外苑の銀杏並木で同じ構図で写真撮る人たちを冷めた目で見た私が考え直したこと

外苑前に紅葉を観に行ったときのことです。

丁度その日がJ1昇格マッチのためジェフ千葉とヴェルディとの対戦ということもありまして信濃町の駅は人だらけでして。

凄い人だったんですよ。
ただ、それが分かってあーなるほどとなりました。

近くの町中華に並んで、1時ごろに外苑に到着しました。
信濃町の混雑は国立競技場だけが原因じゃなかったんです。

まぁそれは凄かったです。

銀杏並木がなかなか進まない程の人が大挙していました。1時くらいですからね、ピークタイムではないんですよ。

世の中にこんなに人って居るんだ。

地方から出てきた方が渋谷のスクランブル交差点を見るとそう思うそうですが、川崎で育った私が観てもこれに関してはそう思いました。

でね。
今日私が話したいのは銀杏並木の人出のことではないんですよ。

皆、写真撮ってるんですよね。
同じ構図で。

銀杏並木の下で体をちょい半身にして。
アゴ引いて口角上げて。
目を見開いて。

そして手元には、銀杏が同じ角度で。

待て待て待て。

今よく言われている「自分らしさ」はどこに行ったんだ。
個性が大事。

2023年って、そういう時代じゃないの？

繰り広げられる、全員同じポーズ。
そして、大渋滞。

こういう観光地に、シーズン合わせて行ったことが無かったのでとにかく驚きました。

そんなにみんないいねが欲しいのか。
これではいいねの奴隷ではないか。

世の中で言われるようになった綺麗な理想はここには全く存在しない。

ゆたぽんだったらここに居る全員がロボットだと糾弾し、登校拒否してYoutuberになるレベルの光景ではないか。

しかも。
これがね。

人種全然関係ないんですよ。
来ている人の半分くらい、いやそれ以上外国人なんですね。

どう表現していいか分からなくなってしまいました。さすがにこれを見ると、皮肉というレベルで処理できなくなります。

逆に言えば、世界中の人が同じ写真を同じ構図で取り続けているのだとすると、もしかするとそれは私の方がズレているのかもしれない。

恐らくあの場では少数派であろう私はそんな風に考えました。

皆同じ写真を同じように撮るとしたら、それが普通。一旦そう捉えることでこの仮説を進めてみよう。

私が若い人をこの理由で責めたとしたら、反発しかないでしょうね。何故なら、それが普通だからです。

普通だと捉えていることを普通ではないと言われたら、そりゃ反発はあるでしょう。私が書いているものをおかしいと言われたら頭にくるのと同じことです。

やっぱりね、それって良くないことなんですよ。
よし、この考え方が大事なんだ。

で。
私にとって銀杏並木でする自然な範囲のアクションは何か。

綺麗な銀杏並木を撮影することです。

じゃあ、銀杏並木の一番きれいなところを同じ構図で撮影したとしたら、それは個性が無い、自分らしさが無いかと考えます。

別にそうでもないんですよね。

例えば富士山を見て感動した人がそれを撮影することって自然じゃないですか。綺麗なものを観たら、一番いいアングルで撮りたい。

そりゃそうなりますよ。
そう考えたら、写真を撮ること自体自然なんですね。

ここから先は私の感性には無いことなので、あとはこの仮説に基づき飲み込むことになるんですけど。

同じポーズ、同じ構図で写真を撮るということも、綺麗な景色をベストアングルで撮ることに含まれてくるんじゃないかな？って思ったんです。

よく考えたらね、観光地で記念撮影なんて昔からやっているんですよ。むしろ記念撮影って年齢層上の人たちの方がやっているイメージです。

それを若い人が違う形でやっているからって、わざわざしたり顔で言うのもまたどうなんだろう。

なるほど。

これは捉え方として一般的ではないかもしれないけど、今の自分の解釈としては納得感がある。

少し時間が経てば更に違う解釈も生まれるかもしれないし、やっぱり皮肉サイドに戻るかもしれないですけど。

ただ。
凄く大事なのって、一度は理解してみようって考えることじゃないかなって思いました。

年齢層が違っても、多くの人がやっていることだと考えると、そこには普遍的な何かがある可能性も考えられる。

であれば、いきなり批判したって何も始まらない。単に対立するだけってことになるのかなって。

何か批判的な見解になった時は、立ち止まってみよう。
そして相手の側に立って考えてみよう。

え？
私ですか？

銀杏を持ってアゴ引いて写真撮らないですよ。
私がそれやったら痛いおじさんですから。