1年半寝かせたジーンズのこと
夜中に思い立ってクローゼットを開け、ニットを出して着てみた。明るいグリーンのモヘアのと、白い厚手のオーバーサイズのと。
かわいい。
ついでにはいていたパジャマのスウェットを脱いで、いつもなら黒いパンツを選ぶところ、久しぶりにデニムをはいてみた。めちゃめちゃいいかんじに見えて、気分が浮き立つ。
一年半くらい前、産後に買って、何度かはいて、でもデニムの気持ちじゃなくなってしまいっぱなしになっていた。
もうずっとずっと昔に、服が好きだった友達が「このデニム、寝かせてたらいい感じになった。」と言っていたのを、へえ、そんなもんか、と思って、ファッションに詳しい人が憧れだった私はそんなことがわかるなんてすごいなあ、と聞いていたことを思い出す。
かわいいと思って気に入って買ったけど数回しか着なくてそのまましまいっぱなしで、そのまま色褪せていく服もある。そのシーズンにはとても素敵に見えてたくさん着たけど、2年くらいしたら急に魅力が失われてしまう服も。だけど、中には数年寝かせておいたら、なんだかすごく馴染んでぴったりしっくりくるようになる服もある。
今年の夏によく着た白いマキシ丈のワンピースもそうだ。3〜4年前にきゅんと撃ち抜かれて買ったものの、着て街へ出てみるとどうも浮いている感じがしてしっくりこなくて、着なくなってしまった。それが、久しぶりに着てみたらすごくよかったのだ。買った当時に比べるといくらか痩せたことと流行も相まって悪目立ちせず、楽に着られるようになっていた。そんなとき、夫には「時代が私に追いついた。」とか言ってあきれられるのだけど、寝かせていたからこそのよさも何割か確実にある。
私が買った頃以降、そのかたちは定番らしく、今年の夏もお店で見かけた。でも、今年買ったものとずっと前に私が買ったものは何かが違うのだ。見た目にはきれいでほとんど変わらなくても、何かが。
産後の変なテンションで買ってちょっと後悔したりもしたデニムを、今日は「あのときの私、ありがとう」と思いながらうきうきはいた。オンラインで裾上げをお願いして、短すぎたかも、と思った丈も今年の気分に合っている。産後サイズでウエストがちょっと合わないのが残念だけど、これからの季節、ニットをインしたりもできるからそれはそれでよいかもしれない。
グリーンのモヘアの前をインして着るのもよさそうだし、昨日予約販売で買ったオーバーサイズのベージュのニットを合わせてみるのも楽しみ。
ああああ、冬が待ち遠しい。
着たい服がたくさんあって、欲しい服もあって、お昼寝から起きた息子がご機嫌で、このうえなく幸せである。
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