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他のキャラものと一緒にしてはいけない「ねこぺん日和」の独自すぎる魅力の話

三十代後半でねこぺん日和にはまってしまった

いい歳をして「ねこぺん日和」というキャラものにハマってしまいました。

元はと言えば嫁さんと住むようになってから、嫁さんが使っているLINEのスタンプが妙に面白くて無料だったこともあって私も使い始めたというのがきっかけだったのですが、今ではどちらかと言うと私の方が積極的に使っております。

こんなやつ

ねことぺんぎんが平和な村でほのぼのと生活する様をスタンプ化したもので、好評だったことからLINEの公式でも販売するようになり、本やグッズも出てしまうような人気が出るほどの存在になったわけなのですが、同じような立ち位置のうさまる辺りと比べるとなかなかブレイクまで至らない。

私としてはすごく好きで、もっと多くの人の目に留まってほしいと思いながらも、もしそうなってしまったらみんなのものになってしまうし、だったら今くらいの方が色々とグッズも買いやすくてちょうどいいんじゃないのかな?と思いつつも、他のキャラものよりも個人的には好きなので今の立ち位置が悔しい部分がある訳です。

あと、これはねこぺん日和が好きな立場でしか言えないことだと思うのですが、ねこぺん日和はいわゆる普通のキャラものとは一線を画すところが多いのです。

ミッフィーなどと並列に見ると色々と面食らいます。ただ、その面食らうところをひっくるめてねこぺん日和の世界になっていて、おもしろくも心温まることになる訳なんですよ。

なので今回は「ねこぺん日和のここがすごい!」という特集を組みました。

ねこぺんの世界は現実世界に近いところでやさしさに包まれている

キャラものってそのキャラクターそのもの、造形が可愛かったり、ほのぼのしたりということで支持をされることが殆どだと思っています。

つまり、絵を見てどれだけ愛でられるか?ということが勝負なのではないかと解釈しています。だから私のようなおじさんからするとキャラものにそこまで惹かれるという経験をしたことが無かったように思います。

ただ、この「ねこぺん日和」というのはLINEのスタンプもそうなのですが、作者のもじじさんがSNSでねこの「ねこくん」とぺんぎんの「ぺんちゃん」が織りなすストーリーや日常の一コマをイラストにしたり漫画にしていて、そこで垣間見えるねこくんとぺんちゃん、そしてその世界のやさしさに惹かれることになります。

例えばこれ。

タイトル:だれかが りふじんな きみのわるくちをいったなら

どこのキャラものの世界で心無い悪口を言われることがあるでしょうか。でも、こういう状況に瀕した時にねこくんとぺんちゃんがどうするかが描かれます。

これは可愛いイラストを描くだけでは対峙できないもんですね。ただ、もじじさんはねこぺん村の流儀で人間界の悲しい現実を包み込んでくれるわけです。

ねこくんは悪口を言われて泣いているぺんちゃんに「ぼくはぺんちゃんのいいトコたくさん言うよ」と声を掛けます。

こんなやさしさがあったらいいなぁと思います。これ泥酔してこのイラスト見たら泣いちゃいますよおじさんは。それくらいおじさんとして生きると心が荒んでいるときがありますが、ねこぺんはちゃんと救ってくれるのです。

キャラものの世界って本来は現実逃避するためのものだと思うんですが、ねこぺん村で起きることは案外リアルが近くにあって、自分たちが感情移入しやすい状況を作ったうえでねこぺん達だったらどうするかが描かれます。

弱っているとき、疲れているときにねこぺんって響きやすいんですよ。多分やさしい世界であることもそうなんですけど、優しい世界でありながらも案外現実世界に近しいところもあるからこそおじさんが見てもすーっと入ってくるんじゃないかと思うんですよね。

「ぺんちゃん」の持つ革新性について

ねこぺん日和の持つ大きな魅力としてねこくんとぺんちゃんという二つのキャラクターの愛らしさがあるのですが、今回特に説明したいのは「ぺんちゃん」の方です。

今一度ぺんちゃんのイラストを見てみましょう。

ぺんちゃんって見ての通りコウテイペンギンのヒナをキャラクター化したものなのですが、最近こんなペンギンのキャラもの商品って多く見かけると思いませんか?

