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まだ、はなせない

寒がりの私は、同じ電車に乗る人々より、もうひとつ重ねた格好をしていて、見た目からもう重たい。

生きていこと以外は何も確認できない高校時代の友人とのラインがまた途絶えた。
彼は、この先孤独でいようとしているのだろうか。そうだとしたら、その潔さに惚れ惚れするし、でも、かなり心配にもなる。

年々友達との縁は遠ざかって、でも大人数の飲み会はおっくうで、SNSであらゆる報告をなぞって年暮れを過ごす。
私こんなにしゃべるの下手くそだったっけ。と、唯一行った飲み会の会話を、餅をだらだら食べながら反芻する。
そういや別れって、寒い日が多い。


いまだに思いつく「ああしていれば」は、本気なら実際いまここでそうしたらいいのに、しないということは、本当には願ってすらないということ。なのにまだつぶやき続ける。つぶやき続けたい、のかもしれない。
厳密に言うと、願ってもしゃあない、というものもかなり多い。


叶えられらなかった気持ちは、別の形で叶えたらスーっと成仏するものだと思っていたら、そのままびくともせずに居座っている。図々しいな。

あまり乗らないJRの快速に揺られて、あまり馴染みのない場所へ向かう。すでに疲れている。
そのまま、もっと知らない土地へつながって、シンガポールあたりに辿り着けたらいいのに。
それまで私は本を2行読んではうたた寝して、を繰り返して過ごしたい。暖かな日差しの射す3号車で。

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