見出し画像

5月生まれの 姪 may 命。。。

私には、たった一人、姪がいる。


5月生まれのあなたは、未熟児だった。
1カ月、保育器に入っていたあなたと、
初めて会ったのは すずらんの咲く 6月。


1カ月経っていたのに、まだ、肌がしわしわで、
小さくて、赤くて、
怖くて、抱っこ できなかった。

保育器で育ったあなたは、時間になると、
目をさまし、ミルクを飲んで、
それ以外は、ほとんど寝ていた。


育ってくれれば、それだけでいい。。。


1歳になるまで、寝返りをうつこともなく、
定期健診に行く時、他の子はバギーに乗り、頭がしっかりしてるのに
あなただけは、母親に抱っこされて、頭を支えられていた。


1歳になった時、やっと、寝返りが始まり、
そして、這い這いが できるようになり。。。
1歳2か月を過ぎたあたりから、歩き始めた。


力強く、歩きはじめた。


毎日、姉夫婦は、あなたを連れて、実家に出勤していた。
実家の敷地内に 家を建て 住んでいた私が あなたの保母さんだった。
しかし、あなたは1歳になり保育園に入ったが、病気をもらい入院した。


退院してからは、私の家と従兄弟の家が、保育園になった。


それからは、あなたは本当に、未熟児だったのかと思うほど、
歩き、走り、踊り、しゃべり、食べた。
『がんこちゃん』 さながらのパワーを 持っていた。


あなたの初めて覚えた言葉は、、、きーちゃんだった。。。


と、いうのは、あなたの 言葉が出始めた時、
私の顔を 指さして、「きーちゃん」と 連発していたから。
顔と顔を 膝と膝を あわせて 思いと 言葉を 伝えた。


あなたは、わたしの子。。。


あなたが生まれてから、1年半後、私は、息子を産んだ。


あなたは 「あかちゃん」とは 言えなくて、
「ががちゃん」、「ががちゃん」と 言いながら、
息をきらせ、傾斜のある階段を上り、会いにきた。


わたしが、毎日、罵られて、泣いていても、
あなたが 会いに来てくれることが、支えだった。。。
あなたが 息子の脇で、母乳瓶を持ち、ミルクを一気飲みする姿は


愛らしく、ほほえましかった。


あなたは 頭も良く、運動能力も抜群。
息子は、あなたを「ねーちゃん」と 呼び、後を 追い
追いかけても、届かなかった。


今日は、あなたの誕生日。



あなたの背中を 追いかけた 息子は、
10代後半で あなたの背を 追い越し
20代前半で 倒れたあなたを 背負い、
今では 背中を見せて 自分の道を 走る。


この家に 私が居るのは、それは、あなたが 傍に居るから。。。
あなたが 居たから、あの日を 乗り越えられた。
あなたが 居たから、今 ここに 居る。。。


「あーちゃん、なんか、生まれてこなければ、よかった。」


あなたは、小さい頃、そうやって、泣いたことが、何度もあった。
その度に、私も、一緒に 泣いた。
シルバーを 抱きかかえる あなたの傍で 共に 泣いた。。。

あなたは、マリア幼稚園で 
誰よりも 早く、母マリアへの祈りを 覚え、
誰よりも、上手に、数多く、ロザリオを 作り、
先生であった、シスター達を 驚かせた。


シスターを驚かせたのは、それだけではない、
七夕の短冊に、あなたが書いた 願いだった。
ポケモンや たまごっちを 願う 子供達のなかで、


「お父さんと、お母さんが、仲良くなりますように。。。」


と、あなたは、短冊に書いた。
シスターから、短冊を見せられた時、
私は、胸が 張り裂ける 思いがした。。。

幼稚園の 迎えは、私の役目 
子供達は 私が あなたの 母親で 
あなたが 息子の姉で あると 思っていた。


しかし
私は、あなたの母親には、なれなかった。
そして
あなたの母親には、なってはいけなかった。


そんな思いを実感する 
辛い 悲しい 出来事が 
この28年間 何度も 何度も あった。。。


が、それでも


わたしは
あなたの たった一人の きーちゃん。。。 


10年前 あなたの誕生日に 書いた詩が ある。


〇ーちゃんが

〇ーちゃんが 語りだす
悲しみを ぽつん ぽつんと
いかりを ぽつん ぽつんと

小さいころから
小さいこころを 痛めていた
小さくなって 泣いていた

先の 見えない 後おしのない かなしさ
今が 感じられない 実態のない むなしさ

ひとりで
ひっしに なって
ふんばって 立っていた

だれかに
助けて ほしいのに
支えて ほしいのに

いやだよ
つらいよ と 言えなくて
かなしいよ と 泣けなくて

どんなに 
どんなに つらかったか
どんなに さびしかったか

でもね
いるよ そばに
いるよ いつも あなたの そばに

18歳の誕生日を前にして
 5/10/10 6:45a.m. 


今、あなたは いくつもの 働きを持ち 
期待を 肩に 背負っている。


わたしは 年老いた 猫のように 
ここに 居て、 何も 出来ない。  
けれど あなたのことを 思い ここに 居ます。


月並みな 言葉だけれど、、、
それでも やっぱり
生まれてきて くれて ありがとう。。。


画像1

          写真 姪の手とシルバー

#誕生日 #5月生まれ #姪 #命 #May #猫


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?