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ともだち日記

あさ、雨音で起きる日がふえた。晴天でも太陽が差し込みづらい部屋で、1日の始まりを感じられない季節になったことを悟る。ただでさえ睡眠時間が長いからだは起きることを知らない。学校がテスト期間にはいったことで私は出勤する必要がなくなった。その喜びをかみしめ、ベットとずぶずぶな関係を築いている。長期休暇がない職にはもう戻れないかも、なんて考えながら携帯と夢の中をさまよう。そういえば9-17時形態の仕事にすら戻れそうになかった。

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ゆっくり過ごすことと疲れをとることはイコールにならない。朝どれだけ寝坊しようと、夜健全な時間に寝なければむしろ疲れはたまっていく。運動不足も同様で、体を動かすほうが疲れがとれるなんていう不思議な体の構造にした理由を教えてほしい。さすがにこのままではまずいと、夜更かしによる若干の寝不足を無視して毎週日曜日恒例のテニスに赴く。そのあと先輩とちょっとお茶。睡眠負債が与えるダメージは強烈で、まだ朝の10時すぎなのに体が悲鳴をあげているのが分かった。この後の予定は、親友との電話。お互いとくに報告したいことはなかったけれども、スケジュールの鬼である親友のおかげで海外に来てからもずっと定期連絡が続いている。本当は体のだるさがひどかったので寝たかったが、リスケもめんどくさい。近々タイミングが合うときに!なんてあいまいな予定は通用しない。スケジュールの鬼とタイミングがぴったり合うときなんて、海外旅行先でばったり友人に会うくらい奇跡的な事。家に帰る道中だが時間になったので電話をかける。いつもの明るい声が聞こえてきて自然と私の声も大きくなる。話し出したら体のだるさなんて忘れてしまい、最近の親友の状況やわたしの状況、身の回りの人間関係の最新情報なんかを脈絡もなく話し続ける。何せこの親友、保育園からの幼馴染。私の人生の人間関係ほとんどをしっている。だから説明なしにすべてが通じる。これは非常に楽である。そんなこんなで気づいたら2時間ほどたっていた。次の予定があったので、名残惜しさがありつつも電話をきる。疲労がすべて消え去っていることに気づいた。

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小学生までの人間関係は、性格を凌駕すると思う。気が合う合わないよりも、「習い事」「通学経路」「学区」「親同士の仲の良さ」などといった条件がどれほどかぶっているかで仲良し度がきまる。そこから長期的に関係が継続していくかは性格も関わってくるが、物心がついた以降だったら絶対に友達にならないような人とも友人関係が続く可能性が高い。かくいう私の親友も、わたしと正反対だ。辛い物好きなわたしと、こども舌の彼女。場面で動く派の私とスケジュールの鬼の彼女。家にずっといれないわたしと、家好きな彼女。ルーティンが嫌いなわたしと、ルーティン通りに進むのが好きな彼女。加えて好きな人の好みも絶対にかぶらない。私は圧倒的「花沢類」派だが、彼女は圧倒的「道明寺」派。私が「修二」が好きと言うと彼女は「彰」が好きと言う。「ひろと」推しの私と「せいじ」推しの彼女。全部理解できた人は同年代。流行りのMBTIだと私はESTPで彼女はISTJ。相性の順位でいうと最下位。嘘かと思うくらい真逆で話してて同意をもらえることがない。保育園の時に出会ってなければこんなに仲良くなってなかっただろうね、とよく言いあっている。そんな仲でも彼女はまごうことなく私の心を支える大きな柱の1つである。私がこの世界の全てを敵に回したときに、敵にならずにいてくれる存在であるなんて確信がある。味方になるとは言わない。そういうやつで、そういうところが親友たる所以だろう。

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親友って言葉が苦手なわたしから、親友のあなたへ。


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