せわしなさの間に
朝ごはんが好きだ。
昼や夜のご飯は、その日のスケジュールによってなし崩しになったり、やけに豪奢になったりと波があるけれど、朝ごはんはいつでもそれなりに安定であり続けてくれる。
遅寝早起きして、1日の境目が無いかのように過ごす時もある。前の日に抱いた感情を潰すように長く寝たのに逆に増幅する時もある。
それでも、平然と過ごさなければいけない1日のために、朝のさまざまな儀式を執り行う。
顔を洗い、服を着替え、身なりを整えるまでのウォーミングアップを終える。
そして朝ごはんを食べることで、ちゃんとリスタートのダッシュをきる。
一番好きなのは、ウインナーをパリパリに焼いたものを、やわ焼きの目玉焼きの黄身にディップしてご飯と食べること。
もしくは、小さなパン屋で買ったパンを育てるように温め直して、ポタージュかコーンスープと一緒に食べること。
それらを咀嚼して飲み込むとき、顔を洗うだけじゃまだ落としきれなかった昨日の憂鬱も一緒に飲み込む。
朝が好きだ。
ただ前へ進むための準備の時間。1日をどう過ごすか作戦を立てる時間。今日に対する期待値を上げていく時間。
毎日、朝を迎えることで、「もう一度最初から」を何度でも押す。そして、攻略が全然できない"私たちの人生"というゲームを一日一日曜全力で楽しむ。
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