こういうのとか



こういうのとか。

実はねこぺん日和自体は2014年から存在しているのですが、ぺんちゃんは試行錯誤あって最初からこのイラストだったわけではないんです。

大体イラストとして落ち着いたのが2016年くらいなのかなと思いますが、これ以降に登場する別の会社やイラストレーターが用いるペンギンモチーフのイラストの多くがぺんちゃんを模したものになっているんです。

もじじさんが世界で初めてこのペンギンデザインを作ったかどうかまでは分かりませんが、少なくともペンギンのキャラデザインのひな形を作り上げて、多くの方がそれに倣ったものを使っているという意味で凄いことだと思っています。

我が家では全く意識せずに購入した100円均一のジップロックとか、エコバッグとか、Tシャツとか、ねこぺん日和全く関係のないところで購入したものの中に何故かぺんちゃんに近しいデザインを見つける機会がとても多く、とにかくビックリさせられます。

なお先ほどヤフーで「ペンギン イラスト」と検索したところ、とんでもないことになっています。

見ての通り、半分くらいぺんちゃんに近いのです。これはもじじさんのデザインセンスの賜物ではないかと個人的には勝手に思っています。

ふとした時に出てくる突拍子もない設定が面白い

例えばこれ。

肉まん

ねこくんの耳がきゅっとなって、肉まんみたいになっています。

これは元々ぺんちゃんが蝶ネクタイをねこくんに渡すエピソードの中で、蝶ネクタイで耳同士を縛り付けてしまった結果ねこくんの頭が肉まんみたいになってしまう。

そんなエピソードが単行本の中に収録されているのですがこれが好評だったらしく、食べ物が美味しかったり頭がキーンとなったりはたまたショックを受けた時に肉まんになってしまうというものです。

この肉まん化したねこくんがとってもいいんですよね。
楽しそうにも切なそうにも見える。

こんな猫なんて居ないじゃないですか。
そもそもなんだよ肉まんって。

正直なところ自分でも書きながら意味わかんないんですけど、イラストとねこぺんのマジックで肉まんすらアリになってしまう。

こういうのがほかにもいろいろあるんです。
例えば段ボール工作。

こうきゅうなくるま

ねこぺんの世界で出てくる車は何故か段ボールです。

基本的にぺんちゃんが運転しますが、握っているハンドルはドーナツなんだそうです。もう意味わかんないですよね。段ボールの車なんて動くわけないじゃないですか。

普通こういう設定って読んでいてノイズになるんですよ。アイドルがこりん星(実際は千葉県)から来ただのジャガー星(実際は千葉県)から来ただの言われると面倒ですもんね。もういいよお前ってなりがちだと思うんです。

ただ、これは作者のもじじさんの計算なのか、それとも何となく書いてみたら案外フィットするのか、こういう妙な設定が全てフィットしちゃうし、受け入れられてしまう。これすごいと思うんですよ。

他にもこういう訳の分からない設定って色々あります。

村の近くにある火山から小さい星が出てきて、それをキャッチできるとか、ねこくんがヘッドフォン付ける時は耳に並行に付けたりとか、ぺんちゃんがいつもくまのぬいぐるみを持っていたりとか。

ただそういう全てをひっくるめてねこぺん日和で、味わいになっている。普通味わいに至らないですからね。ノイズにしかならん筈ですよ。

ねこぺん日和はもっと評価されてほしい

考えてみるとうさまるとか、コウペンちゃんとか、最近ねこぺんに近しい立ち位置から世に羽ばたいているものがいくつかあるように思います。

ただねこぺん日和って企業コラボとか多い割に語っている人が少ないし、イラストや世界観を愛でることはあっても「何故素晴らしいのか」という考察をしている人はあまり居ないように思います。

だからどうしても他のキャラものと同列で捉えられてしまい、その領域から更に一歩踏み出せずにいるのかもしれないと感じています。

正直なところ41歳のおじさんにとって他のキャラものを全て受け止めたうえでねこぺん日和のどこが素晴らしいか?ということまで分析することは出来ません。そんなおじさん気持ち悪いですからね。

今この記事を書いている時点でちょっとどうかと思っている自分も居ますが、どうせだったら自分が好きなものの良さを知ってほしいし、良さの根底にあるものを言葉で表現出来たら伝わりやすくていいじゃないですか。

恐らく一人に一つのねこぺんの魅力ってあると思うんです。ツイッターでもねこぺん日和が好きな方がハッシュタグ付けて語っているのを見ると「なるほど、そんな感じ方もあるのか」と気づかされてます。それでも量としては少ないんですけどね。

だから、恐らく私が今挙げたものが全てではないんですよ。

ということで、もっと多くの方がnoteやSNS、そしてYoutubeのような動画でもフランクに語ってくれたらうれしいなぁと思うのです。

恐らくそれくらい多くの方がねこぺん日和について様々な視点から魅力を語った時により多くの方がそれぞれの視点からはまっていくことになる。

この投稿が一つのきっかけになってくれることを祈っています。あ、でもグッズが買いにくくなったら嫌だなぁ。

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