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ブータン活動日記#10 ~3泊4日Dagala trekking後編~

先日初めて行ったトレッキングレポ後編です。
前編がまだの方はぜひ先にこちらを読んでください。

3日目

標高の高さと雑魚寝だったこともあり、眠りが浅い。寝袋から出たくない気持ちとぎりぎりまで葛藤し、いやいや起きて外に出るとそこには気持ちのいい朝が。

馬と朝日

昨日のガイドの様子を見て不安を抱えながらも、第3キャンプに向けて出発。予定時間は6時間。

このDagala trekkingコースは、Thousand lake trekkingと言われるくらい湖が多いことが見どころ。今日も今日とてガイドの「behind that」という言葉に惑わされながら進んでいくと、すぐに最初の湖がみえた。

1つ目の湖

想像よりも立派な湖に感動。ブータン人ガイド2人はここで五体投地のお祈りをしお香をたいていた。この先にまだいくつか湖があるということで、後ろ側に周りながら山を登っていく。

2つ目
3つ目

このほかにも、想像より多くの湖があった。thousandはなさそうだが笑。そしていったん湖ルートを抜け、今trekkingで一番標高が高いと思われる山へ。上るのはきついが、てっぺんからの景色はやはり絶景。標高を調べてみると4350mほど。想像よりちょっと低い?

ゆかいな仲間たち

ともかくここが一番高い地点なのだろうと納得し、キャンプサイト方向に歩き出す。すると、何やら不穏な空気が。ガイドたちがルートを迷っている。おやおや?と思いながらいったん私たちは休憩。ガイドの一人が山のてっぺんまで登りルートを確認。馬の足跡を探す。あんなスピードでてっぺんまで登れるなんて、すごい!山の男かっこいい!なんて思う心の余裕は私にはなく、今日時間ないのにここで迷っててつくのかな…とゆーかガイドがどのルートを選択しても信用できん…と疑心暗鬼におちいっていた。

そして戻ってきたガイドと落ち合い話を聞いたところ、逆方向だったらしい。信用できないが、ついていく以外に選択肢はない。すでに高くなっている心拍数をなだめながら反対方向にまた歩き出す。

たんたんと後をついていき、見えた先には先ほどよりももっと高そうな山。またもや「behind that」。うるせえ信用しねえぞ!その後ろにまた山があるんだろ!なんて心で悪態をつきながら(声にでてたかも)それでも淡々と登っていく。そして、再び山の頂上へ。

ルンタ(宗教的な旗)がかかっている岩がある

標高を測ってみると4500mほどあった。ここが今トレッキングで本当の最高地点であった。

反対側にはようやくなだらかな土地が

山を越えられ、あとは下りと平坦な道であることに安堵。だがしかしまだキャンプサイトは見えない。日暮れが心配になりながら下り、ようやくシェフと合流。シャフと合流できたことで方向はあっていると安堵。いったんおひるごはんでエネルギーチャージ。もう進むしかないと覚悟をきめ、淡々と淡々と。雪が少し残る道を滑りながら進み川をわたり人がひとり通れるくらいの山壁を登っていく。

景色がすごくきれいだったが、足元に気を張って写真を撮る余裕がない

そしてぎりぎり日暮れ前、ようやくキャンプサイトに到着。所要時間9時間。予定より3時間伸びた。

さすがにへとへとで、各自すぐに自分のテントを整えた。ごはんができるまでの間だけのんびりし、食後すぐに就寝。3日間で蓄積した疲労と鍛えられた野外就寝のおかげで朝までぐっすり眠れた。


4日目

ついに4日目。あとは山をくだるだけだったが、移動予定時間がこの旅の中で最長だったため早め早めに行動。ポーターと馬は別のショートカットルートで帰るためキャンプサイトで感謝とお別れを伝え、いざ出発!

出発からここで道あってる?みたいな藪の中を通ったり、トイレットペーパーコロコロ事件があったりとてんやわんやしたが、とても天気が良く幸先好調。まだ森林限界の高さにいるため遮るものがない景色は絶景だった。

山からの景色

最初のほうが登りも何度かあったが、前半に峠を越えた後はひたすら下り。

おそらくここが最後の峠だった

下りとなれば、気持ちは元気。予定できるだけ早く下山したかったので、結構なスピードで進んでいく。足も口も止まらず、気づいたら1時間、2時間と歩いている。途中、群れとはぐれてしまったのかぽつんとたたずむヤクにも会った。

ぽつんとヤク

標高が下がり森林限界が終わったことでだんだんと山道に。登りと比べてハイスピードだったが、歩いても歩いても終わりを感じられない。15時くらいになり、今どのへんなのか?と心配になる。(定期)
ガイドに、どのくらいかと聞いたところ最初通る予定のコースだったところは道が悪かったから別のコースに変更したとのこと。今それ言う?無事につけることを祈りながら淡々と。

森林道

長時間の下山とこれまでの疲労の蓄積で、足が思うように動かなくなってきた。ふくらはぎがパンパンで、力が入りにくい。できるだけ踏ん張らず体重移動だけでおりていく。途中で私の様子をみかねて休憩をいれペースを緩めてくれた。日暮れとそのあとの予定でみんな急いで焦っていたのに、なんと心の広い人たちなんだ…。そしてそこから1時間ほどあるいて、ついに到着!ついた先は小さな町の道路わきのようなところで、本当に登山ルートか?と疑ったが、何はともあれ着けたことの達成感がすごかった。

Tashi dele(ゾンカ語の祝の言葉)とかかれたケーキ

先に下山していたシェフとドライバーなどが出迎えてくれて、まさかのケーキが用意されていた!トレッキングの完走でケーキとは、なんともブータンらしい。笑 だが時間がなかったので急いでみんなで押込み急いで街へと帰る。バタバタとした最後だったのも面白かったな。

初トレッキングを終えて

初めてのトレッキングとしてはかなりハードだったが、感じるものがたくさんあった。

・いくら目の前に見える山が高くとも、一歩一歩淡々とペースを崩さず前に進んでいけば気づいたときに山頂にたどり着いている。人生も同様、自分のペースを崩さず目標に進んでいればいつか叶っているものなのだろう。(飛躍しすぎ?笑)

・静を感じるって、楽しい。集中が気持ちいい。登りで息が上がり話すこともできない状況で、ただ自分の体を前に進めるだけの作業。頭の中が空になり、風の冷たさと体の暑さのコントラストを感じているだけ。マインドフルネスになってる?

・携帯がなくても、人とのふれあいだけでこんなに楽しめる。一緒にトランプしたり、歩きながら話したり、時には無言で一緒に歩いている人の気配を感じたり。みんなが目の前のこと・人だけに耳を傾けコミュニケーションをとっている世界は心地よい。

今回のトレッキングメンバーは私にとって最高のメンバーで、初心者&末っ子の立場でたくさん甘えさせてもらった。初めて参加する場合はメンバーのトレッキング経験値や、気がおけない仲かどうかは注意したほうがよいだろう。きついこともあったがいい機会となったので、是非(ブータンでなくても)トレッキング経験してみてください。

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