ツイ無職園芸部 マダガスカル産ウルシ科植物の発芽促進処理について

まくるめでございます。

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概要:

今回の記事は園芸についてです。

わりと難発芽と言われるオペルクリカリア・デカリー(Operculicarya decaryi)の種子を同じウルシ科であるウルシの発芽促進処理にしたがって、硫酸またはアルカリ処理をしたらどうもうまくいったようで歩留まりが良かったという内容です。

上記に興味ない・わけわかんないという人は今回は読む必要ないです。この記事の内容に興味持ってくれる人はたぶん五人ぐらいしかいないと思いますからべつにだいじょうぶです。


オペルクリカリア・デカリーの種子について:

オペルクリカリア・実生とかで検索するとわりと難発芽種子とか歩留まりが悪いと書かれています。上記のとおり同科のウルシも難発芽らしく、専用の発芽法が確立されています。

ウルシの種子は

・しいな(殻だけで中身がない種子)が多い

・種表面にロウ状物質があって吸水しにくい

という特徴があります。しいなが多いのは受粉率の問題もあるらしいですが、受粉してなくても種が育ってしまうという性質を持っているというほうが正確なのかもしれません。オペルクリカリアも同じ性質があるようです。

今回はケーレスから購入した種を使いました。10Kとありましたが15粒ぐらい入ってました。とはいえ少なくとも一部は前述のしいなだと思います。処理後も水に浮いてたらその可能性が高いですね。


処理内容について:

前者はどうしようもないですが後者は処理して取り除けば済む話です。なので今回はウルシ用の発芽促進処理をそのままオペルクリカリアの種子に行うということを考えました。ウルシの発芽促進処理で検索すると色々出てきましたが、今回やったのは。果皮をとりのぞいたあと

アルカリ処理:灰汁に漬けながら洗う

酸処理:98%硫酸で表面を焼く

です。先に結論から言うとどちらも有効なようです。

アルカリ処理の場合は油脂を鹸化させるという話になると思います。ウルシの場合は灰と混ぜて漬けたりするようですが、ここでは濃い目に作った灰汁に一晩漬けました。

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うまく処理できてるかと言うと、あまり分からないですが、とりあえずある程度アルカリがしみ込んでくれれば吸水するかなと思います。そのあと薄めの灰汁でさらに一晩浸しました。

水酸化カリウムか水酸化ナトリウムでもいいかもしれませんが、カリウムのほうが油脂への拡散がいいと石鹸づくりかなにかの記事で読んだ記憶があります。あやふやですが。灰のほうが安全だとは思いますが水酸化カリウムも今度試そうかな。

もう一つの硫酸処理についてはもっと単純で、種の表面を濃硫酸で焼きます。ほかに仔細なしですが、果皮を水で洗ってしまった場合はよく乾かさないと高温になってしまうかもしれません。

いちおう書いておきますが、危険物ですから気をつけましょう。子供の夏休みの宿題じゃないのでそんなもん自己責任ですが……。


結果:

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けっきょく今こんな感じです。

最終的にケーレスの1パックから7つ発芽しました。樹木系の種子の歩留まりとしてはかなりいいというか、浸水時に浮いてたやつがしいなだと仮定すると、中身のあったのはほぼほぼ発芽した話になります。

発芽もおおむね揃いました。遅れて芽が出てきたのがひとつだけありましたが、タイミングの揃いは処理の影響があると思います。おそらく発芽能力のある種子は無処理でも発芽そのものはすると思いますが、今回は2~3週間でほぼ出きったのでラクでありました。


結論:

何度も実験して再現性を確かめたわけじゃないですが、処理は一定有効そうであるというのが今回の感触です。種のロットの質もあるので処理の効果だと断言できないけど、おまじないとしてはいいでしょう。

今後はデカリー以外の種で試すつもりです。

灰汁を使った発芽促進は硫酸処理よりマイルドで、まだ知られていないが有効な植物がある可能性がありますので、今後の課題としたいです。


付記:

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安くない植物の発芽歩留まりが上がるかもしれないわけですから。

ね?

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