『ハートドリブン』を読んで。

アカツキ創業者である塩田元規氏の『ハートドリブン』を読んで、個人的に心に残ったことをここに書き残しておきたいと思います。

リーダーは自分の宝物を思い出そう

(本書より抜粋)
プロジェクトリーダーや経営者、何かを始めたい人は、自分の心に従う勇気を持つことがスタートだ。人によって共感することは違う。みんなに好かれようとする必要はない。でも、自分の本心でスタートする必要はある。それが、共感を呼ぶからだ。

ワクワクとかドキドキとか、子供っぽいと言われるような青臭いこと。大人になって切り離してきた、麻痺させてきた自分の心を大切にしよう。説明できる建前じゃなくていい。理解されなくても、自分の宝物を思い出そう。

子供のようなワクワク感を取り戻していく。それが人が集まる会社・プロジェクトを生み出す。だから、感情や心がビジネスの成功の鍵になるんだ。

リーダーシップの本質は「リーダーの魅力」だと信じています。

リーダー自身に魅力があって、リーダー自身がワクワクしていて、楽しもうとしている。だから周りが「リーダーが楽しそうにしている、なんだろう」と少しずつ人が寄ってくるんだと思います。

まずは自分が熱狂していないと、周りを熱狂されることはできません。そのためにはどんどん自己開示して、楽しいことや辛いことをみんなと共有できる人が、これからのリーダー像になるはずです。

幸せ企業の経営者が教えてくれた、一番大切なこと

(本書より抜粋)
「ビジネスモデルや事業内容はいつ関わる。なぜならお客さまの求めるものも変わってくるからだ。でも変わらないことは、企業っていうのは人が全てだっていうことだ。いい会社にはその会社の文化がある。哲学や信念がある。それを社員と共有している。そして社員は働くことを楽しんでいる。そこにはいい雰囲気が流れるんだ。会社を測る時は、目に見えやすいビジネスモデルや数字じゃなくて、雰囲気などの目に見えないものが一番大切なんだ。経営者の仕事は、目に見えないものに気づき、それを育める環境を作ることだよ

良いプロダクトを作ることが事業の鉄則だと思いますが、1つのプロダクトで戦うには変化が多すぎる時代となりました。私の会社(求人サービス業)も1つのプロダクトでもうすぐ50年となりますが、これでもよく持っている方だと思います。

しかしこれからの時代はプロダクトだけではダメで、雰囲気や気配、を感じ取り(センスともいうかな?)、育める経営が必要になります。

でもセンスは先天的なものではなく、経験や知識から蓄積された集合体であるため、絶対に後天的なものであると思います。そして、経営にはマーケティングが絶対に必要です。詳細は以下の記事でも語られている通り。

自分の本当の姿を明らかにする旅

(本書より抜粋)
『ティール組織』には、「人生の目的は、成功したり誰かから承認されることじゃなく、『自分の本当の姿を明らかにする旅』だと捉える。本当の姿を表現し、自分らしい自分になるまで生き、才能や使命を尊重し、この世界に貢献すること。その個人的、集団的なプロセスだと捉えている」と書かれている。

まさに、僕の旅は、本当の自分の姿に出会っていく旅だったと思う。楽な旅じゃなかった。そこにはたくさんの罠と、進化を阻むモンスターがいた。モンスターや罠に対する理解がないと、歩けなくなる時がくるかもしれない。旅を続ける気力がなくなってしまう時がくるかもしれない。

承認欲求の最上級は自己実現とされているいますが、まさにそれ。他人がどうとかではなく、自分の本当の姿・なりたい姿になる、そしてその姿で他者の役に立つ、というのが人生の目的だと思います。

そして僕はそれを「自立」と呼んでいます。

素晴らしい人生を阻む四つの罠

(本書より抜粋)

人生の成功への道には四つの罠が存在していることも書かれている。それは、キャリアへの固執、BSO(Bright Shiny Object)への憧れ、コンピテンスの誘惑、そしてOR(オア)の呪縛、の四つだ。

キャリアへの固執とは、ワクワクすることは、キャリア形成の役に立たないという考えだ。ワクワクはお金にならないという声だ。

(中略)

BSOとは、まさに偽ダイヤのことだ。明るく輝いているように見えるもの。たとえば、高級車、名声や権力、自分は他の人よりすごいということを示すあらゆるコンテンツだ。誰かよりもすごいということを証明するものは、手に入れた一時は満足感を得るが、世界にはもっとコンテンツを持っている人がいる。だから、常に劣等感を抱え、人と比較するレースから抜けられなくなる。

コンピテンスの誘惑は、人間は合理化しようとする生来の癖があり、他人が設定した目標ですら合理化してしまうことだ。

そして、ORの呪縛は、どちらかしか選べないという思考だ。自分自身の夢を追うのか、それとも(OR)周りの人たちを喜ばせるのか、というトレードオフの概念の中にいることだ。ビジョナリーな人々はORの呪縛を乗り越えて、ANDを考える。自分もワクワクしながら、周りの人の力にもなる道を選択する。

「誰かのための自己実現」が1番情けないし、何よりも悲しい。なぜなら、他人に見られていなければがんばれない、ということだからです。

他人からの視線や承認がモチベーションになっている時点で成長は遅くなります。モチベーションが高まる「時」を待っていては遅い。モチベーションを追い越すスピードで成長したい!と思っています。

Whyからスタートする、カラフルキャンバスという経営管理法

(本書より抜粋)

これからの時代は、今まで以上に、意義(Why)が全ての中心になる。競争戦略をたくさん考えるより前に、Whyをクリアにして、Whyをどう伝えるかを考えたほうが、圧倒的に価値がある。

(中略)

アカツキにはカラフルキャンバスというプロジェクト管理の仕組みが存在していて、プロジェクトをスタートする時に答えるべき問いが用意されている。僕らはその問いを「Great Question」と呼んでいるが、その中の最も大切な問いが、このプロジェクトをなぜやるのか=Whyについてだ。

「何をしたか・どうやってしたか」ではなく、「なぜしたのか」。

これは自分が1年を振り返るときや、1つの事業を成したときに考えるときに癖付けしています。手法はなんでもいい、最適なものを選べばいいので。本当に大事なのは「どうしてそれに心を動かされたのか?その時に自分がどんな感情だったのか?」です。感情を大事にすることがWhyの問いだと思います。

無駄・無価値・無邪気な余白の時間を作る

(本書より抜粋)

これからの時代無駄なことも価値を持つ。僕は、大切なものを三つの“無”で表現している。“無駄・無価値・無邪気”なことだ。

(中略)

合理的には説明できないことかもしれない。でも、ワクワクする、なんか面白いということがファンを作る。これからの時代、「意味あるんですか?」と切り捨てられていたものに価値が宿る。無駄で無価値と言われていたけど、無邪気に楽しめること、そういうものが目に見えない価値になる。感情価値を作る。

僕もまだあまり言語化できていないのですが、価値というのは時間軸によって大きく変わると思います。ある時は無駄・無価値な時間と思っていたけど、1年後に「あの時間があったから今がある」みたいに、価値が大きくなることがあります。なので、その一時だけで判断できないのが価値・無価値なのだと。

そして無邪気、これは最強だと思います。特に息子を見ていればわかります。無邪気に一途に没頭している時間が「好き」をつくるのだと思います。これは子ども・大人関係ない。無邪気に仕事できる大人がいたら、それはビジネス思考で仕事している人は一生勝てない。

ハートドリブンを読んで、目に見えない、説明できない「感情」を扱う大切さを思い出しました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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