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蓮村CEOと行く安積蒸溜所カスク会議2023

今年もこの季節に福島県の安積蒸留所でイベントを開催させていただけることとなりました。本日はそのご案内とイベントの趣旨を説明させていただきたく投稿いたします。

僕ら飲み手と蒸留所の関係ってどのようなものなんだろう?
昔からそんなことをよく考えて来ました。
一歩踏み込むなら、どんな関係が適切なのだろう?とも。

ウイスキーに関心を持ち始めた頃のことを思い出してみて下さい。僕らは酒屋さんに行って、それが蒸留所名なのかブランド名なのか商品名なのか、あるいは瓶詰業者の社名なのかも判別がつかない頃からウイスキーを飲んでたはず。

いやそれ以前、スコッチ・ウイスキーとバーボン・ウイスキーの違いも分からず、あるいはアイラ・ウイスキーとアイリッシュ・ウイスキーを混同してしまっているような頃から。

情報に触れることのハードルが低い時代になったと思う。もちろんそれは便利で素晴らしいことだと思う。知りたいことを知るために詳しい人を訪ねる必要もないし、専門書を買うまでもないような知識はインターネットで調べることもできる。

時間もお金も掛ける必要がなくなったのだ。

かつては不可解な識別コードのように思えたウイスキーのラベルたちは、時を経て知識を重ね生き生きと個別の個性を持つものと認識されるようになる。それは、ひとつのリアルを手に入れた証しでもあるだろう。

僕はそれを「消費者のリアル」と呼んでいる。

大切なことであるだろう。ウイスキーに限った話ではない。家電でも家具でも、あるいはそれがミネラル・ウォータであっても、モノの判別もできずに価値の識別もできずに買物をしない方が良いだろう。それがセオリーというものだ。

バーテンダーとして自分の仕事を振り返る時、僕は蒸留所を「上流にあるもの」と考えている。上流にあるから蒸留所なのだと。上流から川を下りウイスキーは僕らのところに流れてくる。

僕はその川の河口に働いている。そして、夜になると河口に集まる飲み手の皆さんに、川を下ってたどり着いたウイスキーの、その一杯の価値と意味を伝えながら愉しんでもらいたいと考えている。

上流と河口を繋ぐのは川である。船に乗り上流と河口を行き来する人たち。それが物流に携わる酒屋さん、インポーターさんということであるだろう。

僕が蒸留所を訪ねるのが好きなのは、それぞれの蒸留所にリアルがあるから。それは、酒屋の棚を眺めていて感じるリアルとも、バーのカウンターに腰掛けてグラスに鼻を突っ込みながら感じるリアルとも違う。それは「消費者のリアル」とは別次元の「愛好家のリアル」なのだと思っている。

今回は皆さんと一緒に船に乗り、上流に遡ってみませんか?というお誘いです。僕らは既に、酒屋でウイスキーを買うこと、バーでウイスキーを愉しむことが「日常」になってしまっているのではないだろうか?でも、僕らにとっての非日常の中にもリアルはある。

その場所で暮らす人、その蒸留所で働く人にとって、ウイスキーを造ることは日常なのだ。僕らにとっての非日常を日常として抱えて生きる人との出会いは、僕らにとっての日常に変化を与える。そしてまた、それまでと違った切り口でウイスキーを愉しめるようになる。

僕と一緒に舟に乗り、川を遡り上流に行ってみませんか?


さて、ここからは蓮村CEOから具体的な「ご案内」となります(笑)。

11月11日(土)
12:55 郡山駅前集合(西口タクシー乗り場付近)
13:40 イベント開始
17:30 イベント終了

郡山駅から蒸留所までの往復の移動はタクシーを使います。順番にご案内しますので相乗りにてお願いします。また、イベント終了後は郡山駅近くで希望者を募り二次会を行います。

もちろん、蒸留所では製造現場に足を踏み入れて見学をさせて頂きます。気軽なフリーテイスティングの時間もありますし、売店では蒸留所限定のウイスキーもお土産に買っていけるでしょう。

しかし、今回皆様が安積蒸留所を訪問する最大の任務は会議です。
弊社が開催する「追加熟成樽選定会議」に出席していただきます。

まずは会議の概要・目的からお伝えいたします。
この度、安積蒸留所の樽を1樽ご用意させていただきました。ノン・ピート、バーボン・バレルにて熟成5年目を迎えておりますが、新たな他の樽に詰め替えを行い追加熟成を重ねる方針を決定いたしました。

追加熟成樽の候補は5種をご用意。
安積ピーテッド2nd、ワイン樽(カベルネ)、サクラ樽2nd、ポートワイン樽2nd、アメリカンオーク新樽となります。

まずは熟成5年目を迎えた追加熟成前の原酒を、そして、追加熟成のために用意した樽で熟成された5種のサンプルを試飲していただき、出席者の皆様にご意見を伺おうというものです。

皆さんとの闊達な議論の上、追加熟成樽選定のの参考にさせていただきたいという趣旨です。

とは言え、大変恐縮ではございますが、蒸留所の製造責任者である黒羽には既にプランがあります。原酒をよく知り、追加熟成に関しても経験と知見があります。

皆様のご意見は丁寧に伺います。闊達な議論を望んでおります。素直に申し上げるなら「マーケットの思い」をぶつけていただければと考えております。ただ、多数決にてご意見を集約したとしても、最終的には黒羽に「拒否権を発動する権利がある」とご認識ください。

しかし、未来に目を向けてみてください。あなたの一言、あなたのその切り口が、弊社黒羽の心を揺さぶるかもしれません。今回の次には「次回」があるでしょう。その時、あなたの一言が世界を変えるかもしれません。

会議から得たフィードバックを現場に活かし、飲み手の顔もイメージできる安積蒸留所へと発展してもらいたいと考えております。

ご参加希望の方はX(Twitter)のモルト侍アカウントにDMをお送りください。
定員になり次第、ご応募を締め切らせて頂きます。
よろしくお願いします。

池袋ジェイズ・バー
店主:蓮村 元

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