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烏に単は似合わない、コミカライズを一気読みしました‼️ハマった📚

Twitterで8月末まで無料と知って、一気読みしました。

以下、当然の如くネタバレします。

読んでない人は、回れ右してください!


キャラ造形もそれぞれ個性的だし、絢爛豪華な宮中など、描写に力が入っていて読みごたえあり!
絵に迫力がありすぎて怖いくらいのところも…
そしてなんといっても、怒涛の展開からのどんでん返し!
駆け引き、策略、嘘、キャラの印象がそれぞれどんどん変わっていって、マンガ表現というスピード感のせいか、ついてけない!と思いつつも一気読み。
そして最後の結末に(マジか…)となり、もう一周。二周目に読むともろもろの意味が全然違って感じられるとは、ミステリーの要素も兼ね備えてる。外界と連絡が取りづらい、密室っぽさもあるし。

これは小説も読まねば、と図書館で二冊、急いで予約。
小説版の『烏に単は似合わない』『烏は主を選ばない』も一気読みしました。

面白い❗️

マンガでは駆け足だった描写も伏線も、しっかり味わい、二冊目を読んだらまた、一冊目を読み返したくなる無限ループ⁉️

で、『烏に単は似合わない』、しっかり気持ちを整理したいと思います。すごすぎて頭、混乱してるから。

ていうか、もろ核心から話すよ?ネタバレご注意!

最大のちゃぶ台返し⁉️東の二の姫「あせび」この子が『信用ならない語り手』だったとは!という衝撃💥

美人だけど自信が無さそうで、無垢なあせびちゃんのシンデレラストーリーだと思って読むじゃないですか?応援しながら。イジメられてもバカにされてもがんばって、若宮から選ばれれば報われるよ、みたいな気持ちでさ。春のイメージだし、あせびが桜の君なんでしょ?って。

読後。「あせびサイコパス女じゃん。こわっ⁉️」

そして二周目読むのに突入。あせびがどれだけ故意的だったか、嘘をついている、演じているかをチェックせずにはいられなかったのですが。

姉の双葉、西のますほの薄を下男に襲わせたのは、故意だと確定なわけですよね。そうすると、だな。

この子、本当は皆を蹴落として、入内する気満々だったんですよね?最初から。

冒頭の子供の時の出会い、『紫の衣』で、若宮だってことに気づいてたんじゃないかな?

宿下がりしたい、なんて弱音を吐くのも、そう言えば古参の侍女うこぎや、内親王の藤波や、侍女の早桃が、協力してくれるのを内心期待してのこと。忖度を誘導してるんだよね。そう、読者としても「この子の恋を応援したい」と思わせられながら読んじゃうんだもん。そしてそれは、うこぎなどには付き合いの長い分、阿吽の呼吸で作用するのでしょう。藤波に関しても、あせびの母親の浮雲が教育係だった、あせびとも古馴染みということなので、洗脳に似たような状態で、ああいう行動を取ったように思えます。

下男に母親の事を聞くために呼びつけた、というのもあらかじめ用意した言い訳だったのかー⁉️
よく考えたら、下男に聞いても、しょうがない話題だよね?下男もあせび姫と契る気で夜に忍んで来たわけだしね。明らかに勘違いさせてるよね。だからこそ、早桃はヤバさに気づいたってことよね。

早桃目線で見たあせびは、さぞ怖かったことでしょう。
だってこれ、不祥事がバレた時に「秘書が勝手にやったことです」と、とかげの尻尾切りする悪徳政治家みたいなもんじゃん⁉️

そして気になるのが、あせびの母親がどんな人だったのか?ということ。

この先は、辻褄を合わせたい私の勝手な憶測ですが。

あせびの父親は、髪の色が特徴的な下男らしい。
それは恋だったのか?策略だったのか?

