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とりあえず、『サイコだけど大丈夫』さえ観ておけばたいていのことは大丈夫ってお話。


韓国ドラマ、なんとなく敬遠してる人、手上げて

たくさんいそうですね。
特に女性の皆さん、周りからやたらと薦められませんか?

「一回騙されたと思って観てみて!」
「観ないと損だよ!」
「冬ソナのイメージとは全然違うよ!」

もう耳タコですよね、実際。うるせえな観たけりゃ勝手に観るよってね。
ですが、だからこそ敢えて言います。


まじで、観た方が、いい。


そう断言できます。なぜなら自分も完全に食わず嫌いしていたから。
「韓国ドラマ=冬のソナタ」のイメージのまま、自分には合わないなあと思っていました。昔より映像とかがちゃちくないのはわかるけど、どうせコテコテのストーリー大袈裟な演技お涙頂戴なんでしょ?って思ってました。しかし韓国ドラマに完全にどっぷりハマった今は、はっきりと言いきれます。すべてその通りです。そしてそれら全てが、とんでもなく高水準なのです。

そんな韓国ドラマも、やはりとっつきにくさはあります。長いし。その中でも入門編におすすめなのは『梨泰院クラス』一択だったのですが、こちらもなかなか、いやかなり入門にいいかも?というのが今回のテーマである『サイコだけど大丈夫』なのです。では早速あらすじから見ていきましょう。

あらすじ

精神病院の保護士(看護師のようなヘルパーのような仕事)をしている小顔高身長どちゃくそイケメン、ムン・ガンテ。一緒に暮らす兄・サンテは自閉症スペクトラムであり、ガンテは自分の感情や欲望を捨て、兄や他人を優先して生きていた。
そこに現れたのが、美しさの極み乙女、コ・ムニョン(まじ美女)。売れっ子童話作家である彼女は、いわゆる"サイコパス"。欲しいものは必ず手に入れ、そのために他人の犠牲が出ることも厭わない。だがその実態は、他人の感情を感じ取ることができない、反社会性パーソナリティ障害。
そして二人が出会った出来事がきっかけで、ムニョンはサンテに執拗につきまといはじめる。自分の感情を抑え続けてきたサンテと、自分の感情のままに生きてきたムニョン。正反対すぎる二人は、激しくぶつかりながら、また周囲を大きく巻き込みながら、少しずつお互いを理解し、不器用ながらに関係を育んでいく。


見どころ

あらすじだけ見ると、よくある恋愛ドラマかな?と思いますよね。ですがそんな単純な物語ではないんです。実に多様な要素が盛り込まれ、それらが見事に共存している。それが近年の韓国ドラマの面白さの根底にある、脚本の良さだと思います。そしてこのドラマの特に大きな魅力はこの3つ。

  • 大団円すぎる、最高のストーリー展開

  • "サイコ"な大人たちのトラウマと成長

  • もうとにかく全員が愛おしい!!

それでは順を追って、このドラマの魅力に迫っていきましょう。

大団円すぎる、最高のストーリー展開

メインの3人 並んだ姿が愛おしい、、ムニョンかわいい、、

本作はガンテとムニョンの恋愛が物語の柱かと思いきや、そうではありません。本当の柱は、ガンテとサンテ、つまりムン兄弟の兄弟愛と、二人の成長です。そしてその柱を支えるように、恋愛や、患者たちとの交流といった要素が支柱として組み合わさっています。

ムン兄弟は、子どもの頃に衝撃的な体験をしています。そしてそれ以降、二人の時間は止まったまま。体は大きくなっても、中身はあの頃のまま、子どものままなのです。
そんな二人の止まった時間を動かしたのが、ムニョンとの出会いでした。ガンテを手に入れるため、兄弟二人きりの人生に強引に入り込んでいくムニョン。その強引さが、二人の硬くて厚い殻をこじ開けていきます。そしてそんな二人とぶつかっていくことで、ムニョンもまた成長していきます。

これ以上はさすがにネタバレになるので言及できませんが、ひとつ言っておきたいのは、必ず最後まで観てください・・・。自分は一回忙しすぎて途中でドロップアウトしたのですが、その時点と観終わってからの評価はもうほんと、雲泥の差です。今作の脚本のすごいところは、最後まで見た瞬間に本作の印象ががらっと変わるところで、最高の視聴体験を得られます。

"サイコ"な大人たちのトラウマと成長

患者たちとの交流で一番良かったのがこの回 とても印象に残ってます

本作の重要な要素の一つとして、「トラウマ」があります。ガンテは幼い頃の兄との出来事がトラウマで、自分を捨てて生きるようになってしまいました。兄のサンテもまた、少年時代に体験した衝撃的な出来事から、春になると蝶に追われる悪夢を見るように。その悪夢から逃げるため、兄弟は毎年引っ越しをしながら生きてきました。またムニョンも、母親に対する恐怖という根深いトラウマを持ち、自ら孤独を選択して生きてたのです。

