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日々ムサビ(通信)【彫刻I 】

7月の終わりに彫刻Ⅰのスクーリングを受けました。6日間のスクーリングです。

【彫刻Ⅰ】

彫刻Ⅰは塑像と木彫の2つから選択できますが、今回私は塑像を選択しました。
塑像クラスの授業の概要としては、人の頭部を観察して、粘土と石膏直付けで等身大よりひと回り大きな頭部の彫刻を作るというものです。
1日目と2日目は、モデルさんを囲んで頭部のデッサンから始まり、粘土を使って頭部を作っていきました。

3日目の午後から、石膏を使っての工程に入りました。3日目と4日目は普通の授業時間より1時間の延長があります。18時半まで、石膏の型取り作業を行いました。


《石膏の溶かし方》
・水を半分ほど入れたアルミ製のボウルにお玉で石膏を軽く振りながら入れる
・だまができないように混ぜて、とろみがつくまで放置(2〜3分ほどか?放っておくとヨーグルトや生クリームみたいにとろっとしてきて、もっと放っておくと熱くなって硬化します)
・石膏と水は1:1 (私は最後までこの量の感覚がよくわかりませんでしたが…指を入れてみて、爪が透けない程度なら良いそうです)

《石膏型取りの手順》
①粘土像に墨で切金を差す位置に当たりをつけて、切金を差し込み、粘土像を囲む。
②石膏にベンガラの粉を混ぜて赤く色をつけたものを粘土像に手を使って全体に振りかける。(これが元の像に一番近い層になります)
③さらにその上から石膏を手で全体にふりかける。(確かこの工程は2回繰り返したような…?)
④切金のあたりに切れ目を入れて、こじ開ける。内側の粘土を綺麗に掻き出す。(水をいっぱい使って掻き出すと綺麗にできました。)→雌型完成
⑤カリ石鹸をボウルに半分弱ほど入れた水と混ぜて、雌型の内側の面に満遍なく流す。10分ほど乾かす。(カリ石鹸を塗った方を下にして乾かします)カリ石鹸の原液を接着する部分に塗って雌型を貼り合わせる。シュロ縄で固定する。
⑥石膏液が型の内側全体に行き渡るように、像を回転させながら流し込む。(3〜4回ほどやって、5ミリくらいの厚さになったような…。理想は1センチほどらしいですが、この工程をかなり繰り返さないといけないので大変そうです)
⑦生クリームほどの硬さの石膏にスタッフを浸して、内側に貼り付ける。スタッフ同士は少し重ね合わせ、内側の石膏の部分とピッタリくっつくようにする。
⑧金槌とのみで外側の石膏を壊して像を取り出す。(大きい面を壊す時は木の棒を使うと早かったです。ベンガラを混ぜたピンクの石膏が出できたら、すぐ下が取り出したい像があるから気を付ける)

そして取り出したのがこちら

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モデルさんが見たら泣いちゃいそうな出来ですが、ここから今度はこれに石膏を直付けして、像を作っていきます。それが、5日目と、6日目の午前中までの制作です。

さあ最終日午前中。

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まだまだ手を入れたいところが墨でたくさん書いてありますが終わりました。

講評は、何人かのグループに分かれて行われました。

私の像の講評としては、
・物量が合っていて、モデルさんの全体の雰囲気が取れている。
・360度見ても形の破綻が少ない。
・全部が丸くなりすぎている。
・丸いものは角に、角のものは丸に、と言うように、逆のベクトルで考えること。
・形の切り替わり、量感、面の意識に気を配る。
・首も鎖骨まできちんと取ることで、中途半端にならず首の中の空間が良くなる。
・墨で形をとるときは、細い線で取る。

でした。最後に皆さんそれぞれのデッサンも見ることができて、勉強になりました。

そして作業のポイントとして、
★視線で触る!
★石膏は薄く強く!
★たくさん見て、やりとりを感じる作品が◎
★口元は歯型を意識して!
★耳の穴から鼻のトップの距離をみる!
★対応する形を見つける
 →頬と頭の横、顎と首の後ろ、顎とでこ
  など
★クロッキーから、面・丸や角などの形やそれぞれの向きを意識して描く

ということを学びました。視線で、触る…?まだまだ私には分からない世界です…。

最初から最後まで初めてだらけで常にバタバタしてしまったスクーリングでしたが、先生方もとても丁寧に教えてくださり、とても実りあるスクーリングでした。楽しかった。体動かして何か作れるのがとても良かった。
卒業前に、何か一個、変わった授業取ってみようかな、という軽い気持ちで受けた授業ですが…ちょっと……来年もやろうかな……あるよね…木彫り……!

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