スペイン馬の旅
上の写真、一見浦河のようだが、これはマラガ空港から今回のスペイン旅行で滞在したところに向かう途中の風景。空港から割合すぐにこんな景色になる。これまで海外旅行や海外出張はまず都市部に入ることが多くて、到着してからの風景はどこも混雑して人も建物も多く、自分の住んでいた東京とあまり変わらないので、単に移動して別の国に来たと感じ、出張なら到着したらすぐに仕事モードだった。が、今回は異国情緒、違う時間の流れ、空の青さ、なだらかな丘にオリーブ畑と、いきなり旅気分を味わった。
今回、現地には6泊7日したのだが、ずっとフィンカ(finca、スペイン語で大農園とか田舎の地所や家屋という意味)1か所に滞在し、ここを拠点に様々なところへでかけるスタイルで、荷物を解いては詰めるといった作業がないので、のんびり過ごせた。
この敷地内をここで調教された馬に乗って外乗する。到着したその日に、まずは皆の騎乗スキルを見定めつつ、短い外乗に出かけた。
とにかく空が青くて広い。馬に乗っていること自体楽しく嬉しいけれど、周りの景色がこんな感じで、夢のよう。ルノアールの絵でも見ているようだった。(ルノアールの絵はきっとスペインじゃないから、空の色は違うけど。)
とてもよく調教された馬で、後ろにちょっと後傾しただけでビタっと止まる。馬が自分できちんと自分のバランスをとって走るから、上に乗っている人は自分のバランスをとり(まっすぐ姿勢よく乗り)、基本手綱を引かずに軽くコンタクトを取るだけで良い。馬がたとえばすべって態勢を崩しても、手綱を引っ張らなければ、馬が自分でバランスを取り直す。その時手綱を引っ張ると、馬は自由に体を使えなくなり、無理な姿勢からバランスを取り直そうと苦しい態勢になる。なので、ガイドを務め、普段の調教をしているフィンカの主は、Don’t pull(手綱を引くな)と何度も言っていた。日本では手綱を引いて止めるように教わることが多く、前の馬が止まってちょっと止めたいときでも手綱を引いてしまうし、後傾するだけで止められるよう調教された馬ばかりではないとも思う。
馬はもちろん囲いの中で放牧されているのだが、その広さが違う。単なる牧草の生えた一面というより山あり谷あり木々があるところに放牧されていたりして、一度など山のてっぺんに馬がいて私たちをしばし上から眺め、その後走り下りてきたりした。そのてっぺんに立つ姿はそれはそれは美しかった(外乗中で写真に撮れなかったが。。)
フィンカには色々な動物が放し飼いにされている。犬もいれば、猫も、ヤギも、鶏も、皆自由に動き回っていた。(隣のフィンカにはクジャクもいた!)
ここでは馬の繁殖も行っており、スタリオン(種馬)はさすがに1頭で放牧されていた。
食事も基本ここで家庭料理をいただくことが多く、店の閉店時間や混雑具合を気にしたりする必要がなく、6人の参加者とアレンジをしてくださったイギリス在住の日本人ご夫婦の計8人で、それぞれが所属する乗馬クラブの話など話はつきず、食事も美味しかったが、皆との会話もすごく楽しかった。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?