彼らのトラウマの克服が本作の展開と大きく絡んでいるのですが、その克服のきっかけになるのは必ずしも3人の交流だけではなく、むしろ周囲の"サイコ"な大人たちとの関わりにこそあるのです。その主な舞台となるのが、ガンテが働く「OK精神病院」。そこに入院する精神患者たちも3人と同じようにトラウマを抱え、それが何かしらの症状に結びついてしまい、患者として入院を余儀なくされています。そんな彼らが起こすトラブルや騒動に巻き込まれたり、時には積極的に関わっていくたびに、患者たちは自らのトラウマと向き合っていき、3人もまたその姿から自分のトラウマと向き合うきっかけと勇気をもらうのです。

みんなそれぞれ、大小はあれども何かしらの「トラウマ」のようなものを持って生きていると思うのです。大多数の人はそれらとうまく付き合いながら生きていくのでしょうが、それがうまくできない不器用な大人たちもいる。本作はそんな大人たちへの救済の物語であり、現実の非情さと優しさを同時に見せてくれる、まさに大人に向けた「童話」である点が非常に魅力的なのです。

もうとにかく全員が愛おしい!!

キャストたちのオフショット 仲良さそうすぎて愛おしい、、

長々と書いてきましたが、このドラマ最大の魅力は、とにかく登場人物がみんな愛おしいこと!!!推しが決められないよ!!ほんとにもう!!!
そんな愛おしすぎる、「サイコ」の住民たちを一部ご紹介。

ムン・ガンテ

なんですかこの笑顔は、素敵か

本作の主人公である、高身長小顔超絶イケメン美男子。自閉症である兄・サンテの世話をしながら働くしっかり者に見えるが、自分を殺していきたせいでいわゆる「アダルト・チルドレン」になってしまっています。他人と必要以上に関わろうとせず、笑顔も常に作り笑いのため「ジョーカーみたい」と言われる始末。前半はそんなクールなところが魅力なのですが、ムニョンとの出会いから徐々に自分の感情と向き合い、素直になっていくガンテのかわいいことかわいいこと!!同性の僕でも彼の成長を見ているうちに「これが母性か・・・」と新たな自分の目覚めを感じざるを得ませんでした。頼り甲斐があるようでない、最高に愛すべき主人公です。

ムン・サンテ

一番泣かされました サンテオッパ大好き

ガンテの兄であり、自閉症スペクトラムを抱えている。蝶を見たり後頭部を触られたりするとパニックになってしまうものの、基本的には落ち着いていて、明るくおしゃべりな性格。生活面でのサポートを弟がしているため頼りないように思えるが、実は兄としての自覚が強く、ガンテは自分が支えるんだという思いが強い。泣ける。そして実際ガンテが精神的に追い込まれた時には、何度も支えになってあげている、頼れる兄貴。
特にムニョンと喧嘩する様子は本当に本当に本当に愛おしい。お互い一歩も引かず、子供のような喧嘩をする二人。しかしそのぶつかり合いが、お互いの距離を縮め、成長させていくのです。
そして何よりサンテ役を演じているオ・ジョンセさんの演技がまじで鬼。うますぎ。自分には自閉症の従姉妹がいるのですが、本当に違和感のない演技で驚きました。やはり障害のある方を演じる上で、製作陣もジョンセさんも相当に研究されたのだと思います。彼の演技には本当に泣かされまくりました。本作の一番の功労者は間違いなく彼ですね。

コ・ムニョン

最強

「絶世の美女」という言葉がこれほど似合う人がいるだろうか、いやいないだろう(懐かしの反語表現)。ただ本当にいないと思います。演じているのは、ソ・イェジ。なんですかこの顔面の美しさは。そしてこのスタイルのエグさは。ウエストなんてもうほんと細すぎて、本作が公開した当初はCG疑惑が出てたそうですよ。なに?整形だろ?だったらなんなんだってんでい。だったらなんだってんでい!!もし仮に整形だとして、どこかの誰か(医者)の手でこんなにも美しい御尊顔が生まれたのだとしたら、それはあなた、もうね、ノーベル平和賞ですよ。オバマですよ。たしかにこりゃあサイコだって大丈夫だよ。だってこんなにも美しいのだから!!!!

