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『楽園の烏』読みました。雪斎こと雪哉がいかに女心とかが分からないか!という考察。八咫烏シリーズ全編を読んだ人向け。

八咫烏シリーズ第二部の一冊目。
続きが読めないのが苦しい❗️早く読みたい…
言いたいことは山程あるんだけど。

とりあえず?雪斎こと雪哉さんについて書こうかな。

もちろんここから先は、読んだ人向け。



『弥栄の烏』から20年後の山内。どうやら黄烏博陸候となった雪斎の独裁政治のようで、やってる政策が色々えげつない。
まあ、平安時代から一気に開国、産業革命とやってるようなもので、改新的で凄いことなんだとは思う。現代日本人の私たちから見ると人権というか鳥権に問題ありあり!と叫びたいけど、山内の歴史からすれば、むしろ進歩なのだろう。
けれど雪斎のその、戦略上は辻褄があっていそうだけど、人情をくんでないところがねぇ…

雪哉君さ、本当の冷血漢ではなく、それはふりであって、根は優しいんだと思うの。茂さんいわく。でもね、女性的な考え方や目線には全く疎いし、見下している。

最初は若宮の影響か真似かな、と思ってたのよ。『単』で展開された后争いがトラウマになっちゃったかしら?なんて。でも雪哉は若宮より、ヒドイ。
奈月彦には浜木綿がいて、紫苑の宮も産まれたけれど、雪斎は独身じゃんねー、推して知るべし。

[冬木と雪哉]

雪哉は自分の母親が何をしたかったか分からない、と言うんだけど。

それさー(タメ息)

冬木さんはただ、雪正に恋をしただけ。
雪馬を見て、自分も子どもが欲しくなった。自分が死ぬことになっても。ただそれだけでしょ?


[小梅ちゃんと雪哉]

ずっと小梅ちゃんを疑う雪哉ー😅
梓さんが小梅ちゃんを引き取ろうとして、反対するくだりとか!
雪哉に恋愛は無理!!と強く思った‼️


[ますほの薄と雪哉]

茂さんが「ますほが雪哉の事好きだから、澄尾が縁談を勧めたんじゃないの?」と言うシーンがあったけど…

『それだけはないでしょー』と思ってる。

ますほの本命は浜木綿、ですからね。
女にも男との愛だの恋だのより大事なものがあるんですよ。
まあ、その上で、澄尾と良い感じになってくれてたら、絵に描いたようなケンカップルでほのぼのします。

じゃあ雪哉とますほの関係は?というと、むしろ思想的に真逆、敵対してもおかしくない雰囲気かと。

弥栄冒頭では、何か勘づいているますほを雪哉は牽制してるし。

澄尾の「女は引っ込んでろ」に
ますほの薄が「男は引っ込んでろ」と言い返して、澄尾はますほを惚れ直すんだけどさ。

そのあと雪哉の「女は引っ込んでろ」が来るでしょう?
ますほは宮烏を囮にしたことも、路近を一番危ないところへ差し向けたこともイチイチ突っ込んでますから。
恋愛どこではなく、相反する二人だと思ってます。

(ますほの薄が雪哉を特別視してる描写は「雪哉が後に博陸候となる片鱗を最初に感じたのがますほの薄」という意味なんじゃないかなー)


[浜木綿と雪哉]

弥栄のラスト、浜木綿は奈月彦に向かって「ただの烏になってもいいではないか、滅びたっていい。」
と言い放ちます。潔くてカッコいい。
が、楽園で雪哉のやっている政策はというと、なんとか山内が滅びないように、色々とうって出てるわけですよ。
そうするとこの二人も、政治思想的には逆、となって…政争に?


[結と雪哉]

『楽園の烏』で、雪斎が「女が半数も逃げたことが意外だった」と言いますね。『大真面目に』と書いてあるので、女工政策は本気でイケてると思ってたわけですよね、雪斎は。
ここで千早の妹、結ちゃんを思い出しました。
結は西家から谷間に戻りたがります。それは自分の音楽の才で自立したいがため。&恋だってしたい、から。
衣食住心配なく養われてれば幸せ、というわけではない、と。千早は結とのやり取りでわかっただろうけど、雪斎はそこら辺が分かってないようですよね。


[幽霊と雪斎]

さて、「楽園の烏」で出てきた「幽霊」さん。
まだ明確にはされてませんが。
今、何を予測したって、きっとひっくり返されるに決まってる‼️と思いますが。
でもあえて言いたい。

「紫苑の宮」ですよね、と。

壮絶な美人描写と、瞳の色と、推定年齢二十歳位。
トラックを運転し、はじめを手玉に取りリードするかっこよさ。トビに学ぶ事を説いたであろう聡明さ。全ての糸を裏で引いていたであろう知略。
奈月彦と浜木綿の娘がハードボイルドにお育ちになられて、と立ち上がって拍手し、ペンライト振り回したい気満々✨

まあ、紫苑の宮じゃないとしてでも。

幽霊vs雪斎
それさー、私にとっては、フェミvsミソジニーに見えるのよ。

私は雪哉というキャラは好きだけど、いえ好きだから余計、雪哉のミソジニーな部分は、幽霊にしてやられちゃえー、負けちゃえー、なんて思ってるんです。

自分が女だからそう思うだけかもしれないけど。

山神の元に自分から戻った志帆
戦いを避ける戦いをすべきだと聖域に向かったますほの薄
山内が滅んだっていい、と言いきった浜木綿
そういう『自分の本心で行動した』方が最期には笑う、そんな方向性を期待している。

幽霊さんに雪斎の頭をかちわって欲しいんですよー。


[雪斎]

『楽園の烏』から読んだ人には、雪斎は真っ黒黒な悪役に見えるんでしょうねぇ。阿部智里マジックだわ。
でも第一部から通して読んでる者には、痛々しく見えて。『必要性の奴隷』であえて悪役を演じてるんでしょう?だから長束や千早も苦々しくは思っても、完全に敵対する様子ではないわけだよね。
全部一人で抱えこもうとするのがよくないんじゃないカナー?


【おまけ】

[治真と雪斎]

治真…雪斎への傾倒が強火過ぎて…面白すぎませんか?

雪斎が独身なはずだよ⁉️

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