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問題行動を繰り返す子の理由

「何度も注意しているのにやめない」

子どもが問題行動を繰り返す背景には3つの理由が考えられます。
①注意されることで、注目欲求を満たしている
②反復強迫
③ダメだと禁止されることで、逆に意識してしまう


①は、応用行動分析 (ABA)で紹介されており、ペアレントトレーニングでもお伝えしているお話です。
子どもはかまってもらいたい、注目してもらいたい、というときに、よい行動ではなく、注意を受ける問題行動をとることがしばしばあります。
なぜなら、よい行動で注意をひくよりも簡単だからです。
そこで注目欲求を満たしてしまうと、また注目欲求を満たしたくなった時に、その行動を取ってしまいます。
その行動に対してはあまり注目をしすぎず、さらりと流して、その背景にある気持ちに注目したり、よい行動により大きな注目を向けるように意識してみてください。

②は、精神分析学による説明です。
遊びの場面で反復強迫がしばしばみられることを利用して、臨床場面では遊戯療法の中でこれを治療的に扱います。
詳細を知りたいと思われる方は、川谷の「臨床ダイアリー」より「トラウマと反復強迫」をご覧下さい。

③禁断の恋愛に踏み込んでしまう大人も、ダメだと禁止されているから相手を余計に意識して、一歩踏み込んでしまうわけです。
意識すると気になることを止められなくなってしまうのは、大人も子どもも同じです。

これらの状態を止めるためには、小学校中学年以上の子であれば、「こういう考えがあるんだって」と説明し、自分の行動が「反復強迫」や「意識しすぎるせい」だと理解、つまり意識することによって無意識の行動を止めやすくなります。
自己理解はその人の感情を悲しみから喜びに変えてくれるので、それがトラウマから起こる反復強迫だった場合は特に、問題が大きく変化するきっかけになるかもしれません。

小学校低学年以下の子には、その行動にあまり注目せず、その行動の背景にある気持ちに注目し言語化をお手伝いすることと、いつものようにひどく怒られるという結果にならない(反復しない)ようにするという対応がよいでしょう。


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