい、わかりました。課長に伝えます」

私は確か、このようなことだけ言って黙ったと思います。そのあと少し沈黙があって

K先輩「ありがとうね、よろしくお願いします」

と言って電話を切りました。私はその後、他の電話に出て仕事を続け、この電話のことは5年後まで忘れていました。

5年後に想像した、先輩の気持ち

その5年後、私は出産。当時もK先輩とは同じ職場に在籍していました。

そして産休明け。今度は私が休みがちな状況に。さらに下の子を妊娠中だったので、健診で休むことも。

ある日、登園時に子どもがけがをしてしまい、休まなくてはならない日がありました。その電話に出てくれたのは、K先輩。

私「すみません、子どもがけがをしてしまって、泣くので病院に連れていきます。病院後だと午後の始業に間に合わないのでお休みします」

この時点で申し訳なくて泣きそうでした。ただでさえ休んでばかりなのに。そんな私にK先輩はこう言ってくれました。

K先輩「みやざわさんは大丈夫?大変だったね。ゆっくりしてね」

この「大変だったね」を聞いた瞬間、本当にあたたかくて、そしてフラッシュバックするように、冒頭のK先輩への受け答えが脳内に浮かんだのです。

私「ありがとうございます、大丈夫です。よろしくお願いします」

なんとか答えて電話を切ったものの、涙が出てしまいました。あの日、少しだけ黙っていたK先輩は、私に何か言ってほしかったのかもしれない。なのに、私は―――。

当事者になって初めてわかる「心細さ」

育休復帰した社員に必要なのは、仕事のフォローのみだと思っていました。

でも、当事者になってわかったのは、仕事はどうにかなっても、どうにもならない「心細さ」があること。

パパに頼れない、親族も近所にいない。そんな育児中社員が身近に会話する相手の一つが、同僚。あくまで仕事仲間ですが、その関係性の中での「大丈夫?」「大変だったね」が、仕事のフォローと同じくらい、育休復帰した親の支えになるのかも。そんなことに気づいたできごとでした。

ママリで掲載中の『誰も悪くない』でも、かつてフォローする側・される側だった同僚同士のお話が描かれています。

Ⓒkuraasakura
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このnoteが気に入ってくれた方は好きなお話だと思います。ぜひお読みいただけたらうれしいです。

みなさんは育休復帰後の同僚からの言葉でうれしかった言葉はありますか?ぜひコメント欄で教えてください😊


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