王立アンダルシア乗馬学校
オーストリア、ウィーンのスペイン乗馬学校の方が有名になっていると感じるが、名前が示す通り、本家本元はスペインの乗馬スタイルであり、使っている馬もスペインのアンダルシア馬を他種と交配したリピッツァ馬だ。そしてその本家のスペインでは、シェリー酒で有名なヘレスに王立アンダルシア乗馬学校があって、週2回、かつて王様を前に行われていた馬術供覧を彷彿させるホースショーが見られる。このショーを見に行った。
現在馬術学校が置かれている敷地は、19世紀にワイン事業で富を築いたラボルデ家が所有していたそうで、比較的新しい。広々とした敷地内には美しい庭園がある。馬の施設がこんなにきれいで豪華なことに感動。日本は軍用馬がいかに優れているかの「供覧」がレース、早く走る方に発展して、競馬が盛んだ。JRAの馬事公苑もオリンピック開催を機にきれいになったし、馬術競技とかは行われているけど、こういうショーはないよね。
敷地内には馬具工房もあり、見学ができた。修理や鞍や頭絡などを作る工房もとてもきれいでおしゃれ。
ショーの始まり!
まずは一人乗り。(実は真正面に校長先生なのか、はたまたOBなのか、白髪の方が貴賓席のようなところに1人で座って、演技を鋭い視線でチェックしていた。)終始、片手で両手綱を持ち、鞭は持っているが、使わず、立てた状態で持っていた。
次は調教の様子を見せてくれ、一人で長手綱を使って、歩いて後ろから調教する。まずは人を乗せずにこうして調教し、すべてのサインや歩様等が分かってから、人が乗る、馬がまず美しい歩き方、走り方を教え込まれるのだろう。
第一部の最後は馬車。4頭だての馬車は長いのに、それはそれは小さな輪乗りができ、走った後の軌跡のそれはそれはきれいなこと! 美しい!!
ここで休憩をはさむ。このきれいな軌跡をすっかり消して、まっさらな馬場にならすトラクターが登場。手際よく、短時間ですっかりきれいになる様子に拍手が起こっていた。
第二部は3人カドリールから始まった。3人揃って、スーッと動く斜め横歩はワルツでも踊っているかのようだった。
次に様々な調教段階、技の調教の様子を見せてくれた。馬がその場で足踏みをするピアッフェという技(最高難度と言われる技)は、オリンピックの馬場馬術で目にした人も多いと思うが、こうして人を乗せずに、まず馬に教え込むものなんだなぁと、周りにそんな高度な技を練習する人もいないので、とても興味深かった。
最後が8人のカドリール。その登場の様子が美しすぎて、歌舞伎だったら、何とか屋~と叫びたくなるような、見得を切るような感じでゆっくりと時間をかけて帽子を取っての挨拶に心が震えた。ミュージカルのコーラスラインのシルクハットを取る踊りも好きだけど、このゆっくりとこれからショーがはじまりますよ、しかとみててくださいよ的な仕草がたまらない。
それまでも馬場への登場が美しくて、エルメスのスカーフみたいだなぁってずっと思っていたのだが、実際、このショーはエルメスのスカーフのモチーフになっている。
もうこれは言葉と画像だけではその感動が伝わらないと思うので、一緒に行った馬仲間が撮影した動画を編集し、つなげたものがYouTubeで見られるので、ぜひご覧ください。
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