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中年期危機を乗り越え楽しむ第二の人生。

今日は大学の非常勤講師のお仕事。
テーマはエリクソンのライフサイクル論の中年期。
まさしく私の年代の話。

スイスの心理学者のユングさんは40代を『人生の正午』と表現しました。
成人期までは自分が出来ることがどんどん増えていく。
40を過ぎて中年期、出来なくなっていくことが徐々に増えていく。
その中で何を残すか。何をあきらめるのか。

体力にも限りを感じる中、自分の時間を何に使うか。優先順位を考える。

アメリカの心理学者のレビンソンさんは40-45才を『人生半ばの過渡期』と呼び、生き方の修正に迫られバランスを取り直す時期だと言いました。

とにかく「社会の役に立ちたい」と大判風呂敷を広げて、沢山の人と出会い見聞を広めること、学びを吸収することを一生懸命やってきた、これまでの私の人生。

最近、私の尊敬する先生との電話。
お題は二つ。

「土居さんは何がやりたいの?」
「あたなが一番楽しいと思う瞬間は?」

<”社会の役に立ちたい”ではダメなのか???>
<やりたいことは楽しくなくちゃダメなのか???>

どちらの質問にも上手く答えられず・・・。
<私にはやりたいことがないんだろうか?いつも周囲に流されて来ただけだったんだろうか???>
ここ数日ずっとモヤモヤしていた私。

今日の授業の最後のミニレポート
「中年期は人生の折り返しで『第二の人生のスタート』だと呼ばれる理由が分かりました」と書いてくれた学生さん。
そっか私は『今』これからの人生に向けて生まれ変わろうとしていたんだ!!産みの苦しみ。人生かけた選択なんだから多いに悩んで仕方ない。そんな風に開き直れた瞬間。

大学の授業の中で、学生さん達から出てくる言葉は、純粋ではっとさせられることが多々ある。

「先生はこれまで過渡期に大事にしていたことがありますか?」
これまた真摯で素朴で、とても良い質問を書いてくれた学生さん。

振り返り考える。。。
年齢を重ね前よりも、物事や課題を「寝かせておく」ことが上手になった気がする。

若い頃には、モヤモヤしたりイライラしたことがあれば、瞬間湯沸かし器のように、売り言葉に買い言葉。それで幾度となく失敗したことか。

それが息子くん達のママになり、若い頃よりはマシにはなったけど、それでもモヤモヤやイライラを抱えきれず、お酒を飲んでみたり、お菓子を食べてみたり、友達に長電話してみたり。。。

息子くん達も巣立ち、自分の時間が増えた今、以前より上手にモヤモヤやイライラを、嫌うことなく「これもなかなか悪くない」と抱えたまま。そっと「寝かせておく」。暫くたって、ほとぼりが冷めた頃に蓋を開けると、見たこともない様相で全く違うアイデアが浮かぶことも!

過渡期真っ只中、私が大事にしていることは「焦らないこと」「嫌な感情も丸ごと自分だと愛おしく思うこと」
そぉしていると、最近想う。。。。「年をとるのも悪くない」

サクセスフル・エイジング。いかに幸せに年をとるか。
第二の人生のスタート。
焦らずじっくり、モヤモヤすらも可愛がりながら、自分にしか出来ない何かを見つけていきたいと思うことができた。

きっと今日の授業の内容を、一番自分の物にしたのは、学生さんの誰でもなく、この私。
学生さんと、学生さんの純朴な言葉に、毎週出会える幸せなお仕事に感謝。


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