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「女の子を大事にしなさい」は君自身を守るための知恵

お正月のおばあちゃんの家

君が我慢の限界を迎えて夜中、ママの布団で大号泣したこと、
きっと一生忘れないわ


ママが君にどれだけ我慢をさせてしまったのか
ママが泣きたいくらいだったし


まだ8歳の君にそれだけ自分を抑えられたこと
本当に心から尊敬したわ



それでも女の子に手を上げてはいけない


君たちがが3歳年下のいとこの女の子に、
これまでずっと我慢し続けている事をママはちゃんと知っているわ


美人な彼女はわがままで、乱暴で、言葉もきつくて
そして君たちにすぐ蹴ったりたたいたりするくせ


君たちが少しでも言い返そうものなら

「おじいちゃーん」と泣きつかれる


彼女が泣くと、パパやおじいちゃんから、

「男の子なのに・・・」
「大きいのに・・・」

と君たちの方がこっぴどく叱られる羽目になる。


どう見ても理不尽よ、ママだって腹が立っているわ。


だけどママも
「女の子や、自分より小さい子には絶対に手を上げちゃいけない」
と君たちにこれまでもこれからも言い続けるし、
君も君の弟もこれまでのように、それをずっと守ってほしい。


なぜかというと、それしか君たちを守る方法がないからよ。


どんなにたたかれても
嫌なことを言われても
物を壊されても


年も大きくて、男の子の君たちがやり返してしまったら、
大人は君たちの方を強く叱らなくてはいけなくなるの


これではあんまりよ。


だから、やっぱり、どんなに理不尽でも
小さい子や女の子に、たたいたり、やり返してはダメなの


気が済まないのはわかるわ
だけど、やり返せばもっと気が済まない目に合うのよ


我慢だけをし続ける必要もない


君が夜中泣きながら

「もうあの子にめちゃくちゃパンチして泣かしてやりたい!
勝手すぎる!わがまますぎる!もう我慢の限界だ!」

と悔しさで泣き崩れたとき

隣の部屋からは、おじいちゃんとおばあちゃんと
彼女の楽しそうな笑い声が聞こえていたね


おじいちゃんやおばあちゃんは
彼女がしていることに対して
君が歯を食いしばって我慢しているということを全く気付いていなかったわ


君が彼女にたたかれても無表情で耐えて
静かにその場を立ち去ったから、
ママ以外の大人は誰も気には留めなかったわ



そして君は人前で泣かないから
ママ以外誰も君の気持には気づかない


これではあんまりよ、彼女にも、周りの大人にも
君の気持に気づいてほしかったわ


君一人が我慢して、
彼女だけが楽しい思いをするなんておかしいもの!


ママは君が感情を表に出すことまで禁止していないわ

絶対にやり返したり、たたいてはダメよ
そこは絶対に我慢しなさい


だけど
「それをされて、嫌な思いをしている」
ということは、はっきり彼女に伝えてもいいのよ。

むしろそれは伝えるべきだわ。


相手が女の子であろうと、小さい子であろうと
嫌なことをされたら「いやだ」と言っていい
我慢することはないわ


たたくのを我慢する = 気持ちを我慢する
では決してないことを覚えておいて


彼女はやったことに対しての責任や制裁を
きちんと自分で受けるべきだと思うもの


君だけが我慢する必要はみじんもないわ



相手が一番困る方法で対処する


男同士の兄弟げんかなら、
時には殴り合ってスッキリすることもあるでしょう


だけど、相手が小さい子や女の子の場合はそうもいかない。


泣かそうものなら、相手に100%の原因があったとしても
君たち大きい男の子が叱られるだけよ。


どう考えても君たちには不利な状況になるのだから
やめておき
なさい


だけどね、小さいからと言って、女の子だからと言って
悪いことをして何もなしというわけにはいかないわ


さっきも言った通り、責任や制裁を
きちんと自分で受けるべきだと思うもの


君たちがやり返す以外の方法で、
彼女が一番困ることは何かしら?


直接手を下せない場合は、それを考えるしかないの。


彼女にとっては、彼女のママに怒られることが一番嫌なはずよ。


だから君が夜中に泣き崩れたとき
ママは彼女のママのところに泣いている君を連れて行って
君と彼女の間に起こった出来事を話したわよね


普段明るい君が泣きじゃくる様子を見て
彼女のママは君が彼女のわがままや暴力で
これまでどれだけ我慢をしていたかをすぐに理解したわね


そして彼女の元へ行き、彼女をしっかりと叱った後で
君のところに謝りに来させたわね


彼女は、きちんと叱られ、謝罪することで責任を取ったと思うの


少なくとも、君だけがただ我慢をして、
彼女は何食わぬ顔をして楽しんでいる状況より
はるかに制裁が下ったと思うわ


君の気持も、100%じゃないにせよ
隣の部屋から彼女の笑い声っを聞きながら眠りにつくよりも

叱られてしゅんとして謝る彼女を見て
幾分心が晴れたんじゃないかしら


「スッキリ」はできないけれど、
これがこの件で最大限ママと君にできた対応だと思うの


世の中は不公平で理不尽なものとして生きる知恵

ママだって本当は、
彼女をとっつかまえてお尻ぺんぺんしてやりたい


ママだって本当は、彼女のママに対して
「娘にどんなしつけしてんのよ!」って
怒鳴りつけて嫌みの一つでも言ってやりたい


だけど、ママがしたことは、
冷静に淡々と事実を彼女のママに伝えただけね。


なぜなら、ママが彼女のママの兄嫁で、
ここでママが強く言って彼女のママを泣かそうものなら
どんなにママや君が正しくても
君のおじいちゃんやおばあちゃんはママを敵とみなし
状況はますます不利になるわ


ママも、とっても我慢しているのよ。


学校では「人間はみんな平等、男女同権」と教えられるけれど
世の中は決して平等などと思っていてはいけないわ


世の中は、不平等で、不公平で、理不尽にできている


君は今「男の子だから不利だ」
と思っているかもしれないわね。


だけど、女の子だから不利になる事だってたくさんあるし


見た目で優劣をつけられたり、差別を受けたり


ものすごくお金持ちの家の子を見たら、
産まれ落ちた瞬間からの不平等を感じるはずよ


だけど、理不尽や不平等は、
君やママの小さな力ではどうにもならないものだから


そういうものだと理解して


理不尽なことをいちいち気にせず、不平等すぎる世の中で、
自由に自分らしく、そして有利に生きていけるような知恵を持ちなさい


受け入れて、受け流す

真正面からぶつかったら消耗戦よ


そういうものであると理解できれば、
どういう身のこなしが君にとって有利になるかが見えてくるはずよ


その一つが
女の子や自分より小さい子には絶対に手を上げてはいけない
ということなの


これは、女の子や小さい子を守っているのではないわ


結局のところ、これが君自身を守る最大の盾となるということなのよ


世の中を平等で公平だと思って生きようとすれば
生きづらく、不幸せばかりを感じてしまうけれど


理不尽で不平等なものだと思って生きていると
案外小さなことがとても素晴らしく感じられ
とっても幸せに生きられるようになるとママは思うのよ










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