私は皇后(大紫)の策略だったんじゃないかと勘繰っている。その逸話を乳母からそれとなく聞いていて、あせびは二度も下男を襲わせるという手を使ったんじゃないかな?と。

というのはどうも、姫たちの親世代に何があったか、を想像すると業の深さをますます感じてしまうので。

北の白珠が入内に固執するのも、美人に生まれなかった母親の悔しさなどを背負っている、と思えば健気さが更に増す。

で、あせびの母親「浮雲」ですが、入内出来なくなり、下男の子を産んで、そのあとなお、藤波の教育係になっているんですよね?教育係という役目ながら、後宮に上がるのを自ら望んだわけですよね?東の家で当主の妻として大人しくするわけじゃなくて、わざわざね。

若宮と藤波の母親「十六夜」が殺される、教育係候補だった浜木綿の母親が罪を被せられ夫と共に殺される、浮雲が教育係になる。

この流れで何が起きていたのか?推測一として、浮雲が十六夜を殺し、その罪を浜木綿の母親に被せたのではないか、と考えられる。あせびと浮雲はほぼ同じような人種と考えると、入内出来なくとも陛下との恋を諦めずに策を弄した、ように思える。

推測二として、十六夜、浜木綿の母親、浮雲が死んだのは全部、大紫の御前の策略だった、というのも考えた。さんざん若宮を殺そうとしている大紫なので、それもあり得るかも。

さて、この一連の事件がなければ、子供の浜木綿が男の子のカッコなどせず、綺麗な着物を着た姫のままでいられたんだよな。幼き日の邂逅であせびの美しい様子を浜木綿が羨ましそうに見ていた、と若宮は感じ、綺麗な着物を着せてやりたいな、と思ったわけでしょう?更に、綺麗な着物を着てても着てなくても、大好きだと、そう思ってるわけですよね、昔も今も。

そういう思いがありながらも、「あせびとその母親をどう思うか?」と問われて若宮が答える内容は、この人わりと優しいのかな?と感じられた。初見、若宮は、朴念仁過ぎる!言い方が酷い!って印象だけどさ。よくよく落ち着いて読むと、「あせびとは正反対」。つまり、表層はクールに見えて、中身は繊細で優しい人なのでは?と思えます。

浜木綿が入内することが決まるシーンは、ロマンチックな告白とは程遠く、男同士の契約のよう。拳!(二冊目を読んでから読むと「死ぬんじゃねえよ、お互いにな!」という共闘宣言のようなものになったのもうなずけるが。)

でも幼少期に悪友だったことからずっと続いてる『くそでか感情』があるわけですよね。

だから西のますほの薄は、幼少期の若宮に面識があって、ちゃんと恋をしているにもかかわらず、(浜木綿の献身には敵わない)と髪をバッサリやるわけだし。

若宮とて、浜木綿がどう考えたかを理解し、事の顛末のからくりを調べあげたわけだから。

皇后の資質が浜木綿に一番ある、という事実もさることながら、深い深い愛もちゃんとあると私は思います。

ここからは、茶化しですが。

ますほ、若宮よりもむしろ浜木綿に惚れたんじゃない?と思った。

ますほと浜木綿が百合百合しくいちゃついて、若宮が(あれ?俺の立場はいかに?)となってほしいな。若宮ハーレムになる予定だったのが、浜木綿ハーレムになるという。

あと最後に、私が連想した他作品について。

姫と下男の恋、は「きらきら馨る」というマンガの左大臣の姫を連想しました。一番にこだわる才色兼備な姫だけど、入内間近にきて、お気に入りの下男は連れていけない、と気づく、恋に関してだけ子供だったいうエピソード。
はー、昔の少女マンガだったら、さぎり→あせび、左大臣の姫→白珠で、それぞれ好きな人と結ばれてハッピーエンド、だったよねー。もちろん今でもそういう話好きだけどね。だから今回、『烏に単は似合わない』では足元掬われた気がするわー、いい意味でね。恋した男に選ばれてハッピーエンド、なんて単純なことではないね。何を考え、行動したか、が大事だわ。
彼女らの違いに注目して読み直すとさ、あせびって浜木綿、ますほの薄の引き立て役だったんじゃない?これからのシリーズできっと浜木綿、ますほの薄が若宮の心強い味方として活躍するんでしょう?そういう期待をしている!

そしてモデル論でいえば、源氏物語、ですね。

四季に分けられた宮にそれぞれ姫が住む。

あせび→紫の上(琴)、浜木綿→明石の君(琵琶)
でイメージを合わせてるでしょう。

若宮はif源氏が帝になったらどうなってたか?ということかな?兄とその母と真っ向勝負する源氏かな?

烏に転身出来るという設定も魅力的ですね。
鳥の姿だと誰だか分からない、という取り違えトリックも秀逸。

続編小説が楽しみです。

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