2019/12/31 ちびちび飲みながらちまちまつまむみたいな愛し合い方
人に出会ったり別れたり、何かにカタをつけたり片付けをしたりで、どうしても年の瀬は気持ちが忙しくなる。
全ての人と密に繋がり続けるのは至難の業だ。
わたしは割とうまくやっている方だと自負しているけれど、それでも少しずつ、距離の開いていく人は増える。
知り合いの紹介で2人で会うようになった人からちゃんづけで呼ばれるようになった代わりに、久しぶりに会った友達はわたしのことをあだ名でなく名字で呼ぶようになった。
仲のいい友達の嫌いな食べ物を忘れてしまった。
わたしはわたしの想像以上に寂しがり屋だ。
帰りの電車で、ずっとSNSを眺めてしまう。
スケジュールを飲み会の予定でびっしり埋めることで安心しようとする。
ポケットをまさぐると、昨日外してから片付けるのを忘れたピアスと、成り行きでもらったプレゼントが入っていた。
わたしがよく贈り物をするのは、親切だからじゃない。
わたしが寂しくならないように、贈り物を選ぶ時間をつくりたくって、更にそれをもらった人が同じく贈り物をもう一度手にするとき、わたしのことを思い出して欲しいからだ。
人に願うくせにわたしはこうやって自分が願う以上に人を軽く扱ってしまう。自分の好きなだけしか人を愛せない。なかなかに自分本位な愛だ。
けれど、いま今年のあれこれを思い返すとき、ひとりひとりを頭に浮かべて愛しく思っていること自体は嘘じゃなくて、それくらいにはみんな好きだ。
今年、わたしが楽しかったと思うものが、あなたにとって楽しいものであるように。
来年、わたしが楽しむ以上にあなたが楽しく過ごせるように。
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