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今年も「デング熱」の患者が増えてます

マレーシアは熱帯にあるため、各種の熱帯病や風土病があります。
その中でも、毎年のように多くの患者が出るのが「デング熱」です。
マレーシアでは「デンギ(Dengue)」と呼ばれていて、毎年3万人以上の患者が出ています。

235%の増加‼

先日マレーシアの保健省が発表した調査によると、今年は6月10日までに、すでに67,775件の症例が記録されていて、症例数は去年と比べると235.6%の大幅増を記録しているようです。
2024年は、デング熱関連で死亡した人はこれまでに48人で、去年の同時期の37人と比べても増加しています。
マレーシアの保健省からは、デング熱に引き続き注意するようにと通達も出ています。

数年前には日本でも

数年前には、日本でも、実に70年ぶりに患者が出て、「デング熱」は有名になりましたね。
マレーシアではほぼ1年中患者が出ていて、熱帯病の1つで、マレーシアの風土病です。

デング熱とは?

デング熱とは、ネッタイシマカやヒトスジシマカに媒介されるウイルス性の感染症で、蚊の吸血活動を通じて、ウイルスが人から人へ伝染します。
マレーシアでは、蚊が発生しやすい雨季に患者が増加します。
黄熱病や日本脳炎、マラリアもカを媒介とするウイルス性の疾患です。

デング熱では、ウイルスを持つ蚊に刺されてから、3~14日程度の潜伏期間を経て、デング熱を発症します。
主な症状としては、発熱や頭痛、吐き気、おう吐、全身の筋肉痛、発疹などがあります。
デング熱の高熱は、38~40度にも達し、発症後2回くるといわれています。
重症化率は1%未満と低いですが、経験者に聞くと、コロナよりも全然きつく、デング熱を2回発症すると、重篤化するリスクが高いと言われています。

フォギング

私の住んでいるコンドミニアムでは、2週間に1回ほど、「フォギング」と呼ばれる薬の散布が行われます。
コンドミニアムや管理がしっかりした住宅地などでは、定期的に薬が散布され、ものすごい煙が周囲全体を真っ白く覆います…
これは、マレーシアやシンガポールでは一般的な蚊の対策方法で、薬剤としては、マレーシアでは主に菊から精製したピレスロイドが使われているようです。この薬剤は、人には害を及ぼしません。

対策を怠ると罰金も…

デング熱の予防方法としては、現在のところ、ウイルスを媒介する蚊に刺されないように身を守るしかありません。
蚊は水がたまった所に産卵するため、庭やベランダなどに、水がたまるような物を放置しないことが、重要な予防策です。
私が以前住んでいたシンガポールでは、チェックをする地域の係員が定期的に家庭を訪問し、この対策を怠っていると、罰金が科されました。

デング熱ワクチンが承認

先日、武田薬品工業のデング熱用のワクチン「キューデンガ(QDENGA)」が、マレーシアで承認され、販売を開始したというニュースが流れました。デング熱ワクチンとしてはマレーシア初となります。
SNSを見ると、すでに接種を受けている日本人の方も見受けられます。
かなり高価ですが、重症化を抑えることができるので、徐々に接種者も増えていくでしょう。

しっかりと予防しましょう!

夏休みも近づいており、これから多くの方がマレーシアを訪れるでしょう。
マレーシアに滞在される時には、夜間はできるだけ、長袖や長ズボンを着用し、露出している皮膚には、虫除けスプレーを使用した方がいいでしょう。

デング熱は正しく対処すれば、決して恐ろしい病気ではありません。
しかし、マレーシアでは毎年多くの患者が出ており、今年は例年よりも多くの症例が記録されています。
正しく恐れて、予防することが重要です。

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