ショーロク!! 6月後半ー3

3.見よ!これがシコシコだ!!

 モリは意を決したような表情で、まだ湯船でのんびりとしている清川のもとへズンズン進んで行った。

 「きーよちゃん」
 モリはそう言って、清川の真正面に座り湯船につかった。

 えらく真剣な顔で清川を見つめている。

 「な、なに・・・?」
 清川は明らかに動揺して後ずさっている。
 それはいいのだが、何でこいつは右手で胸をおさえて、左手で股間をおさえているんだろうか・・・

 「・・・え、だ、だから何!?」
 清川は物を言わないモリをだんだん恐怖に感じてきたようだ。
 助けを求めるようにオレたちを振り返った。

 オレたちもモリが何をしたがっているのか分からなかったが、とりあえず清川が困っている姿はなかなか面白いのでヘラヘラと笑っていた。

 すると、モリは不意に清川の顔面をつかみ、一気に自分の顔面をそれに押しつけた。強制的なキスである。

 清川は、ぶぎゃらああ!とよく分からない叫び声を上げたが、モリに離された後はぐったりとして湯船に浮かぶ水死体のようになっていた。
 口がブツブツと念仏を唱えるように動いていたが、たぶん「来るんじゃなかった、来るんじゃなかった・・・」と繰り返していたんだろう。

 そんな清川を完全に無視してモリが湯船を飛び出して叫んだ。
 「よっしゃあ!完全ボッキや!!」

 見ると、モリのチンポはギンギンに立っていた。あと、これも後日知ったのだが、勃起というのがチンポが立つということで、漢字も「勃つ」の方がいいということだった。確かに「立つ」より「勃つ」の方が強そうだ、うん、男らしい!早速試してみよう。

 モリのチンポはギンギンに勃った!
 おお、何かしっくり来た。

 それにしても皮なしのチンポはこうやって勃ったところを見ると、肉食獣みたいでなかなか格好良かった。

 「清川ってマジで女みたいな顔してるよな、普通に興奮するで」
 モリが清川を誘った理由が分かったが、まさかキスまでするとは思っていなかった。
 後日語ったところだと、モリ自身そんなつもりはなかったらしいが、清川を見ていると我慢できなくなったのだそうだ。恐るべきはモリか清川か。

 そんなことはさておき、いよいよシコシコの実演である。オレはモリのチンポに視線を集中させた。

 「こうやって、チンポの先を手のひらで包むやろ」
 モリはそう言って大きくなったチンポを右手で包み込んだ。
 「ほんでシコシコってやんねん」
 相変わらず説明は下手クソだったが、実演が入っていたので今度はよく分かった。

 要するに包んだ手のひらを上下運動させることをいうのだろう。そのとき皮をむいた先の部分(亀頭というのはだいぶ後になって知った)を入念にしごくとなおよいとのことだった。シコシコと形容される行為の通り、確かに今にもシコシコという音が聞こえてきそうな気がした。
 モリはその状態で湯船を出て体洗い場の鏡の前に仁王立ちになると、目をつぶってシコシコを続けた。

 3分位経っただろうか、モリの手の動きが急に早くなりチンポが何となく真っ赤に膨らみだしたように見えてきた。
 「もうすぐ出るで、出るで」

 何や?何のことや?と、言いたかったが、オレは口をあわわとさせるだけで、何も言えなかった。後ろにいたキタンが「精子が出んねん」と教えてくれた。

 ほぼそれと同時にモリのチンポの先からドバッと白い液体が飛び出して、体洗い場の鏡にへばりついた。液体のくせにスライムみたいに粘り気があったので物体のようにも見えた。

 「うおおお、気持ちよかった~」
 モリはシャワーでチンポを冷やしつつオレたちの方を向いて言った。

 「これがシコシコやねん、やってみる?」
 すると、さっきまで暗い表情だったサトチンが、急に明るくなってモリに近づいて言った。

 「その白いのん、病気ちゃうん?」
 「は?違うに決まってるやん」
 「何回も出せるもんなん?」
 「うん、まあ1日5回以上やったらちょっとチンポ痛いで」
 「何や、じゃあオレもうシコシコやってたわ!!」
 「・・・ええっ!!」
 最後の叫び声はオレである。

 話を聞いてみると、サトチンはモリの家でチンポを擦って痛い目に遭ったものの、自分の家に帰って再び挑戦したらしいのだ。痛さに耐えて擦っているとチンポが勃起してきたようで、そのまま擦り続け5分位経ったときに、自分の意志ではなくいきなり体に電気みたいなものが走って、先ほどの白い液(まあ精子なわけだが)が飛び出してきたとのことだった。
 気持ちいい悪いというより、自分のチンポから小便以外の「何か」が出てしまったことに衝撃を受け、自分は悪い病気になってしまったと思ったのだという。

 「いやあ、神様が罰を与えたんかと思って焦ったわ」
 すっかり元気を取り戻したサトチンがニコニコして言う。
 こいつの暗い表情の原因は、どうやらそれだったらしい。

 「てことは、こん中でシコシコ知らんの横っちだけちゃうん?」
 キタンがからかうようにオレを覗き込んだ。

 「何でやねん、清川もやないか」と、オレは苦しい仲間探しをした。
 「あいつを数に入れるか」笑いながらキタンがさらにオレをからかう。

 それ以上にショックだったのは、正気を取り戻して、全精力を使ってうがいをしている清川がボソッと「ボク、したことあるよ」とつぶやいたことだった。

 オレたちの頭の上でチーンという仏壇の鐘のような音が鳴った気がしたが、そんなことはどうだっていい。オレがこいつらに遅れをとっているということが危機的な問題だ。

 「よし!今からやるど!」
 オレは鼻息荒く、目を閉じて女の裸を想像した。

いつか投稿がたまったら電子書籍化したいなあ。どなたかにイラストか題字など提供していただけたら、めちゃくちゃ嬉しいな。note始めてよかったって思いたい!!