『楽園の烏』雪哉はなぜ、博陸候雪斎という悪役然とした人物になってしまったのか?(読んで悶々としてる人向け)
『楽園の烏』読み終わってから、キーワード検索で感想を漁る日々です。ふせったーとか、面白いですよね。
しかしフォロワーの少ない私がふせったーに書いても誰にも読まれないかと思うので、ふせったーではなく、こっちに書かせてもらいます(noteはダッシュボードで閲覧数でるからね。面白いと思ったらイイネもください🙏)
noteは、後から編集出来るところや画像入れられるところも良いですね😃わりと加筆修正もします。
では、ネタバレ困る人は回れ右してね。
雪哉と茂さん!
感想の中で「茂さんが生きていてくれたら…」というの多いですね。作中でも千早が口にしていますし。
「茂さんは銀河英雄伝説で言うところのキルヒアイス」と言ってる方がいらして、まさにその通り!と私も首を縦に振りすぎてアカベコ状態であります。
茂さんの役割として思い浮かぶのは、雪哉が公近にケンカを売ったシーンで、終盤に茂さんが「それ以上はやりすぎだ」と言ったのに対して雪哉が「茂さんがそう言うなら」と手を止めるところ。(空棺の烏)
ここでの雪哉は、“茂さんがそう言うなら”手を止めるのであって、“何故やりすぎてはいけないのか?”は分かっていないように見えます。
茂さんは雪哉のストッパーとして、生きていて欲しかった。
雪哉の“完膚なきまでに叩き潰してしまうところ”がよくないんじゃないかと思う
用意周到で疑り深い雪哉が策を練れば、全ては彼の手の平の上となり、黄烏博陸候として権力を握ることになったのでしょう。だが、勝ち急ぐあまり、少数の犠牲も厭わなかったり、勝ち過ぎて怨みを買っていたりで、人心がついてきてこなかった様に思えます。
猿の殲滅にしても、徹底的にしたことが本当に良かったのでしょうか?
『弥栄の烏』で[英雄]は、人の肉を食べた猿だけ滅す、つもりだった。あの場面で英雄に任せたほうが、丸く治まったのではないかと思える。
復讐が復讐を呼ぶ、それは分かっている。だからこそ、『根絶やし』よりも『神の裁き』の方が争いの決着としては良かったのではなかろうか?
雪哉は山神への儀式も復活させようと、八咫烏の子を人間界で育てることまでしているが、そもそも和魂である英雄との関係はそれで上手くいくのだろうか?システムを構築しても、心情の部分で問題があるんじゃ?英雄(椿)と珠依姫(志帆)が今後絡んでくるのかも分からない。
身分制度がある世界での罪と罰
雪斎のゲスさで特に際立っているのが「毒で殺す」あれやそれです。そもそも罪人だから殺されて当然、と治真はのたまうのだが。結の両親のエピソードの様に冤罪で馬にされていることもあるだろうし、殺されるほどの罪を犯しているのか?という疑念がある。身分差のある世界で、裁判の公正さは元より確保されていないだろう。三本目の足を切られ、人形をとれなくされた時点で弁明も出来ないわけで。
罪を犯したとしても更正出来る社会のシステム、を考えさせられます。
頼斗の伸び代
イケメンで貴族で優等生な頼斗くん。つまり彼の“良くないところ”は完璧過ぎるところですね。
勁草院に入っても、身分の低い人たちと腹を割った関係になったり、誰かにコンプレックスを感じたり、といったこともなく、人間界に留学しても山内最高!と言ってしまえる頼斗。(明留の挫折エピソードと比べると、そのままじゃダメな気がする)そんな彼が人間界で、わざわざ社会の底辺をうろうろしてるようなはじめと一緒に行動して、何を得るのか見物。
それこそ頼斗は、博陸候を討つ人物に成長するのかもしれない。
そして雪斎もそれを望んでるのかも、と思う。
盲目的な英雄視とも、むやみやたらな反抗とも違う、同等の目線を期待しているのではないだろうか?敵対したとしても。
また銀英伝で例えるなら、ラインハルトがヤンと戦うことを欲したように。
「若者は宝」という言葉も、あながち矛盾してないのでは?
「幽霊」の協力者
楽園の記事で毎回言ってますが、幽霊は紫苑の宮であって欲しいので、もうそこは確定したかのごとく妄想します。
八年前山内で政変があったとき、朔王が第三の門から紫苑の宮を人間界に逃がした?幽霊が朔王に恩があるってそういうこと?でも、それきりで朔王とは接触してない様子。
その後紫苑の宮は人間界でどうやって暮らしたか?ですが、潤天と暮らしてたらいいな~。(これは予想というよりは私好みの願望!)それこそ若宮奈月彦が遊学してた様をなぞるように。
楽園の時間軸だと、大天狗も代替わりしているんじゃないかと思ったんですよ。潤天、結構、歳だよね?年齢不詳だけど。少なくとも奈月彦より年上だったはず。
つまり「我々じゃない」と雪斎に弁明した現大天狗が本当に何も知らなかったにしても、大天狗を降りた潤天が幽霊に協力してたのだとしたら⁉️なにかと強いカードになりえるでしょう。潤天は色々と知ってるもの。珠依姫で調べものもしてるしさ。
幽霊は基本、人間界で暮らしてきたと思ってるけど、だとするとトビとはいつ接触したのだろうか?やっぱりトロッコでこっそり入ったのかな?それとも禁門が使えたりする?
紫苑の宮と雪哉
雪哉が赤子の紫苑の宮を抱いて、「もうこんなことをこの子に経験させたくない」と思ったのは本心だと思うのね。
それゆえ必死になって見た目完璧な山内を作ろうとして、結果、宮が嫌悪するような価値観になってしまったのだとしたら。重たい愛故に憎まれてしまうのだとしたら。大変ドラマチックで美味しいじゃないですか…ん?悪趣味⁉️
もう絶対に、幽霊=紫苑の宮、であって欲しい!
その上で、紫苑の宮vs雪斎、が読みたいんじゃー🌠
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