かわいいと美しいのハイブリッドエンジン エコです

とまあ美しさへの賛美はこのへんにしまして、キャラについて話しましょう。山奥のお城のような豪邸で生まれ育った、お嬢様。しかし人気小説家だった母の行方は知れず、建築家だった父は精神病院に入院中。そんな幼い頃から孤独に育ったムニョンは、反社会性パーソナリティ障害。興味のない他人の存在を軽視し、自分の欲望のままに突き進みます。そしてガンテと出会い、自分の暴走を止めてくれるストッパーとして、そして何より"きれいだから"彼が欲しくなり、とことん好き放題やり放題。しかしガンテはまったく彼女の思い通りにならない。

このカップルを超えてくるのはもうジョンとヨーコくらいだよ 世界平和的な意味で

なんとか彼を手に入れようと奮闘するうちに、気づけば振り回されているムニョンがもうかわいいったらないのですよ・・・。わがままの権化のような彼女も、ガンテの言うことだけは聞く。とても不満そうに。そんなの、可愛くないわけがないです。そしてムニョンのサイコっぷりが発揮させる「ガンテを傷つける奴はコ◯ス」スタンスも、一途すぎてもはやかわいい。そんな風に思われてみたい。手に負えなさを味わってみたい。
とにかく、終始かわいい、終始美しい。最高のヒロインなのでした。

ここからは3人を取り囲む最高な仲間たちを紹介。

ジェス

一途さがかわいいんだよなあ・・・。たまにすごくかまいたち山内さんに見えるけども

ガンテの自称親友。ガンテとサンテの引っ越しまくり人生にずっとついていく、ガンテのストーカー唯一の友人。いつもガンテからむげに扱われることで不貞腐れている上に、ムニョンの存在によってさらにガンテが遠のき、異様な対抗心を燃やす。そう、これはもうもはや恋なのです。でも恋と友情って、グラデーションだと思うんですよ。そのどちらとも言えない感情でのガンテに対する無償の優しさが本当に好き。いつだって味方で、いつだってそばにいて、いつだってガンテの幸せを願っている。こんな親友、いたらいいなあと、観ながらずっと思ってました。

ジュリ

なんだこの透明感は。雪肌精やん。

ガンテに片思いをしている、「OK精神病院」の看護師。母と二人暮らし、おしゃれも性格も素朴な彼女は、ガンテにずっと片思いをしています。なかなかアプローチできずにもどかしい期間を過ごしているうちに、幼馴染でもあるムニョンが突然現れてガンテを奪っていくのですから、ずっとおとなしかった彼女ももう黙ってはいられません。ただ悪い子になれない彼女は、お酒の力を借りて、本音という名の悪態をつきまくるのです。その姿がまぁぁぁあああかわいい。てかまず普通に可愛すぎないですか?リアルに男子が一番惚れるタイプってこういう子ですよね。透明感の権化みたいな。

恋敵であるムニョンに邪魔され、泣いちゃうジュリ。かわいい。ガンテめ・・・。

そんな彼女の恋路も途中から大きく動いていきます。思わぬ形で。その姿がまた最強にかわいい。ムニョン派かジュリ派か、男子はきっぱり別れるんじゃないかなあ。皆さんはどっち派ですか?

イ・サンイン

普通にイケオジなのに、とにかく情けない。けど、表情にも優しさが滲み出てる。

もっと重要な登場人物もいるのですが、愛おしさランキングではかなり上位にランクイン。だって愛おしいんですもん。そんな彼は、ムニョンが絵本を出版している出版社の社長。ムニョンが問題を起こすたびに、お金さまざまな方法を使って問題を収拾、彼女を支えてきました。しかしある事件から会社は絶望的な状況に。ムニョンになんとか新作を書いてもらうべく、つきまといながら悪戦苦闘しています。
しかし彼は誰よりも長くムニョンを見てきた人物であり、あくまでビジネスの関係とはいえ、どうしても彼女がほっとけないのです。そこに彼の優しさが滲み出ていて、情けなくて粘着質でいけすかない金の亡者だった彼の印象は、物語が進むごとにどんどん変わっていきます。優しい男って、やっぱいいですよね。

観ない理由が見つからない

3人で撮った写真 この写真の持つ意味は、本編を観てのお楽しみ

さまざまな角度から本作の魅力を語ってきましたが、脚本良し、ビジュアル良し、演技良し、テーマ良しと、とにかく観ない理由が見つからないんですよね。そして最後にもう一つだけ本作の魅力を語りますと、いろんな要素が満遍なく散りばめられているので、おすすめできない人がいないんですよね。恋愛が好きな人、サスペンスが好きな人、ハートフルな物語が好きな人、コメディが好きな人。いろんな視聴者のいろんな欲求を満たしてくれる本作。是非、Netflixにすでにお入りの方は必ず、まだの方はこれを機に必ず加入して、幸せな気持ちに包まれてください(本作はNetflixオリジナル作品です)。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
またお会いしましょう、さようなら。

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