見出し画像

反抗期の子どもへの対応

「以前はそれなりに親の言うことも聞いて動いてくれていたのに、
反抗期になって、ちっとも言うことを聞いてくれない。
どう対応したらいいですか?」

こんな相談をよく受けます。


反抗期は、子どもの心の発達過程で、一般的に歩行を開始した1~2歳の頃と思春期に訪れます。
この2つの時期に共通するテーマは、「自立」と「依存」です。

1~2歳の時期。
一人歩きができるようになり行動範囲が増え、
自分でできることも多くなって、
それはとても嬉しいことではあるのですが、
同時に親の手を借りることが減る、ということでもあります。
手伝ってもらいたいんだけど、自分でやりたい、という葛藤から、
自分でやろうとして、うまくいかないから泣くのだけれど、
親が手を出そうとすると癇癪を起こす・・・
親はどう扱ったら良いかわからなくなる、俗に言う「イヤイヤ期」。

思春期。
二次性徴を迎えて大人の体格となり、物事を考える力もついてきた時期。
親離れをして自立するタイミングが目の前に迫ってきています。
自立したい気持ちと、まだまだ甘えたい依存した気持ちとで葛藤が起こります。
親の言うことなすことに「知らん」など突っぱねた言動をとる一方で、
親から「勝手にしなさい」と言われると、
心の中では「自分を見捨てるのか」と心細い気持ちから怒りが沸いてくる。
自立したいという気持ちに反発するかのように、
依存したいという気持ちが起こって葛藤するから、反抗的な言動が出てしまうのです。


このように反抗期というのは、
自立と依存という相反する気持ちが同時に存在する複雑な状態なんだということを
親が知る事がまず大切です。


相反する気持ちで葛藤しているから、その葛藤が苦しくてイライラした態度を向けてくるのです。
だから、「こうしたらいいんじゃない?」と親が提案しても、
本人は反対の気持ちとの葛藤で苦しんでいるから、それは違うと怒るわけです。

従って、反抗期の子どもには、
親がアドバイスをしない、ということをお勧めします。

親は子どもが葛藤して悩む苦しさを取り除いてあげたいと思いがちですが、
葛藤を取り除いてあげていては、
いつまで経っても葛藤を乗り越える力は育まれません。
見ている方も苦しいけれど、葛藤する苦しさに寄り添って見守ることが、
その子の成長を支えることになります。

もし、アドバイスをしないといけないような気持ちになったら、
過去に起こった似たような場面で、どのようにしたかとか、
お友達や兄弟だったらどうするだろうとか尋ねて、
本人が考えることをサポートするのがいいと思います。


ちなみに、反抗期の子どもでなくても、
できるだけ親は指示やアドバイスをせず、
本人が考えることをサポートするのがよいと思っています。
アドバイスする方が楽なので、ついアドバイスをしたくなるし、
考えることをサポートするためには、親も何と言うのがよいか悩みますが、
こうしたやり取りを繰り返しながら、子どもと一緒に親も成長していけるといいなと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?