子供を旅に出した話
小さい頃からちょくちょく子供たちを海外に連れ出していた。いつの間にか息子は大学生になったらいろんな国を旅すると決めていたらしく、夏に帰省してきたとき、春休みに一人で北米大陸を横断する予定を立てていてそのためのお金をためてると伝えてきた。
私自身がもともとバックパッカーで、それこそ大学生の頃に30か国ぐらいは旅をした。頼りない父親でもできたということが息子の海外一人旅へのハードルを下げていたようだ。
長期の一人旅に必要なものは何で、どんな格好でいけばいいのか、どこに泊まればいいのか、食事はどうするのか、移動はどうするのか、ルートはどうするのか。そんなことを息子に聞かれて一緒に考えるのはとてもとても楽しかった。まさか自分の経験がこんなとろで活きるとはねぇ。
リュック選び↓
というわけで2月中旬に息子がニューヨークに向けて出発。南回りのルートで3月下旬にサンフランシスコから出国。ちなみに私は夏休みに北米大陸横断したので暑い南部は避けて半分アメリカ、半分カナダといったルートで回った。(青線、わたし 赤線、息子)
生存確認のため何でもいいから毎日写真を送ってくれという両親のリクエストに応えてくれて、結構マメに写真と動画を送ってくれた。
毎日息子が送ってくれる写真と動画を眺めるのは本当に楽しかった。まるで自分が一緒に旅行してるような感じだ。息子の目で切り取られた写真や息子が肌で感じたことを読むのは何にも代えがたい、親という立場に立ったからこそ味わえる楽しさだった。
ニューヨーク
フィラデルフィア(ロッキー像)
アトランタ(ジョージア水族館)
ニューオリンズ
ヒューストン
NBA
車窓(メキシコ国境)
ロスアンゼルス
ラスベガス
サンフランシスコ
母親が75歳にしてiPhoneを手に入れたけど、全く使えてなかった。結構な額のお金を孫の旅の餞別にと出してくれたこともあり、息子にはおばあちゃんにも毎日LINEで写真を送ってくれと頼んでいた。それまでスタンプの使い方もわからなかった母が短いけれどちゃんと文字入力して孫にメッセージを送っていた。毎日、地図帳を眺めてルートを確認してたらしい(そこもスマホでできるとよかったのだけど)
そんな楽しい旅行の終盤で急展開が待っているとは予想もしておらず。、ロスアンゼルスの着いて3日目、緊急事態宣言がでてから急に様子が変わり、
観光施設が次々と閉鎖。ラスベガスでは宿泊したホテルが急に閉まり変更を余儀なくされたり、最終目的地のサンフランシスコに外出禁止令が出たりと。
無人
あまりの変化の大きさに、さすがに日本語で情報取ってても追いつかず、英語ニュースやTwitterを親子で読んでLINEで状況の確認と次にやることを決めて。緊急事態宣言が出て以降はなかなかは心が休まらない日々(本人はケロっとしてたけど)
このとき私がお世話になったホストファミリーや、Facebookで繋がってる娘のホストファミリーがいち早く現地の情報を教えてくれたり、何かあったら連絡してくれれば助けにいくよとメッセージくれたのはありがたかったなぁ。
そんなこんなで色々あったけど、終わってみれば全部よい思い出。自分の経験からもトラブルがあればあるほど旅は鮮明に記憶に残る。綺麗なだけの景色なんてすぐに忘れてしまうものだ。
ネットのおかげでいろんなものがバーチャルで見れる世の中だけれど、それだからこそ実際に現地に行って自分の目で見る、という体験の価値が逆にあるかもねと。画面越しに見る風景と実際に見る風景の違いは行った者にしかわからない。実体験が伴わず、情報のみで話をすることの薄っぺらさがわかるはずだ。
そしてそして、ネットがなかった時代に自分を送り出した両親の心配がなんとなくわかったような。親の立場にたってわかる親のありがたさよな。
〇△□
息子がNASAに行ったで今読み直してる「宇宙兄弟」
いい言葉が書かれてた。
ほんとこれだよ。
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