誰もこない対面授業

文科省は,大学を開け,対面授業しろと言っている.オンライン講義がある一定割合をこえる大学について,大学名を公表するとも言った.

なぜ?オンライン講義をメインにしている大学が公開される理由は?

どこにも何も本当のことは書かれていないように思う.思うけど,その実,現場の教員として感じるのは,対面授業をしろよ,オンラインなんてやってる大学はその名を全国に知らしめて吊し上げるぞ!という感じの意思.
なんとかしてオンラインで講義しろ,感染拡大を抑えながら学びを止めるな,と言っていたのに.

なんでこんなことを書き始めたかって...


対面での授業希望者がゼロだったから

しかも,実験
しかも,学部1年生.

何かあった時に(教員やTAが発症したり学内でクラスタが発生したり,大学が完全に閉まったり・・・)オンラインでの体制をとっておかないと,オンサイトからオンラインはしんどいからとやってみたものです.だから,きっと学生はみんな実験したいんだろうな,大学に来たいだろうなと思い,希望者は時間と人数を調整して実験を実際にやることができます,けれど,それは評価には加味しません(実際にやった方がレポートの内容に厚みが出るので点数が良くなる可能性は高い),だからもし
・心配で大学に行きたくない
・症状は軽いけど罹患してしまって行けない
・濃厚接触者で隔離中だから行けない
・入院を余儀なくされてしまった
ということがあっても,オンデマンドで配信したり,なんでもできる.

けど,現在,担当のクラスの初回が終わって,実際の対面実験希望者は300弱の学生で1名だけ.
信じられん.
世の中とうちの大学の認識がとてもかけ離れているのでしょうか.学生の方が,実は心配だから出てきたくないと思っているのでしょうか.そもそも,大学としては対面講義を推奨しているのですから,一般的な学生は対面講義をしてほしい派になるわけです.

で,提出されたレポートを見るわけですが,人に何かを伝えよう!これで単位をもらおう,と思っているとは到底想像できないレポートの数々です.

「すみません,わかりませんでした」
と課題に回答し,
「定義ってなんですか?」
「この教科書に書かれている言葉の意味がわかりません」

大学の先生は,質問箱ではありません.
大学は授業ではなく講義です.
答えないと,先生が質問に答えてくれない,と投書し,意味不明に評価を下げられ,時にはパワハラだのアカハラだのと騒がれ,叩かれる.
学生が自分のできる努力を怠っているのに,そこは問題にしない.
ちょっと話がずれてしまった.
学生の自分で問題を解決する能力の低下も相まってなかなか根が深いと感じる今日この頃です.グ○れ!!!と叫びたくなりますが.なんでしょうかね,みんな平均してこんな感じ.ずば抜ける人は少ないし,ずば抜けると集団からいじめにあったり,仲間外れみたいにされたりしています.大学が随分と変わってしまったのでしょうか.デキるやつに憧れ,上を目指すとかないのですかね.足の引っ張り合いの何が楽しいのか.みんなで頑張ろうじゃなく,みんなでサボろう.

つまんない.つまんないのはいいとして,教員も同じ感じになっているのは許容できないのです.長いものに巻かれないと生きていけない人たち,抜きん出ることをよしとしない人たち,出る杭を打つことばかり考えている人たち.とりあえず,うちの学生,院生は全力でコロナとも研究とも戦ってるんだから,邪魔しにこないでよね!!!が本音です.

明るく楽しい母子家庭(それが1番良いわけではなく…)のworking motherです.思い切りが良すぎるため,落とし穴にもはまりがち.這い上がっては走り出し…そんな毎日を送っています