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2000人以上が応援購入した、「燕三条のおろし金プロジェクト」から振り返る、ページ作りにおける4つのポイント

2022年5月にスタートし、約1ヶ月で1,000万円以上の応援購入総額を記録した燕三条のおろし金プロジェクト。担当キュレーターがページ作りのプロセスを振り返ります。

まず。大前提として、「おろし金」というカテゴリーの商品は、既に様々なメーカーが製造しており、近所のスーパーでも容易に手に入れることができます。

そんな状況の中で商品をヒットさせるためには、プロジェクトを通して、以下の状況を作り出す必要がありました。
・市場に流通している「おろし金」ではなく、今回の商品を選んでもらう。
・既におろし金を持っているのに、改めて今回の商品を買ってもらう。

成熟した市場のなかで、どうすれば商品をヒットさせられるのか?
株式会社トミタ様のプロジェクトから、そのヒントを紹介できればと思います。

プロジェクトページを作る前に考えたこと

その1 : 「競合商品との違いを明確に。」

まず、直接の競合となる他社商品との違いを明確にすることは必要不可欠です。今回のプロジェクトでも、他の商品と『トミタ式』との明確な違いを整理することからプロジェクト準備が始まりました。

市場にあるおろし金とトミタ式の違い、特に他の商品にはない特徴を整理すると、以下の3点を挙げることができました。

  • まず第一に、「刃がない」

  • その次に、穴がない。

  • ステンレス製でお皿としても使える

まとめると、トミタ式おろし金は「刃を使わず、穴のない、ステンレス製のおろし金」であると言えます。

ここまでで、他の商品との特徴の違いが明確になりました。
しかし、これだけでは使う人のメリットがどう違うのか?までは見えてきません。

そこで、次に考えたのが、「刃を使わず、穴のない、ステンレス製のおろし金」この特徴は、ユーザーにとって、何が嬉しいのか?

ユーザーの視点で特徴を整理すると以下になります。

  • 洗いやすい

  • 指を怪我せず、食材を最後まで擦れる

  • 擦ったその場で味わえる。

ここまでの整理で、
「刃を使わず、穴のない、ステンレス製のおろし金」は
「洗いやすくて、指を怪我しない。擦りたてをすぐに味わえるおろし金」と定義ができます。

ここまで定義できると、市場にあるおろし金との違いは明確になったと言えるでしょう。
まず考えるべきは、特徴の違いが生む、ユーザーのメリットの違い。
ここが明確になるとページで伝えるべき具体的な内容が整理されてきます。

その2 : 「ターゲットを明確に」

「洗いやすくて、指を怪我しない。擦りたてをすぐに楽しめるおろし金」これだけでも、商品の良さは理解できますが、どんな人がどんな理由で購入をしてくれそうかはもう少し踏み込んで考える必要があります。

そのため、次に考えたことは「ターゲット」
今回の商品は、誰が、どんな理由で購入してくれそうか。ここを考え抜いていきました。

洗いやすくて、指を怪我しない。擦りたてをすぐに楽しめるという特徴をもとに、複数のユーザー候補にインタビューを実施した結果 見えてきたターゲット像は、

「おろし料理が好きだが、洗浄の面倒臭さや、指の怪我を気にして、
自分ですり下ろすことを躊躇をしている人」「我慢して、チューブの調味料を使用している」
という声も大きなヒントとなりました。

そんな人が今回のおろし金を手にいれると、毎日の生活の中で、
「おろしたての薬味や食材を、いつでも簡単に楽しめるようになる。」

これは、他のおろし金ではなく、トミタ式を購入する理由になると考え、
ページ全体で伝えるべき最重要ポイントに定めました。

実際に、キービジュアルのキャッチコピーにも採用しています。

ここまでをまとめると、

①「刃を使わず、穴のない、ステンレス製のおろし金」
という商品特徴は

②「洗いやすくて、指を怪我しない。擦りたてをすぐに楽しめるおろし金」
というメリットを生み

③「おろし料理が好きだが、洗浄の面倒臭さや、指の怪我を気にして、自分ですり下ろすことを躊躇をしている人」
にとって

④毎日の生活で「おろしたてを、いつでも、簡単に楽しめる」ようになる
というベネフィットをもたらす。

と言えます。

ここまでを整理したうえで、実際のページ作りを行っていただきました。


ページ作成の2ポイント

その1:伝えるべき情報を絞る

実際のページづくりでは、実行者さんと1で整理した情報をもとに、伝えるべき内容を整理し、ページ制作を行っていただきました。

【商品特徴】刃を使わず、穴のない、ステンレス製のおろし金
刃がないという大きな特徴を伝わりやすくするために、指で触れている写真や、刃がないのに擦れている画像を使用。
素材や形状を示すためにプロダクトそのものの写真に説明を入れた画像を取り入れていただきました。

【メリット】「洗いやすくて、指を怪我しない。擦りたてをすぐに楽しめるおろし金」
メリットの部分は既存のおろし金と比較するような趣旨を表現するため『めんどくさいを解決』という項目を記載いただきました。
また、実際の使用写真を示すことでわかりやすく伝えることを意識して作成いただきました。

【ベネフィット】「おろしたてを、いつでも、簡単に楽しめる」
ベネフィットの部分は食材を下ろすことが身近で簡単になることによって新たに生まれる日常のシーンを示すことを重視していただきました。
また、サラダやドリンク等、少し憧れを生むような描写を意図的に使用していただいています。

その2:キービジュアル ・タイトルにこだわる

キービジュアルとタイトルは、プロジェクトページへの入り口であり、商品のベネフィットを短い時間で伝える重要なポイントです。

そのため、ベネフィットとそれをもたらす理由となるメリットを短く並べるタイトル・キービジュアル構成になっています。

おろしたてを、いつでも、簡単に。(ベネフィット)
刃を使わないから洗いやすい「卓上おろし金」(メリット)

※メリットの部分は、ユーザーの課題感が一番強そうな「洗いやすい」に
絞って短く記載いただきました。


◎担当キュレーター

 株式会社マクアケ キュレーター本部 ビジネスプランニング局
 クリエイティブ担当 酒井 翼

百貨店での店頭プロモーションやブランドマネジメント経験を経て2020 年にマクアケ入社。
商品ジャンルを問わず、400 件以上のプロジェクトにおいてクリエイティブコンサルティングを担当。
2022 年社員総会にて上半期のMVP を受賞。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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